第21波 〜煙月〜

月が綺麗だね

冗談っぽく言う君


ずっと前から綺麗だった

そう返す


お互いの真意は分からない


意識し始める二人

いつも通り話せない


すぐに実った果実

明るくなった毎日

それも長くはなかった


些細なことで

言い争い


求めすぎて

求められたくて

止まらなくなっていた






あんなに綺麗だった

死んでもいいくらいに


今はもう

月は見えない

夜空に星は見えない

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