第2話 おやゆびひめ
愛情という真綿は やさしくて残酷
空の蒼さも 光の眩しさも 教えてくれない
どれだけまどろんでも どれだけ当たり散らしても
いつもいつもオブラートのようにそっと包んでくれる
親切という胡桃の殻は 暖かくて残忍
風の強さも 空気の冷たさも 教えてくれない
どれだけ笑っても どれだけ怒鳴り散らしても
ただただ頑なに守ってくれる騎士のように無言のまま
だから 私は 旅に出る
愛情も親切も 否定して 旅に出る
生きている意味を探しに
この命は私のもの
自由は容赦なく私を傷つけるけれど
―― それでも 私は 生きている
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます