第18話
目が覚めると、紫の大きな瞳がこちらを見つめていた。
「おはよう、蓮也。」
「おはよう、リリア。」
静かに瞳を閉じたリリアに、そっと口付けをする蓮也。
「ふふっ、何だか夢みたい。私ね、ずっと独りで生きていくんだろうなって、そう思ってたの。だから、こんな風に朝を迎えることが出来るなんて、夢にも思わなかったわ。」
「 俺も天涯孤独って奴でさ、このままずっと独りなんだろうなって思ってたよ。女神様に感謝しないと。愛する人と迎える朝が、こんなにも幸せなんて知らなかったよ。」
もう一度口付けを交わし、互いの温もりを感じ合う2人だった。
「おはようございます! お食事にされますか?」
朝食にしようと下に降りると、元気いっぱいに挨拶をしてくるネネ。 少し遅い時間に起きた為、食堂を利用している人影は無かった。
「おはようございます、ネネさん。 今朝もオススメを2つお願いします。 」
「畏まりました! オススメ2つ入りまーす!」
そう言って厨房へ向かうネネ。 2人は空いている席へ座りながら、今日の予定を話し合う。
「リリアは行きたい所とかある?」
「私は特にないわね。 人の街は初めてだし、散策はしてみたいかも。蓮也は行きたい所はあるの?」
「そうだな、教会はあるのかな? あるなら行きたいんだけど。」
「なら、教会に行ってから散策しましょ! ここは美味しいものが沢山あるから楽しみだわ!」
それから暫く談笑していると、ネネが料理を運んできた。
「お待たせしました! 朝のオススメセットになります!」
目の前にはサンドイッチとスープ、サラダとコーヒーが並んだ。
「それでは、ごゆっくりどうぞ〜!」
「まずは朝食にしよっか。」
「そうね、今日のご飯も美味しそうだわ。」
上機嫌でご飯を食べ始めるリリアに続いて、蓮也も遅めの朝食をとるのであった。
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