第7話傭兵団と邂逅する 後編

そしてカチューシャの過去語りがはじまった。

「私とノンナの二人はウクライナのとある農村で生まれたの。ノンナとは子供のころから一緒だったわ。まあ、二人とも農奴の家でね。私たちは家畜と同じ扱いだったわね。両親も地主であった貴族に殺されたわね。で、そんなわけで子供の頃の栄養不良が元でこの通りのチンマイ体になったわけよ。ノンナの方も似たような状態だったわね」

「そうですね。私のために少ない食料を分けてくれたこともありましたよ。ですから私はカチューシャに恩義と忠誠を誓っているのです」

それを聞いた私は言う。

「そうか。まあ、私も二親があっけなく死んじまって。養護施設に入れられて満足な食事にも事欠いたこともあったわね。で、ネズミやら小鳥を焼いて食ったこともあったけれどね。まあ、軍に入ってから急にムチムチになったけれど入る前はがりがりだったわね」

「そうなんだ。連合というのも結構貧富の差はひどいのね」

「まあ、そうなるわね。少なくても手前に才覚次第で這い上がることができるけれどね。で、どうにか義務教育終了までにどうにか生き延びる術を身に着けることができた私は生き延びるために軍に入隊した。カチューシャはどうなの」

「あたしの方も似たようなものね。ノンナが地主の代理母にされると聞いて私はノンナを説得してその地主をヤッたわね。まあ、その直後にその屋敷は火災にあって地主は焼死体となったそうだけどね。で、私たちはそのまま軍に入隊しそこで機動歩兵訓練を受けて私たち二人とも脱落することなく実戦部隊に配属されたわね」

「そのヤルっていうのはいわゆる殺す方のヤルよね」

「もちろんよ。まあ、結果的には焼死体になったけれど私たちが手を下したときはまだ息があったけどね」

「そう。そしてタバコの火の不始末かストーブの火が燃え移って屋敷が全焼ということね」

「そうなるわね。で、私たち二人は機動歩兵部隊で任期の3年をどうにか無事に過ごせたわ。で、一応市民ということになったのだけど本当の地獄はそこからだったわね。ノンナ」

「そうですね。カチューシャ」

「市民になったなら確か国から軍人恩給が出るはずだが」

「まあ、出るには出たけれどそんなの家賃だの税金で右から左よ生活費を稼ぐのに私たちは最初AT、MS技能を持っていたからその手の仕事にありつこうとしたけれどまあ、ほとんど相手にされなかったわね。で、他の仕事を探そうにも資格がないわ。読み書きも碌にできない学がない人間だったから。娼婦になる覚悟を決めた時にAT、MS操縦技能をもつ者募集という張り紙をみたのよ。で、それがいわゆるバトリングというAT、MS同士の肉弾戦の操縦手だったわけよ。かつて古代ローマでコロシアムというところで自由市民の娯楽のために剣闘士同士が戦ったあのような感じよ」

それをきいて私は言う。

「そっか。こっちも昔は違法だったけれど今は公営ギャンブルということでATのプロレスというか格闘技はあるわね。なんでも西住みほ議員が違法化するくらいなら完全合法化して競技という風にしたほうが良いということで今では大規模試合では放送される程度の知名度になったわね。むろん、勝ち上がる選手はトップスターとして賞賛もされてるようだね。昔はマフィアだのヤーさんが取り仕切っていたから闇試合で非合法という分類だったけれどね。で、帝国の方はどうなの」

それを聞いたノンナは言う。

「そうですか。ある意味羨ましいですね。私たちの方は非合法ということですし、その上貴族たちの資金源になっていますしね。そして私たちのような解放奴隷などがこの手の競技に参加させられますね。そして、私たちがいたプロモーターというのかな興行手配士が質の悪い奴で仲介料だのなんだのといってファイトマネーを中抜きするクズ野郎だったわね。その時にクラーラとであったのよね」

「そうですね。同士カチューシャ。貴方がいなければ私は今頃死んでいたでしょう」

とまあ、その様子を見て私は察したわね。で、そのような話が一段落ついた直後船体が大きく揺れ警報が鳴り響いていた。

そして隊長がとっさに艦内電話の受話器を取り上げて状況を聞く。そして彼は言う。

「敵の急襲だ。数はヤドカリ級戦艦2、スズメバチ級フリゲート多数だ。で、いま随伴艦と交戦ちゅうだがこちらも急いで出撃だ」

「判った。今すぐハンガーに行くよ。カチューシャ。貴方方もバトルドレスとATに急いで搭乗したほうがいいわね」

「わかっているわ。まさか宇宙でバグと交戦とはね」

「御託はあとです。いそぎますよ」

そんな感じで格納庫に向かう途中で船内が大きく揺れるそして赤いライトに切り替わる。これはちとまずい状況になりつつあるとおもったわね

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