第15話 マンティコアを呼ぶ謎の声
終礼後、
「いやー、ありがとうございます。
「いえいえ。私なんか、
「そんなことないですって。僕の高校時代の社会科の先生はお経を唱えてるみたいで、とても眠たかったんですよ。そのせいで、全然覚えてないです。
「では、野球部の練習見てきますので、ここらで。お疲れ様です!」
「お疲れ様です!」
さて、明日の教材プリント作ろうか。パソコンを立ち上げて、wordをダブルクリックすれば――。
<マンティコア、屋上に来い>
頭の中に謎の甲高い声が響く。何で屋上に? しかもマンティコア?
<早く屋上に来い、屋上に来い、屋上、屋上、屋上!>
うるさくて全く仕事にならない。頭が爆発しそうだ。もう、屋上に行ってやらぁ!
屋上への階段を上がり、扉前でふと立ち止まる。頭の中でマンティコアと呼ばれてたから、マンティコア姿じゃないとダメかな。あの筋肉モリモリで臭い獣人になるのは嫌だけど、正体がバレたくないからね。
私は衣服を全て脱いで、マンティコア化を始める。
「さて、どんな奴がいるんだぁ?」
オレは鼻息をタバコの煙みたいに長く出して、ドアノブに手をかけた。
(続く)
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