第2話




気がつくとそこは、森の中だった。



「…無事に転生出来たみたいだな。よし、早速ステータスを見るか。ステータス!」



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ステータス

称号:異世界からの来訪者

名前:鈴原 蓮也 Lv1

年齢:23

性別:男

筋力:B

俊敏:C

魔力:S

耐久:C

幸運:S


スキル

超再生

全属性魔法

言語理解


ユニークスキル

聖域(サンクチュアリ)


加護

世界神の加護


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「幸運S…それに聖域とこの加護って…詳しく見てみるか。」


聖域

(自身の定めた範囲に結界を張るスキル。結界の中では、怪我をすることも死ぬこともない。また、回復の効果もある。範囲に応じて使用する魔力が異なる。使用者の許可なく結界内に立ち入ることも許されない。)


世界神の加護

(世界神によって転生したものへ与えられる加護。幸運値が上がる)



「なるほど、幸運値が高いのは加護のおかげか。とりあえずステータスも確認したし、場所を変えるか。」



そう思い、移動を始めた瞬間。



ガサッ



ガサガサッ



揺れる草むら、その中から出てきたのは…



「…角の生えた、兎?」



何かに追われているように怯える兎を見ていると…



「ウォォオオン!!!!!」



(なんだ!?次は狼の鳴き声!? ま、まずい!早く逃げないと!)



兎の方に目をやると、既にそこには居なかった。



(や、やばい、もしかして、標的が俺に変わるんじゃ…)



勢いよく飛び出す蓮也、しかし、鳴き声は徐々に近づいて来ている。



「転生早々なんでこんなことに!」



愚痴りながらもペースを落とすことなく走り続ける蓮也だが。



「痛っ!」



木の根っこに躓き転げてしまう。



「グルゥゥウ」



(は、ははっ、まさかの初っ端から詰みじゃねぇかよ…)



体を起こした蓮也が見たのは、大きな白銀の毛並みを持つ、美しき狼だった。



「綺麗な狼だ…」



そう、無意識に呟くほどに…



『…』


「…」


『綺麗だなんて…』


「えっ?」



(喋った…?今この狼が喋った…?)



「その、言葉通じるのか…?」


『え? 貴方、私の言っている事が分かるの…?』


「…分かる、みたいだな。」




暫くの間、無言で見つめ合う1人と1匹であった。



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