第14話 おうちデート
「おうちデートって何するの?」
りょうたに聞かれて私は反応に困る。おうちデートって…何をするのだろう……
「えー、りょうた、わからないの?りょうたが、したい…こと、すればいいんだよ」
私がそうやって言うとりょうたはしたいことか〜と悩み始める。こういうことを言っても変な展開にはならないので安心できる。
りょうたがいろいろ考えている間に私は慌ててスマホでおうちデート。と検索をする。ドラマや映画を見たり、一緒に漫画読んだり、ゲームしたりするとかいろいろ出てくる。
あーなるほどね。と納得しながら、要するにりょうたと2人で楽しめればおうちデートしたことになるのか。と多少強引な解釈をする。
「ねえ、春ちゃん…」
「ん?なぁに?」
りょうたが私の服の袖を軽く引っ張りながら私に声をかける。かわいいなぁ♡と思いながら私はりょうたの言葉を待つ。
「春ちゃんと一緒に寝たい」
「え?……はぁ?え?りょうた?何を言ってるの?」
「え…ダメ…かな?」
「いやいや、普通に考えてまだ…早いよ…その、いずれは…ね……してもいい…けど……♡」
「そうだよね。まだ、寝るには早い時間だよね」
「え…」
あー、そういうことね。変だと思ったわ。りょうたが私にそういうこと言うなんて……やたら積極的だな。と思ったら私の勘違いですか。そうですよね。あー、馬鹿みたい私……しかも、りょうた、私が勘違いしているって気づいてないし……
「ばか…」
「え?どうして?」
「女の子相手に一緒に寝よう。とか言っちゃダメだからね」
勘違いされるからさ……ダメだよ。気をつけないと……
「春ちゃん以外には言わないよ…」
………それならいいか♡
そのまま、いつまでも純粋なりょうたでいてね。
「じゃあ…どうしようか…」
「やっぱ、いいよ。一緒に寝よう」
「本当?」
「うん。本当だよ」
私の返事を聞いてりょうたは嬉しそうに微笑む。素直…純粋…かわいい♡私の彼氏が最高にかわいい♡
まだ、時間は早いけど、どうせお互いドキドキして寝られない。雑談でもしながら、ゆっくり、2人だけの時間を楽しもう。
こうやって、お互いに抱きしめあって寝る。これが、私とりょうたのおうちデート。大好きな人と抱きしめあって、ベッドでくつろぎながらどうでもいい話をしたり、スマホで適当な動画を見たりしながら2人で笑ったり泣いたりする。すごく楽しくて、すごく幸せ。
これが、私とりょうたのおうちデートの在り方だった。
「りょうた、大好きだよ」
スマホで適当な動画を流していて、気づいたらりょうたは寝ていた。もう、0時を過ぎているし当然と言えば当然だろう。熟睡している。幸せそうな寝顔で…
私はりょうたから少しだけ手を離してスマホで流していた動画を切って、カメラアプリでりょうたの寝顔を撮る。
うん。よく撮れた。と満足して、お気に入りに登録する。りょうたには内緒の写真……
「りょうた。大好き♡」
私はそう言いながら、私を抱きしめて眠っている愛しの人にキスをする。りょうたは知らない…キス……ちょっとドキドキした。
ドキドキしながら、私は部屋の電気を消して、アラームをセットして、りょうたを抱きしめて眠りについた。
おやすみ。
返事はないのが、少し寂しい。
明日の朝、ちゃんと私におはよう。って言ってね。
それを楽しみにして、私は寝るから。
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