第6話 傭兵団と邂逅する 前編
「救援要請が来ているようですぜ。ストーム1」
「了解した。私たちは救援要請を受諾。これから掩護に向かう。シャンペン、ブランデー、ワイン。われに続け」
という感じでマリオネット隊を率いる私は掩護に向かうことになった。
どうやら連合ではなく帝国系の部隊が大型バグに包囲されつつある状況といった感じね。
「じゃあワインとブランデーは後方で掩護よろしく。シャンペン行くぜ」
「あいよ~」
という感じで私は流れるように敵を撃退していく。そして孤立していたAT部隊の援護に回りそして後方まで護衛に当たった。まあ、その間に追撃してきた敵を削りながらであったが。
そして任務完了し母艦に戻った我々はいつものように整備班に機体の整備と武器、燃料補給を任せて司令に報告するべく指揮所に向かうとそこで帝国系の傭兵とばったり出会った。
「報告します。戦果は小型バグ40体、ル級バグ3体、タ級2体、レ級3体、ヲ級空中浮遊バグ4体、ワ級補給バグ1体破壊に成功しました。なお、途中で帝国系のAT部隊を掩護しその時に大型バグを破壊しました」
とまあ、ありのまま報告すると司令である佐藤大尉は言う。
「そうか。何故帝国の連中を助けた。いがみ合っている連中だが」
「お言葉を返すようですが、地球圏ならいざ知らずここは太陽系外縁部です。そして人類はバグの脅威にさらされております。ここでは旗の違いでとやかく言うのは野暮というものではありませんかな?」
「なるほど。確かに君の言うことはもっともだな。救援要請があったから掩護したらそれが帝国サイドだったそういうことでいいのだな」
「そうです」
「わかった」
と、まあ、これで話が終わるはずだったけれどその直後に私たちが乗っているガンビアベイに帝国の船が一隻並走してきた。どうやら私が掩護した部隊が乗っている船だそうだ。そして私と司令は格納庫へと向かった。そして向こうの揚陸艇が着艦しそこからATがぞろぞろとやってきていた。
で、司令が何事か尋ねると向こうの方から通信が入ってきた。
「我々はプラウダ隊の隊長カチューシャ。先の戦闘で我々を助けてくれたMSのパイロットと面会がしたいのだけど」
「ですって。隊長。どうします」と私が言うと隊長は言う。
「お前がやらかしたんだろ行くしかあるまい。行きな」
「はいはい。わかりました」
そんな感じで私は格納庫に行きプラウダ隊のカチューシャとなる人物と会話することになった。
「私が先の戦闘であなた方を掩護したMSのパイロットだ。ここではなんだから談話室で会談を行いたいので貴方方もATから降りてもらいたいのだけれど」
「判ったわ」
そんな感じで私と隊長。それにプラウダ隊の連中20人が一堂に食堂の一角に集まって会談することになった。
「で、私はマリオネット隊隊長のミズモ・ランよ。無線コードはストーム1。貴方方を掩護したのは私になるわ。あともう一人いるけれどね」
「そう。私はプラウダ隊隊長のカチューシャ。隣にいるのが副官のノンナとクラーラになるわね。一つ聞きたいのだけどなぜ私たちを助けたのかしら」
「ん~。なぜかですか。救援要請を受けて幸い弾薬、燃料に余裕があったのと私たちの部隊はいわば火消し部隊だからある程度の自由が利く部隊だったからね。で、あなた達の部隊を助けた結果帝国系の部隊だった。それだけ」
「そう。これはトンデモナイ借りをもらっちゃったわね」
と隊長のカチューシャが言うと私は言う。
「この場所で帝国だの連合だのといがみ合う理由がない。まあ、その結果このような掃きだめというか懲罰部隊にだけど後悔はしていないよ」
「そっか。少し気に入ったわね」
「そう。でもなぜあなたのような子供が・・・」
「ちょっとこう見えてもあたし一応あんたよりも年上なのよ」
「そう。とてもそうは見えなかったのでね」
「まあ、そうなるよね。まあ、あたしも子供の頃に食うや食わずだったからね」
「そうなの。あたしもスラムで育ったけれどね」
「で、その体型なのね。羨ましいわね。ノンナやクラーラと変わらずといったところね」
「そうか。それは光栄だね。まあ、あたしの場合は市民権云々よりも仕事がなくてそれでこの兵隊稼業を選んだわね。まあ、最初に配属されたのが工兵隊でMSはおろかATすらもなくバトルドレスでバグの巣などに爆薬を仕掛けて爆破任務を多数こなしたわね。もっともその時の同士というか同期の連中は皆喰われたり、爆薬が誘爆して吹っ飛んだりで皆死んだよ」
それを聞いたカチューシャの反応はとても驚いていたようだった。
「なによ。それって帝国よりも酷いじゃあないの。もしかして銃すらなかったの」
「一応護身用に口径7.62mmのカービン銃はあったけれど気休め程度ね。それこそイ級をやれるかどうかの代物だったわね。で、私たちが従事したのは味方の進撃の邪魔になるものを排除だから当然チ級やら光線級と言われるソ級がワンサカの現場だったわね。で、奴らの背後に乗り込んで破甲爆雷で撃破したこともあったけどさ。それでも部隊の損害は平均で8割の損失だったわね。で、ひどいときには指揮するものが皆死んじまったという状況もあったわね。それが何を意味するか貴方ならわかるでしょ」
「そうね。相当すごい経歴のようね。それじゃあ私たちの方も少し話しておくかしらね。まあ、明日をも知れない我々だからこそ少しでもということかしら」
「そう。いいわよ」
そしてカチューシャたちの話が始まる
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