第18話:魔王城の存在

勇者パーテは、ペウスの街で準備を済ませ、地図に記された場所までやってきた。

伝説の勇者の地図に、魔王城の在処として記されていた場所だ。

そこには岩山に隠されるように、小さな城が建っていた。

パーテは側面にある木製の窓を開け、城内へと侵入する。


「よいしょっと。楽に侵入できたな。……しかし本当に魔王城があるとは。勇者殺しの山の遺品は、本当に伝説の勇者の所持物だったんだな」勇者


パーテが入った先は、ただの小部屋だった。

部屋のドアに近づき、開けて通路を確認するパーテ。

ドアの先にはだれもおらず、他にドアもなく、通路の奥は曲がり角になっている。


「しかし静かだな。本拠地なのに魔物がちっともいないとは。つーか、この周辺では魔物と一切遭遇してない気がする。一体どうなってやがる?」勇者

「目の付け所がいいね! それにはちゃんとした理由があるんだよ」四天王

「なに? その声! パミングっ!」勇者

「やっほ。魔王城までよくきたもんだ」四天王


曲がり角の先から、四天王パミングが姿を現す。

パミングは全身防具に包まれており、顔を覆う兜もつけている。

パーテは防具の隙間を狙い、ナイフを投げつける!

しかし、パミングは籠手をつけた手で、ナイフを素早く受け止めた!


「くっ!」勇者

「勇者たちの数に対して、魔王軍は戦力不足なんだ。だから場所を知られないために、魔物は城に残さず、全て遠くに転送しているんだよ。魔王城を行き来できるのは、信頼のおける重臣……つまり私たち四天王だけなんだ」四天王

「そりゃ運のない! つまりお前らを守る魔王軍はいないのか! 暗殺でもすれば、簡単に敵大将が陥落しちまうってわけだな、おい!」勇者

「そうだよ。他の四天王さえいなければ、私にだって魔王様くらいは暗殺できる。でもね、お前に勝ち目などない。四天王リパンチュはすでに、勇者の侵入を察知して、私に始末を頼んだからね!」四天王


パミングは大きな盾を捨て、剣を片手にパーテに飛びかかる!

パーテとパミング、2人による激突が再び始まった。

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