第11話 極魔新入生武道会5

「なんだこいつ」

それが、俺が初めてキリエの試合を見て思ったのはこの一言だった、

試合は数分前に遡る、


「準決勝!キリエVSカーナ!五大貴族対決!テーマは、じ、自由です!」

「キリエさん、降参するなら今のうちですよ?」

「お気遣いありがとう、でも負けません」

「試合ー開始!」

<魔法コマンド…上級単体特化型炎魔法>

<魔法名…地獄の業火>

<魔法効果…上級に進化し完璧に進化を遂げた炎を相手に撃つ>

「私に炎で挑むなんて、馬鹿にしているのかしら?」


その瞬間、キリエの魔力が爆発したように膨れ上がりそして、


「龍仙 十の龍 炎気吸収」

「なんだと!?地獄の業火だぞ!?」

「口調がいつもに戻っていますわよ?」

「ふざけるな!」


凄いな、魔力が一気に増えた。更に、あの技強すぎないか?そんなことを考えていたら不図ふと声を掛けられた、


「隣いいかの?」

「どうぞ」

「ふぉふぉ、キリエの奴楽しんどるわい」


!、何時の間に背後に!?、気づかなかった、



「そ、そうですね」

「時に、お主、面白い魔力しとるの」

「ど、どういう事ですか?」

「普通の人には魔力の元となる魔心臓と呼ばれる。魔力を作っている器官があるのじゃが、普通は人一人に一つなんじゃ、なのにお主は、性質が違う魔力を二つ持っており、魔心臓も二つ持っておる、大事にするのじゃぞ」

「はい!」


そんな話をしていたら試合がドンドン盛り上がってる、


「クソ!なんで!なんで攻撃が当たらないの!?」

「それはあなたが遅いからですわ。今度はこちらから」

「龍仙 五の龍 氷龍吹雪アイスドラゴンブリザード

「な、なんですか!?このバカげた魔力!」


うお!凄いなこの魔力。この中で随一の魔力じゃないか?ま、俺には敵わないかな?だとしてもだ俺ですら危機感を覚える程の、


「流石じゃのうわしの弟子は」

「そうですね。あな…た…の弟子…は」


首がぎこちない機械音のような音を出しながら隣のおじさんの方を見た、


「そうじゃぞ、我が弟子、この龍仙 デメラキ=ゴラドの弟子じゃ」

「…え?」


いや待て待ておかしぞ!?駄目だ頭が回らない、この爺さんあの全仙人の頂点に君臨する龍仙であり、全龍族の長(とロップ君に教えて貰った。)。その弟子がキリエだと!?


「そうじゃぞ、では決勝で我が弟子と戦う事になるが恨まんでください」

「いえいえ、恨みませんよ。だって勝つのは…俺ですもん」

「ほう、言ってくれる。若造が」


この爺さん怒り始めたぞ、おい、どんだけ溺愛してんだよ、


「じゃあさらばじゃの」

「はい」


いやあ、キャラ濃かったなー、あの爺さん、


「決まったー!」


えええぇぇぇ!!あの爺さんと話しをしてて見てなかったぞー!!あのジジイ!!


「では、次の試合は、まだまだ底が分からぬ超新星 オウマ=ゲッカ選手!対戦相手は、先程の試合で圧倒的な力の差を見せた!キリエ=アスカ選手!今注目の二人の試合!それで、学年最強が決まります!超新星スーパールーキーか、龍少女ドラゴニュートの戦いに目が離せません!」


何故、こんなにも人の戦いでここまで盛り上がれるよな、本当、

そんな感じで憂鬱になりつつ次の試合のコンディションを整えるのであった。


第11話終了

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る