第13話
街中へ進むにつれ、人が多くなってきた。
「なんか見られてるわね。」
「これでも私達、Sランクパーティだからね。注目はされてるのよ。」
リリアの呟きをひろったメレアは、誇らしげにそう言った。
「駆け出しの頃が懐かしいなぁ、あの頃は毎日生きるのに必死だったよ。」
「まっ、良いじゃねぇか! 今はこうしてやっていけてるんだからよ!」
「美味しいご飯…いっぱい食べれる…」
雑談をしながら歩いていると、すぐに目的地へと辿り着いた。
「ここが冒険者ギルド…大きいな。」
「なんだか騒がしい場所ね。」
「活気があって良いじゃないか。 それより、守護者の皆さん。 ここまでの案内ありがとうございました。」
「こちらこそ、君達に出会えたことに感謝だ。」
2人が握手すると、奥の扉からダインよりも2回りほど大きな、筋骨隆々の男が勢い良く出てきた。
「お前ら!!!無事に戻ってきたのか!!!」
慌てた様子でレイン達の姿をみると、途端に安堵した表情を浮かべた。
「とにかく、無事なら良かった。 奥で話を聞かせてもらうぞ。」
そう言って奥へと姿を消すギルドマスターを見ながら、やれやれとゆう感じでメレアが言う。
「何時もは落ち着いてて良い人なんだけどね、よっぽど心配だったみたい。」
「それじゃ、俺達は報告があるからもう行くよ。まだな、2人とも!」
「また今度は酒でも飲もうや!」
「買取…あそこ…登録もできる…じゃ。」
蓮也とリリアに別れを告げ、ギルドマスターの居る方へ去っていった守護者のメンバーを見送った。
「すいません、薬草の買取をお願いしたいんですが。」
ニーナに教えてもらったカウンターへ向かい、受付嬢に要件を伝える。
「ご利用ありがとうございます。 ギルドカードはお持ちでしょうか?」
「ありません。登録もしたいのですが、大丈夫でしょうか?」
「畏まりました。 それでは先に、査定などもありますので買取から進めさせて頂きます。先ずは物品をこちらの箱へお入れ下さい。」
そう言って差し出してきたのは、1m四方の箱であった。
(とりあえず、この箱いっぱいにしておけばいっか。)
アイテムボックスから薬草を取り出し、次々と箱に詰め込み出した蓮也。
「はい。とりあえずこれくらいで買取を宜しくお願いします。」
そこには箱に隙間なく詰め込まれた薬草と、呆然としている受付嬢が居た。
「…はっ!失礼しました。 収納魔法をお使いになられるのですね。」
「珍しいのですか?」
「収納魔法を持っているだけで、商人の方からは引っ張りだこになるくらいには珍しいですね。」
「そうなんですね、まだ量は有るんですが、とりあえずこれだけで1度査定をお願いします。」
「はい、それではこちらを運んで来ますので、少々お待ち下さい。」
そう言って、奥へと箱を押して行く受付嬢。暫くの間リリアと雑談して時間を潰す蓮也だった。
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