異世界転生したので狼とのんびり旅をします。

だっち

第1話




俺の名前は鈴原すずはら 蓮也 《蓮也》。

ブラック企業に勤務する23歳のサラリーマンだ。

そんな俺だが、目を覚ますと



ーーーー見渡す限りの白だった。



(手足が無い?何処だ、ここは? 俺は確か、コンビニから帰る途中で、たしか…)



「貴方は車に轢かれ、亡くなりました。」



声のした方へ意識を向けると、そこには一人の女性が立っていた。 絹のような金色の髪を腰まで伸ばし、美しさと可愛さを兼ね備えた容姿も相まって、女神のようだと思う蓮也であった。



「私は貴方の想像した通り、女神です。貴方は運悪く、神々のミスにより命を落としました。大変申し訳ありません。」



(神様でも間違いはあるんですね。しかし、俺はこれからどうすれば良いのでしょうか?)



「貴方には私の管理する世界、つまりは異世界に行ってもらいます。ファンタジーな世界だと思ってください。科学はあまり発展しておらず、魔法が主流の世界です。勿論、向こうで過ごしやすいように特典を付けさせて頂きます。」



(…テンプレですね。)



「特典の説明をさせて頂きます。まず、肉体機能につきましては、年齢は今と同じで身体能力の向上と病気に罹らなくなります。怪我の際も治りが早くなる様に、超再生のスキルも差し上げます。」



(なるほど、それは有難い。大事な時によく風邪を引いてましたからね。)



「次に、魔法についてですが、全属性使えるようにしましょう。魔力も尽きる事がないようにします。」



(全属性に、無限の魔力ですか…)



「私は力を授けますが、どの様に扱うのかはあなた次第です。」



(…そうですね、ゆっくり考えてみます。)



「後はランダムでスキルを1つ授けます。何を授かるかは向こうに行って見ないと分かりません。向こうに着くとステータスと言えば自身のステータスが出てきます。」



「私からは以上です。なにか質問などはありますか?」



(では、一つだけ。貴女のお名前は?)



「…シルヴィアですが、なぜ急にそのような事を?」



(いえ、向こうの世界に行ったらお祈りしようかと、今回お世話になりましたから。)



「…」



(あの、なにか?)



「…いえ、貴方のような方は今まで居なかったものですから、少々動揺してしまいました。」



(おかしい事なんでしょうか?)



「いえ、信仰は有難いです。」



(なら良かった、教会に行った時は必ずお祈りしますね。)



「ええ、宜しくお願いします。 さて、時間もありませんので彼方に送りますね。」



はい、色々お世話になりました。



「それでは、貴方の行く道に幸多からん事を。」



ーーーーーこうして俺は、新たな人生の第1歩を踏み出した。




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