第2話
なずなとさくやが初めて会った場所はファミレスだった。とても暑くて、ファミレスのクーラーがガンガンでも丁度いいと思ったくらいだ。なずなは久しぶりにゆうき、ひろむ、よしたかに会えることが楽しみだった。そこに、知らない人も今日いることは全く気にしていなかった。さくやは、異性と話すのは久しぶりだったから少し緊張していた。今バイトしているスーパーで母親と同じくらいの年のおばさんとは仲が良いから話すが、同い年とは今年の春の成人式ぶりだ。だいたい半年ぶりだろう。3人はファミレスになずなとさくや2人より先に着いた。ドリンクバーを頼んでから、これからのことを想像した。もしこの作戦が上手くいけば、愚痴を聞くことが少なくなると思うと、嬉しかった。後期が始まっても、前期よりは少ないかもと期待もしていた。2人のうち、先に来たのはさくやだった。さくやは、フリーターの割にはといったら失礼だが、身ぎれいだ。よしたかがさくやに声をかけると、さくやは3人がいるボックス席にやってきた。
「久しぶり。今日は暑いね。」
「俺ら、もうドリンクバー頼んだからさくやも頼みめよ。」
「そうだね、そうするよ。」
よしたかがボタンを押し、店員さんを呼び、ドリンクバーを注文する。
「ありがとう、よしたか。飲み物取ってくるけど、誰かいる人いない?」
「俺らはまだあるから大丈夫。」
さくやが飲み物を取りに席を立ったとき、すれ違いになずなが来た。
「久しぶり、もしかしてあの人?」
「お久、なずなのドリンクバー頼むからメイク直して来いよ。汗で崩れてるぞ。」
「はあ??ゆうきウザ。久しぶりなのにその態度はなんなん??まあ、メイク直してくるけどー。ドリンクバーよろしくね。」
なずながお手洗いに行った。
相変わらず、なずなは一言多いなと3人は思った。ゆうきがドリンクバーを頼んでいる間にさくやが戻ってきた。
「マジで、久しぶりにファミレス来たから何にするか迷った~。」
さくやは、元々外食が少なく、また大学生ではないからファミレスに来ることも少ないのだ。
たわいもない話をしているときに、なずながお手洗いから戻ってきた。なずなが自己紹介しようとすると、ひろむが「自己紹介する前に飲み物取ってくれば。」というので、なずなはその通りにした。なずなが戻ってきたとき、3人は心の中で「なずなに恋人を作戦」が上手くいくことを願った。
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