第三夜 霊障

 これは今年の夏の話、大学生の私は友人らとよくあるノリで有名な山奥のラブホ街の一角にある全焼したラブホテルに向かっていた


車で約40分程度、神奈川県のSホテルがその噂のホテルだ、全焼と言われるだけあって中はほとんど灰まみれでものすごく塵が舞っていたのをよく覚えている


実際入ってみると有名なだけあり落書きが多かったり鏡が割れていたり、よくある雰囲気でお化けなんかよりも虫や灰で喉がおかしくなったことのほうが怖かった


無事何事もなく心霊スポットをまわり帰ることになった


帰路には○○君という名の少年が立て続けに亡くなったというトンネルがあったがそこもただのトンネルだった


ただのドライブになってしまったが私はそれでも満足だった




しかし恐ろしかったのはその後の出来事だ


たまたま実家に帰っていて母と世間話をしていると「あ、そういえば」といって最近家でおきた奇妙なことを話始めた


まずは弟が「黄色い人」というのを見たこと

これは弟が昼間に部屋でゲームをしているときに窓から外の洗濯物に目を向けたときに干された洗濯物の隙間に黄色い人というのが現れたという話だ


次に妹が部屋のドアをノックされたが何もいなかったという話


次に母が揺れるビニール袋を見たという話だ

夏場でエアコンをつけているため外の風はなく、しかしエアコンの風とは違い不規則にビニール袋が揺れていたというのだ。


いつかと聞くとそれはすべて心霊スポットに行った日から3日以内に起きた出来事だった。


私は基本的には幽霊は信じていない、黄色い人も幻視といえるし

ノックは幻聴、ビニール袋はエアコンの風が乱れていたのかもしれない

と、そう思う


しかしこれが心霊スポットへ行った日からそう時間のたたないうちに連続で起きていること、こればかりは非常に奇妙に思った。


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