第13話 アイス・ビースト爆誕!
「マンティコアか……。許せん! 私の車を臭くしやがって!」
「なぁ。そのマン何たらを倒したら、お前はどうなるの?」
「オレ、マカイニカエレル。ココ、モウアキタ」
「なるほど! あなたが魔界に帰れるように協力しますよ! さぁ、私を何なりとモンスターに変えて下さい!」
「ヨロシイ。オマエ、ドンナノニナリタイ?」
「そうですねぇ。出来れば、女の子人気があるもふもふモンスターになりたいです」
「ワカッタ。ババババッバーバババーバー!」
悪魔のクマが手を振れば、相須の全身に電撃が走った。
彼の両手はグローブのようにふくれ上がり、黒い肉球がまんじゅうのように出てくる。体中に白い毛が生え、腕はご神木のように太くなり、スーツがちぎれる。彼はマッスルポーズを作って笑顔を見せる。
顔は丸みを帯び、黒ずんだ鼻が横に広がる。全ての歯が犬歯のように尖り、上の犬歯はさらに尖ってナイフのように突き出る。両耳は頭部に移り、三角形になる。彼は舌を上に伸ばして、鼻の感触を確かめる。
両足はビール
だが、変化はまだ終わらない。頭にトナカイのように枝分かれした角、肩に鳥よけの突起のような
「オマエ、アイス・ビーストナ」
「アイス・ビースト? おおおお、何だか、
彼が壁に向かって息を吹きかければ、氷づけになった。次に床に向かって息を吐くと、一面スケートリンクに変わる。大きな黒目の可愛いクマ顔から想像できない、えげつない能力だ。
「おおお。先生、可愛くて強いって最強じゃん」
「ガハハハハハ。
アイス・ビーストは
「うーん。俺はどうすっかなー」
彼は首をかしげて考えこむ。
(続く)
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