プレバラ
第8話 世界は魔法で満ちていた
「その少年を殺してみよ」
俺は今、自分がいる場所も分からないまま殺人予告をされていた。
「マスター…!?いえ、かしこまりました」
そんな声を聞いて走り出した。頬を流れる液体が汗なのか、夢の中の水なのか、わかりそうもない。
薄暗い部屋にはドアが2つあった。一番近いドアを開ける。
ドアの先には長い廊下。しかし迷わず走り出す。
うわっ、なんかが高速で飛んできた。
振り向くと、暗い部屋からフードを被った人間が細い棒をこちらに向けていた。
「待ちなさい!」
「待つわけねーだろ!」
なんだ今の。たぶん、フードの人は俺を殺そうとしている。
長い廊下には部屋への扉が並んでいた。その一つに入る。
中にはベットと机がある。扉をベットで蓋をした。
けれど、ドアノブがガチャガチャと音を立てて、次にドンドンと鉄の扉が音を立て始めた。それによって扉は変形し始める。
突破されるのも時間の問題だ。
「開けなさい!」
「開けるわけねーだろ!」
天井近くにある格子に目を付けた。
机を移動させて格子の下に置く。音に急かされながら机の上に登り格子を殴った。錆びた格子は殴る度歪んだ。5回殴ってやっと取り外せた。手は血だらけになっていた。
俺は気にせず暗い外に飛び出した。天井近くからのダイブだった。幸い、木や芝生がクッションになった。
森のようだった。霧に覆われて、奥が見えない。右腕を庇いながら、森を抜けた。
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