桜はいつ咲くのか

第1話

山口なずなは二浪しているから、今は大学1年生だ。大学でデザインを学んでいるが、彼女はデザインは面白くないと思っている。思っていたのと違ったからだ。最近は愚痴を小学校から仲が良い友達にこぼしている。その友達は、山下ゆうき、山田ひろむ、渡辺よしたかの三人だ。小学校の時、同じクラスで、出席番号が近いので、同じ掃除の班だったことから、仲が良くなった。小学校以降は全員バラバラになったが、中学校の時から定期的に連絡を取っている。なずなは、彼らのことは好きだが恋愛感情は一切持たない。しかし、ゆうき、ひろむ、よしたかはなずなが21歳なのに恋人がいないことを心配している。小中高浮いた話は一つも聞かない。なずな本人からもなずなの周りの子からもだ。浪人中は恋人を作る暇はない。もしかしたら、今年やっと大学生になれたのでできるかもしれない。しかし、今年は世界中にワクチンがまだないウイルスが広がり、大学はオンライン授業だ。なずなは、オンラインでできない科目のために週3で大学に通っていたが、友達は一人しかできていない。彼らもなずなの愚痴にはうんざりだった。「愚痴をやめろ。」と言っても、なずなは「将来奥さんの愚痴に付き合わなきゃ、愛想つかれるよ。今から阿蘇の練習しときなさい。」と言われる。彼らはなずなに新しい風を吹かせたいと思った。そんなとき思いついたのが「恋愛」だった。恋愛の話題は、どんなことでも面白いと思ったからだ。なずなにもそろそろ恋人がいた方が良いのではというお節介もある。相手は彼ら3人が知っている人が良いのではないかと思った。彼らは、なずなも知っている小学生の同級生にするか、なずなが知らない人にするか迷った。その時、よしたかが「なずなの知らない人の方が良いのでは。」と案を出した。よしたかが言うには、なずなの知らない人の方がなずなの興味を引きやすいらしい。そういえば、なずなは新しい物好きだ。そして、彼らはなずなの相手を「佐藤さくや」に決めた。彼は、なずな、3人と同い年の21歳で、今フリーターをしている。さくやは、よしたかの隣の家に住んでいて、ゆうき、ひろむとも面識がある。もし、なずなとさくやが片想いや両想いになった時、相談に乗るのは間違いなく3人だろう。相談内容を3人で擦り合わせることで、なずなとさくやの関係は恋人になりやすくなるだろう。なずなの愚痴に飽きた、3人はなずなに恋人を作戦を始めた。