第21話 呼び出し





「りょうた〜さっきの問題、昨日教えたところだよ」


ギリギリ遅刻せずに教室に駆け込んだ後、午前中の授業を受け終わり、あまり人目に付かなさそうな中庭でりょうたとお揃いの弁当を食べながら私はりょうたに言う。


「う、うん。でも、難しくて……」

「そっかそっか、じゃあ、今日ちゃんと復習しないとね。ずっとうちでお泊まりはあれだから…今日は私がりょうたの家でお泊まりするね。りょうたの家でさっきの問題の復習しよ」

「う、うん」


午前中の授業でりょうたが先生に当てられたのだが、難しい問題だった為、りょうたは解けなかった。というか、あの教室で解けていたの私だけだと思う。りょうたが解けなかった後、先生は私にすぐにりょうたの尻拭いさせたし…


それにしても……私、完全にりょうたに依存してしまっているな……少しは……りょうた離れしないといけないのかな…りょうただって、ずっと私と一緒にいると疲れちゃうよね。


まあ、でも、今日はお泊まりの約束しちゃったから今日は一緒にいるけどね♡




「あ、春ちゃん、りょうたくん、ここにいた。さっき、澤田先生が探してたよ。めっちゃ怒っていたみたいだけど何かやらかしたの?」


私とりょうたが、お弁当を食べ終わった頃、クラスメートの女の子が私とりょうたに言う。澤田先生は私とりょうたのクラスの担任の先生だ。普段は優しいおばあちゃんだが、現実主義者で進路のことになると厳しかったりする。あと、怒らせるとネチネチとめんどくさい。


「えー、りょうた、何やらかしたの?」

「え、僕?身に覚えないよ…」

「優等生の私より、りょうたの方がやらかしてる確率高いでしょ。ほら、何やらかしたの。一緒に謝ってあげるから白状しなさい」

「こらこら、バカップルしてないでさっさと職員室行きなさいな。なんか、自転車がどう…とか言っていたけど」


………身に覚えしかなかった。え、2人乗り?それとも無許可で自転車通学した件?やばい……


「やっぱり、春ちゃんじゃん…」

「はぁ?りょうたも呼び出されてるんだからね。私だけが悪いわけじゃないってことでしょ!やっぱり、2人乗りしたのがいけなかったんだよ」

「2人乗りしよう。って言ったの春ちゃんじゃん!しかも、春ちゃんが朝起きてくれないから、自転車使うことになったんじゃん」


私がりょうたに責任転換しようとすると完全に論破された。言い返せねぇ……


「へーへーへー、2人乗りに、朝起きてくれなかった。ねぇ…」

「「あっ……」」


私とりょうたのやり取りを聞いていたクラスメートはニヤニヤしながら走り去って行く。絶対噂されるやつじゃん!やめてよ。恥ずかしい……


と、まあ、教室に戻りたくなくなったので、仕方なく私とりょうたは職員室に向かうことにした。何言われるんだろう。怖いなぁ。





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