【1】記憶

■千九百九十八年 夏の終わり■


 強烈な光が……


 俺に迫ってくる……。


 激しい衝撃と痛みが……


 体を貫く……。



 ――ここは……


 何処なんだ……?


 ――俺は……


 何処にいるんだ?



 人のざわめき……


 闇を切り裂くような悲鳴と……


 泣きながら俺の名前を叫ぶ、女性の声……。



 もがいても……


 もがいても……


 俺は、闇の中……。



 眩い光に包まれ……


 俺の体は……


 上へ上へと昇っていく。


 上空に、一点の光が見えた。



 一筋の流れ星……。


 その光が眩しくて……


 俺は……


 静かに瞼を閉じた……。

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