第12話 大好き。
「今日こそはちゃんと勉強するよ!土曜日、日曜日はずっと一緒にいてちゃんと勉強するからね」
「え…土日ずっと春ちゃんと一緒にいられるの?」
「あーもう。あんたに!勉強を!教えるために!しかたなく!一緒にいてあげるの!!今日から私の家で勉強合宿だからね。今日も明日も明後日も、りょうたは私の部屋でお泊まりで勉強だから!」
結局あの後勉強をせずに寝てしまったので…今晩から…月曜日までずっと泊まりがけで……りょうたとお勉強するんだ……別に……大好きなりょうたとお泊まりしたいとかじゃなくて…効率とかいろいろ考えてしかたなくお泊まりさせるだけだから…
「じゃあ、結構準備必要だし春ちゃん先に帰っててよ。後から春ちゃんの家向かうからさ…」
「ばか。荷物とか多そうだし少し手伝う。だから、私もりょうたの家ついてく」
「そっか、助かるよ。ありがとう」
「いいの…私がりょうたの側にいたいだけだから…」
そんなこと言うつもりはなかったのに気づいたら私は本音を口に出してしまっていた。恥ずかしいな……私がチラッとりょうたの顔を見るとりょうたは照れくさそうに顔を赤くしていた。照れないでよ。私まで照れちゃうじゃん……ばか…
「春ちゃん、聞きたいことあるんだけどいいかな?」
「うん。いいよ」
「怒らないでね…」
りょうたはそう前置きをして少しだけ言葉を考えるような仕草をしてから声を発する。
「その…疲れてない?」
「なんで?」
「その…付き合うようになってから毎日一緒にいるから疲れてないかな?って……」
りょうたは恐る恐るという感じで私に尋ねる。りょうたの言葉を聞いて…もしかして、りょうたは私とずっと一緒にいて疲れを感じているのかな?と不安を感じる。
「私は疲れてなんていないよ。疲れるわけないじゃん大好きなりょうたとずっと一緒にいられるんだからさ……りょうたは……私と一緒にいると疲れるの?」
「疲れるわけないよ……僕も春ちゃんのこと大好きだからさ。ちょっと気になっただけ……もし、春ちゃんが疲れを感じるならなんとかしないと…って思ってさ……春ちゃんに嫌われたくないし…春ちゃんに振られたくないし…その……将来さ…け、結婚する時とか、毎日一緒にいることになるわけだし……だから、もし…一緒にいて疲れるなら……今のうちから直したいなって……」
…………え………何?その理由……かわいい。かわいすぎかよ。え、やば……めっちゃかわいい。
真剣な表情で言うりょうたを見てかわいい。と思うのはちょっと不誠実かもしれないが……かわいい。
結婚したら…って、そんなに先のことまで考えてくれているんだ。私…りょうたとならいつでも結婚して、いつでも同居したりしても苦じゃない。ずっと一緒にいられる。当たり前のことだ。今更…確認しなくてもいいのに……
「安心して、私はりょうたとずっと一緒にいられるよ。これからも…ね…りょうたと一緒にいて疲れを感じてたらさ……一緒に勉強するなんて口実作ってお泊まりさせたりなんてしないから……私はいつでもどれだけでも、りょうたと一緒にいられるし、りょうたが嫌って言わない限りはずっと一緒にいたいの」
「そっか…ありがとう。春ちゃん。大好き」
「私もだよ…」
何でこんな展開になったのだろう。ただ、一緒に帰宅していただけなのに……気づいたら私はりょうたと抱きしめあって二度目の口づけをしていた。
二度目…だから、前ほど緊張はしないかな…と思ったが、普通にめちゃくちゃ緊張した。まさか、こんなにも早く二度目の口づけをすることになるとは思わなかったけど…幸せだからそれでいい♡
「りょうた、大好きだよ」
「僕も大好き」
口づけを終えた後、私は再びりょうたに想いを告げた。りょうたは笑顔で私に答えてくれて、私はりょうたと再び手を繋いで歩き始めた。
りょうたの家に着くまで、私とりょうたはお互いに大好き。と交互に言い合っていた。後から考えるとちょっと恥ずかしい……
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