第23話 教卓ピンポン
「………澤田先生、いつ来るの?」
「さ、さあ…?」
授業後、帰りの会を終え、教室で私とりょうたは反省文を記入して澤田先生を待っていたのだが、私とりょうたが反省文を書き終わってしばらくしても澤田先生が来ない。
「澤田先生、待っているように言ってたよね?職員室に来いとは言われてないよね?」
「う、うん。教室で待っているように言ってたよ」
澤田先生が来るのが遅すぎて不安になるレベルで澤田先生が来るのが遅い。もしかして、忘れられてる?暇だなーと思いながら教室内をぶらぶら歩いていると私はいいものを見つけた。
「りょうた、りょうた、こっち来て!そっち立って!」
「え?何?どうしたの?」
「いいから!早く!」
私に急かされてりょうたは教卓を挟んで私と向き合う。
「はい、これ!」
私はりょうたに私のノートを一冊渡す。私も自分のノートを持ってお互いがノートを持ち、教卓を挟んで向かい合った。
「いくよ!」
私は教室の角で拾ったピンポン球をノートをラケット代わりに教卓に打ち込む。
「え、あ…うわ……」
突然始まった教卓ピンポンにりょうたはびっくりしてピンポン球を教卓に打ちつけることなく吹き飛ばしてしまう。
「りょうた、ホームラン!私の勝ちね」
私は黒板に私が1勝したとわかるようにチョークでメモを書いてからりょうたが吹き飛ばしたピンポン球を拾いにいく。
「春ちゃん、いきなりはひどいよ」
「えへへ。隙を作ったりょうたがわるいんだよ!じゃあ、次、いくよ!」
「ちょっ…ダメだよ。春ちゃん、スカートなんだからさ」
「大丈夫大丈夫。教室の中、私とりょうたしかいないから」
「いやいや、ダメだよ」
制服のスカートは膝が隠れるくらいの長さだから…りょうたが、心配しているようなことにはならないと思うけどな……
「じゃあ、あらかじめ中見ておけば問題ないよね」
「え、ちょ…春ちゃん!?」
私はスカートを掴んで自分のスカートをめくりあげる。りょうたは慌てて目を隠そうとするが、小さく隙間作って見てやがる…かわいいかよ。
「えへへ。体操服のズボン履いてるから大丈夫だもん♪」
「春ちゃんの意地悪…」
「え、何?期待してたのぉ?」
「してないもん」
「とか言って顔隠す時に、指に隙間作ってた癖に〜」
私が指摘すると、りょうたは顔を真っ赤にしてごめんなさい。と謝る。素直でよろしい笑
りょうたは意外とむっつりスケベなのかも知れない笑
「りょうた、隙あり!」
顔を真っ赤にするりょうたの隙をついて私は教卓にピンポン球を打ち込むが、りょうたは反応できない。
「また私の勝ち!」
「春ちゃんずるい!」
と、私がりょうたの隙をついて2勝するとりょうたが少しムキになって教卓ピンポンに本気で取り掛かる。私もりょうたも、本気で汗をかくくらい、教卓ピンポンに熱中した。
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