第二夜 知人の父が死んだ
私は小学生の頃に剣道を習っていたころがあった、その習い事では夏に合宿があり
合宿では夜に友達同士で集まり花火をしたり怖い話をするのが恒例行事となっていた
私は剣道が嫌いで毎回いやいや通っていたが、今思えばとてもいい経験だったと思う
その合宿では保護者が最低一人参加しなければならなくて、みんな一人、または二人の保護者が付き添いで参加していた
私の4つ上の先輩にあたる人のお父さんはよく子供たちに向けて怖い話を持ってきてくれた、ある峠で死体遺棄がありそこで霊を見た話、帰路でよく視線を感じること
神隠しが身近に起きたこと
現実に起きたことかは定かではないが彼の話はとてもリアルで、怖くて、毎回その怖い話を楽しみに合宿に参加していた
それらの怖い話の一つに「黒い人」という正体不明の存在が登場する話があった
その話というのは、その人が誰かの死に際に必ず黒い人型のモノが現れるというもので、例えば祖母が入院している病院にお見舞いに行くために車を走らせていると道路わきに黒い人型が見えて、その翌日に祖母が亡くなったとか
サイレンを鳴らして走る救急車の助手席に黒い人型が乗っていたとか
いわゆる「死神」のような部類に入るものが見えるといったものだった
そしてそんな話をしてくれた彼が数日前に亡くなったことを父から聞いた
48歳だったという
48歳のあまりにも早い死に私は真っ先にその「死神」の存在を感じた
私にはそのようなモノは見えないが、きっと見えると寿命が短くなってしまうのではないか
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