第28話 テストの日
テスト初日が終わり、帰宅すると私とりょうたは一夜漬けの疲れからかお互いに抱きしめ合ってすぐに眠ってしまう。起きたのは夜ご飯の前で、夜ご飯を食べ、お風呂に入ってまた、一夜漬けで勉強した。
2日目、あっという間にテストが終わる。テストが終わり、一夜漬けで疲れた体で午後は部活をして、疲れでふらふらの体で私とりょうたは私の家に帰る。
今日は、テストのお疲れ様会でりょうたは私の家にお泊まりだ。相変わらず、なんだかんだ理由をつけて私とりょうたは常に一緒にいようとしている。今回のお疲れ様会も、いつのまにか当たり前のように予定が決まっていた。
でも、今日はいいよね。
だって、今日は…中学校卒業するまで、りょうたと一緒にいられる最後の夜になるかもしれないのだから。
「ねえ、りょうた…自信、ある?」
りょうたと手を繋いで一緒に帰りながら、恐る恐る私は隣を歩くりょうたに尋ねる。
「わからない。今回すごく難しかったから…」
そう。りょうたの言う通り、今回のテストはすごく難しかった。中学3年生1回目のテスト、受験生なんだからもっとちゃんと勉強しなよ。と先生がメッセージを込めて作った難易度、というような感じのテストだった。
「でも、きっと大丈夫だと思う!僕に勉強を教えてくれたのは春ちゃんだし、春ちゃんがおまじないもしてくれたんだもん。ここまで、春ちゃんにしてもらって、できないわけがないよ。だから、安心して、今日からも…これからも僕と一緒にいて。僕にもっと、勉強教えてよ」
りょうたの、私の手を握る力が強くなる。ちょっと痛かったけど、それくらい力を込めて大丈夫。これからも一緒にいて。と言ってくれたことは本当に嬉しかった。
「結果次第かな。りょうた、ありがと。私もりょうたと一緒にいたい。明日、りょうたの成績が上がったお祝い会しようね。夜ご飯、お母さんに頼んで私が作ってあげる」
「うん。楽しみにしてる」
明日の約束、ちゃんと成績が上がっていたら。この約束を果たそう。
今日のテストお疲れ様会は、テストや一夜漬けの疲れからか、夜ご飯を食べてお風呂に入りすぐに倒れるように眠ってしまい全然楽しめなかった。
今日、ちゃんと一緒に帰ろうね。今日、一緒にお泊まりしようね。今日からも、一緒にいてね。
テスト翌日、そう願いながら私はりょうたと手を繋いで学校に向かった。いよいよ、結果発表……
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