この物語の主人公は病弱で、長い間、病院の一室で時を過ごしていた。
病状が回復に向かい、退院が許可されたその夜、病院併設の図書室で、不思議な経験をする。
普段使いの図書室の入り口が、その夜に限って、違う風景を写していた。
そこでは黙々と、なにかの作業をしている。迷い込んだ主人公も、その作業を手伝わされた。
それは、ある女の子を送るために必要な作業なのだと……。
主人公は、時の過ぎゆくことも忘れ、夢中でその作業に没頭していた。そして、発作を起こし倒れる。気づいたのは自分の病室、そのベッド。
その記憶は、夢だったのだろうか……?
せつなさも儚さも、優しく暖かく綴られた文章がとても心地よく、哀しい物語のはずなのに、何故か癒される。
主人公にとって、新しいなにかが始まるための、今までのなにかの終わりの物語。
その意味は、ラストに……。あなたも、優しくなれるはずです……。