第35話 デート休憩





「春ちゃん、何飲む?」

「え、えっと…オレンジジュース…」

「じゃあ、僕もオレンジジュースにしよ」


水族館内の喫茶店は喫茶店内から小さな魚がたくさん入っている水槽を眺めることができてとてもいい雰囲気だ。ジュースを置くコースターや、ジュースについて来たクッキーには可愛らしいイルカのイラストが入っていてとてもかわいい。


「りょうた、イルカショーの時、私のことチラチラ見てたでしょーちゃんと気づいてるからねぇ」


水族館デートで緊張しすぎているせいか、私とりょうたは全然普段通り話すことができなかった。パッと思いついた話題を私はりょうたにぶつけた。


「そ、それ言うなら春ちゃんだって…僕のこと見てた…よね?」

「は、はぁ?み、み、見てないから!勘違いしないで」

「はいはい。そうだねぇ。春ちゃんはかわいいなぁ」


恥ずかしそうに顔を真っ赤にするりょうたに私は特大ブーメランを返された。見てない。ってことが嘘だってバレてるし…めっちゃ恥ずかしいじゃん。


「な、何?そんなにじろじろ見て…」


恥ずかしくて悶えていた私を見つめるりょうたに気づいて私はちょっとだけ強くりょうたに言った。


「え、あ、ごめん。その…春ちゃんが可愛すぎてつい…」

「な、なによ。それ…ん?もしかして…最近、たまーに視線感じるの全部りょうたの仕業?」

「………授業中とか部活中ならそうかも」

「私のこと好きすぎかよ」

「うん。大好き」


そんな迷いなく大好き。とか言わないでよ。照れるじゃん。あーもう。りょうたは本当にかわいいなぁ。私もりょうたのこと本当に大好きだわ。


「春ちゃん、ジュース飲み終わったし、そろそろ休憩終わりにして…水族館内見て回ろうよ…」


私との会話で顔が真っ赤になっているりょうたが照れ隠しをするように私に言う。かわいいなぁ。りょうたのかわいい姿見て癒されたしそろそろ休憩終わりでいいかぁ…


「そうだね。私、りょうたばかり見ておさかなさんあまり見れてないから、ちゃんとおさかなさん見ないと…」

「ぼ、僕も、春ちゃんばかり見てたから、ちゃんとおさかなさん見る」


お互い、顔を真っ赤にしながらお会計を済ませて喫茶店を出て水族館内を2人で手を繋いで歩き始めた。





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