42  植物衆爆誕!

 腕をちぎって、ちぎった腕を植えて、ハエを食べて、寝て、そしてまた腕をちぎって、ちぎった腕を植えて、ハエを食べて、寝て、腕をちぎって——…




《告:熟練度が一定に達した為スキル【株分けLv.2】がスキル【株分けLv.3】へとレベルアップしました》




 もう疲れた。

 色々限界だわ。


 目の前にあるのは白い筍、元腕の株分けした我が軍団一期生。


 私から派生した4……匹? 本?

 そのうちの2本は更に株分け。


 まとめると、頭であるマンドランである私。

 その私から指示を受け取り細かく指示を出す小隊長的なポジション、プチマンドラン2本。

 私の腕からさらに株分けされた分体、パラスティックプラントの種8本。


 まだまだ種だけなら増やせるけど、私との繋がりが遠くなっちゃうと弱い種になっちゃうみたいだから、とりあえず初期本数は計11本。


 ここに『植物衆』爆誕!

 モットーは”雑草魂”だな。


 ふっふっふっふ。

 ふははははは。

 これぞ数の暴力!

 勝ったな。




《告:命名”植物衆”の【樹海】での生存確率の上昇率2%です》




 え……よっわ。

 もう安全圏内余裕かと思ったのに。


 そういえば、森さんレベル上がってたよね?

 私のステータスとかそろそろわからない?

 スキルとか。

 もういい加減に自分のことくらいは知っておきたいんだけど。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




《種族:マンドラン(変異種)Lv.3》

《名前:なし》

《称号:【外界者ヨソモノ】【無慈悲者ムジヒナモノ】【日陰者ヒカゲモノ】【生存弱者ヨワキモノ】【悪食プレデター】》

《攻撃力:24》

《防御力:38》

《魔法力:18》

《俊敏 :42》

《知力 :104》

《器用 :87》

《幸運 :11》


〜スキル〜

 視覚Lv.6

 暗視Lv.5

 遠視Lv.1

 味覚Lv.5

 速食Lv.4

 過食Lv.1 

 寄生Lv.3

 硬化Lv.4

 咬合力Lv.3

 地属性魔法Lv.2

 穴掘りLv.5

 身体操作Lv.7

 生命吸収Lv.5

 株分けLv.3

 影操作Lv.1

 逃亡Lv.4

 隠密Lv.3

 気配察知Lv.4

 再生Lv.3

 空振探知Lv.3

 発声Lv.1

 毒根Lv.3

 魅惑香Lv.2

 読心術Lv.4


〜耐性系〜

 死耐性Lv.1

 精神汚染耐性Lv.4

 精神苦痛耐性Lv.1

 瘴気耐性Lv.2

 毒耐性Lv.4

 石化耐性Lv.1

 麻痺耐性Lv.2

 酸耐性Lv.4


〜Ex.スキル〜

 陰合成Lv.1

 外道Lv.2

 絶体絶命Lv.1

 悪食Lv.1

 食物連鎖Lv.1


〜ユニークスキル〜

 森羅万象Lv.5




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




 おー。

 ステータスが微妙に成長、してるか?

 覚えてないわ。


 いっぱいスキル取ってるじゃん。

 思ったよりも色々持ってるのね。

 ……死耐性ってなんだよとは思ったけど、まぁそのまんまなんだろう。

 死に対して耐性ってなんの意味があんのか分かんないけど。

 転生時あの時に取ったのかな。


 でもさ、これだけ見ればかなり強そうに見えるよ?

 耐性系のスキルもいっぱいあるし!

 それに知力が3桁。



 

《告:この世界の人間成人レベルの平均ステータスでオール100程度です》




 えっ……。

 嘘でしょ。

 この世界の人間はみんな化け物か何かなの?




《応:否》




 嘘だ!

 私は進化もしたし、レベルも上がったし、群れのアタマ張るようになったんだぞ!

 それが人間の三分の一しか能力がないなんて、そんなのあり得ない!




《告:マンドランとは希少な薬の材料となります》




 スゥー。


 ……あー、うん。

 そんな設定確かにあったわ。

 ネタで書かれてるもんだとばっかり思ってたから、すっかり忘れてたわ。


 ま、まぁ、私は能力値じゃなくてスキルで戦ってきた口だし?

 頭脳派だし、知力は平均以上だし。

 じゃあ次は分体のこと教えてよ。




《解:プチマンドラン》

《葉に檸檬色の小さな花を咲かせ、体となる根は淡い緑色の自立型植物》

《自立型だが動くのが苦手で基本地中に身を潜めている》

《薬の材料となるが、食べすぎると腹を下す》

《少量であれば料理に良いアクセントを生む》




 ……。

 本格的に食材やんけ。

 食べすぎるとってなんだよ。

 私たちは乱獲されるような存在なの?

 こっちの人間に栽培されちゃっている系?

 違うよね?




《……》




 違うって言って!

 ……ち、ちなみに種達は?




《解:パラスティックプラントの種》

《種子から綿毛のような軽く細長い根が飛び出ている》

《生み出された直後は風に乗り、遠い地にて根付く》

《寄生能力に優れており、綿毛のような根で多生物の体内へと根付いて精力を吸収することによって成長することも可能》

《過去に寄生された人間もおり被害を出している為、見つけ次第焼却対象となっている危害植物》




 種の方がおっかないんだが。

 もしかして、進化の選択ミスった?

 でも、自立能力は欲しかったし後悔しても仕方ないか。


 座り込んだ私は白筍となっている分体に視線を移した。


 ねぇ森さん、今は私と同色で白いけどさ。

 私が白いのは称号の【日陰者ヒカゲモノ】の影響なんだよね?

 分体たちはどんな感じになるの?




《解:通常個体として生を得ます》




 ほー。

 じゃあこの筍は緑になるのか。




《応:是》




 ふーん。

 ま、分体たちが成長するまでは特にやることもないし寝て待ってようかな。

 そういえばってほどでもないんだけど、あんなに恐怖心しかなかったのに株分けに抵抗なくなったなぁ。

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