第3話 初デートの計画
「ねー、りょうた、明日ゴールデンウィーク最終日じゃん?せっかく付き合うことになったんだし…その…デートとかしない?」
実家に帰ってお母さんにお兄ちゃんたちの様子を伝えたりしてから私はりょうたの家にお泊まりに来た。りょうたの家で夕食をご馳走になった後、私はりょうたの部屋のベッドで横になってりょうたに言う。デート。と言う単語を聞いてりょうたは照れくさそうにしていた。初々しいなぁ…まあ、私も…彼氏はりょうたが初めてだから…緊張しているのだけど……
「うん。そうだよね…せっかく付き合うことになったんだし…デート……しよう」
りょうたは顔を真っ赤にしながら私に言う。よほど緊張しているみたいだ。そんなに緊張しなくてもさ…いつもみたいに遊びに行く感覚で自然に誘って欲しかったな…
「どこに行きたいとか希望ある?」
「うーん。初デートだし…思い出に残りそうなところ…あと…あまり、お金かからないところだとありがたい…お兄ちゃんのアパート行くのにお小遣い結構使っちゃったから…」
電車で数時間のお兄ちゃんのアパートに行くとなると往復で数千円必要だった。私の月のお小遣いは5千円…半分以上交通費で持っていかれた…お兄ちゃんのアパートにいる間、お兄ちゃんや春香ちゃん、まゆちゃんがお金を出してくれたので私がお金を使うことがなかったのが唯一の救いだった。まだ、中学生で親からのお小遣いでお互いデートをするわけなので、奢ったり奢られたりするのはなしにしたい。付き合うってなっていくつか、りょうたと電車の中で決めたルールの1つだ。
「うーん。思い出に残りそう…かぁ…そうだよね。初デートだしね……」
りょうたはめちゃくちゃ悩み始める。元々、田舎なのでデートするにも選択肢がかなり少ない上にあまりお金を使わないという条件がつくと…本当に選択肢がない……
「じゃあさ、昔、春香ちゃんにおすすめされたお花畑行ってみたい。ちょっと遠いけどさ、2人でお花畑まで歩いて行こうよ。あとは…ちょっとだけ買い物したいからちょっと距離あるけど、ショッピングモールまで歩こうよ。帰りは疲れてるだろうからバス使いたいけど…行きはりょうたと歩きたい。今日みたいに手繋いでさ……」
困っていたりょうたに私がデートプランを提案すると、りょうたはじゃあ、そうしよう。と私の提案に同意してくれた。
デートプランが決まるとりょうたのお母さんが順番にお風呂入っちゃってね。と私たちに言いに部屋にやってきた。デートプランについて話していた私たちのやり取りを少し聞いたりょうたのお母さんは初々しくて良いわね。とニヤニヤしながら言うのでちょっと恥ずかしかった。
「春ちゃん、先に入る?」
「どっちでもいいよ。先に入ってもいいし、りょうたの後でもいいよ。なんなら…2人で入る?昔みたいにさ…」
私がそう言うとりょうたは耳まで真っ赤にして冗談言わないでよ。と言う。かわいいなぁ。まあ、りょうたとなら一緒にお風呂入るくらいどうってことないけど…そう言うことは…もう少し大きくなるまでお預けだな。
「ごめんごめん。じゃあ、私先に入っていい?」
「うん。いいよ」
りょうたから返事をもらい私は着替えを持ってお風呂に向かう。脱衣所で服を脱いでシャワーで汗を流す。結構汗をかいていたみたいだ。よほど…緊張…いや、ドキドキしていたのだろう。
りょうたと付き合うことになってから…このドキドキは止まらない。ずっと…心臓の鼓動が激しくて…少しだけ苦しさを覚えていた。慣れないとな…でも、こんなにも激しくドキドキしてしまうくらい、私は…幼馴染みのことが…りょうたのことが…大好きだったのだろう。りょうたはすぐ側にいる。とわかっているのに、りょうたの姿が少し見えないだけで早くりょうたに会いたい。と思ってしまっている。私、どんだけりょうたのこと好きなんだよ…りょうたに会いたい。早くりょうたの側に戻りたい。と考えると私の心臓の鼓動は更に激しくなる。
こんなにドキドキしていて、明日のデートは大丈夫だろうか…心配だ。
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