第16話
「ここが大熊の宿か。」
中に入ると、1階は食堂になってる様だ。
「あ!いらっしゃいませー! 食事ですか?宿泊ですか?」
忙しそうにしているウエイトレスがこちらに気づく。
「宿泊したいのですが、部屋は空いてますか?」
「一部屋なら今空いてますよ!」
「一部屋か。」
リリアの方へ視線を移す。
「どうしたの?部屋があるなら良いじゃない。」
「お、おう、俺と一緒の部屋だけど、良いのか?」
「今までも一緒に寝てたじゃない。今更気にすることなんて無いわよ。」
「そ、それじゃ、とりあえず7泊でお願いします。」
「はーい.お2人様7泊で14万Gになります!何かあったら気軽にこのネネまで仰ってくださいねー!」
アイテムボックスから金貨を出し、ネネとゆうウエイトレスに渡す。
「はい、丁度お預かりしました! こちらが鍵ですね、部屋は2階の突き当たりになってます!それではごゆっくり!」
そう言って他の接客に戻ったネネ。 2人は鍵を持って部屋へと向かった。
「思ったより広いな。 これなら過ごしやすそうだ。」
「人間ってこんな所で寝てるのね。」
「あぁ、大体の人は部屋で寝てるんじゃないか?」
「へぇ、夜が楽しみね!それより、なんだかお腹がすいたからご飯にしましょう!」
そう言ってリリアは蓮也の腕を引いて歩き出し、1階へと降りた。
「すみません、オススメを2つ下さい。」
「畏まりました! 直ぐに持ってきますので少々お待ち下さいねー!」
そう言って厨房へ駆け出すネネ。 料理が来るまでの間に、これからの事をリリアと話し合う。
「さて、とりあえずここまで来たけど、明日から何しようか。」
「私は美味しいものが沢山食べたいわね、あとは蓮也が居れば何でもいいわ。」
リリアの何気なく口にした言葉は、蓮也を動揺させるのに十分だった。
「リリア、そう言う事はその、勘違いしそうになるから、気を付けてくれ。」
「勘違い?なんの?」
「それはだな…」
「なによ、ハッキリ言ってちょうだい。」
「それは、その…」
視線を泳がせて、挙動不審な蓮也に問い詰めるリリア。すると、ネネが料理を持って来た。
「お待ちどーさま! 」
「なにこれ、いい匂い!美味しそー!」
さっきまでの事は忘れて、すっかり料理に夢中になったリリアを見て、 ネネが救世主に見えた蓮也であった。
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