第14話 水属性のリザードマンピッチャー現る
そんな彼は、味方の守備に頼らず、相手を三振で抑えられる力を欲していた。
「決めた! 俺はチャップマン級の豪速球が投げられるモンスターになりたい! 悪魔、頼むぜ?」
「ワカッタ。ババババッバーバババーバー!」
悪魔のクマが手を振れば、里佐土の全身に電撃が走った。
里佐土の全身が青く染まっていく。触ってみれば、新品の掃除機の表面のようにつるつるしている。腕回りに少し筋肉がつき、制服がきつくなって脱ぐ。腹から胸にかけては水色で、腹の筋肉が6つに分かれていた。
「おー、シックスパッド! 生で見るの初めてだよ」
「ヘヘヘ。憧れてたんだー、この体型」
彼の太腿は
「スッゲー! 俺、めっちゃ強そう!」
「残るは顔だけだね、
彼の鼻の穴が広がり、口とともに真っすぐ前へ伸びる。全ての歯がギザギザに尖り、舌の先端が二又に分かれる。坊主頭も青くなり、光を放つ。瞳は昼間の猫のように細長くなり、白目の部分が赤くなった。その顔はトカゲに似ている。
ただ、背中から尻尾にかけて黒い突起が無数に生えているので、現実のトカゲとは若干違う。
「うおおおおおお! この俺の体は何なんだぁ?」
「リザードマンダヨ。サァワザヲダシテミテ」
悪魔のクマに言われて、
「へー。
「これならマンティコアを倒せそうだねぇ」
アイス・ビーストとリザードマンは互いの顔を見合わせて、ニヤリと笑う。
「イマカラ、フタリトモ、オクジョウニイッテ、マッテテクレ。オレガ、マンティコア、ヨブカラ」
「「わかった!」」
毛玉巨漢のアイス・ビーストとつるてか細マッチョのリザードマンは、悪魔のクマの忠実な僕と化して、割れた窓から屋上へ駆けていった。
(続く)
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