首相官邸に投書してみた
以下のような文を、首相官邸の意見募集に投書してみた。
《 団塊の世代が要介護者になると、社会保障費が増えると言う報道を見ました。
でも、一番の問題はそこではないと思います。
団塊の世代を介護する、団塊ジュニア世代は就職氷河期と重なっていて、非正規労働者で、未婚率が高いという事こそが、一番の問題です。
子供が一人で、一人の親、もしくは二親の介護をすることになります。
子供と言っても、もうそれなりの年なので、癌のリスクなど病気のリスクも高くなっています。
病気になっても、代わりが居ません。
入院、手術と言った、治療が受けられません。
これについては、救急受け入れが出来る介護施設が絶対に必要です。
以前福祉の窓口で「制度はあるが施設がない」と言われました。
救急救命と連携をとって、介護者が救急搬送されると同時に、要介護者も準備を必要とせずに、介護施設に搬送される制度と設備が必要です。
また、今回のコロナ禍でも非正規労働者を雇用する企業や、雇用主の無責任、身勝手さが浮き彫りになりましたが、これは介護失業者を生む、素地になります。
介護解雇です。
また、私のように、要介護度3を二人、一人で介護するとなると、もう就業は不可能です。
これについては、介護負担度を数値化して、点数で負担の見える化をするべきです。
また、デジタル庁も出来る事ですし、細切れの時間をつなぎ合わせて所得が得られる、デジタル内職の仕組みを作ってもらいたいと思います。
在宅介護の介護者で「主」が付けば保護責任者になります。
これは、放棄すれば「保護責任者遺棄罪(刑法218条1項)
」に問われる、強制力を持って義務と責任を課すものです。
また、虐待を受けていた子供でも、その親の介護の責任を課す、とても重いモノでもあります。
ところが、それに似合うだけのセーフティーネットがありません。
法律が出来た頃は、同居の息子夫婦が居て、その妻が専業主婦で主に介護を担い、息子である夫は正社員として働いて収入を得ていて、子供たちが介護の手伝いをしながら、家族で一人の要介護者の介護をする。
そういった前提だったのでしょう。
でも今は、派遣社員など非正規労働者が増え、低収入で不安定なことから未婚率も増えているので、強制力を持って課している義務と責任に見合うだけの補償が必要です。
現在は、その補償の部分が全くありません。
介護者で「介護は災害」と言う人も居ます。
健康で大往生してくれるのが一番なので解らなくもないです。
生活保護でも、障がい年金でも、これほどの義務と責任を課されているという事はありません。
介護失業をして、貯金を切り崩し、親の年金をやりくりしながら介護を続けた後、介護の終わりと同時に親の年金支給も終わる。
これでは、次の生活への移行が出来ません。
介護を看ていた側ももう高齢で、すぐには仕事も見つからないし、もう無いかもしれません。
年金受給年齢になっていても、介護中に国民年金の納付免除を受けていれば、生活できるほどの金額にはなりません。
介護後の生活へ移る、失業補償のような制度が必要です。
親の遺体を放置して、年金の不正受給をする事件の原因は、ここにもあります。
また、条件によっては、年金受給終了と同時に、生活保護へ移行する制度も必要です。
介護後の生活が出来るように、例えば在宅介護保護責任者を五年したら、ケアマネージャーの受験資格が得られるとか、介護中に介護経験が生かせる仕事の資格が取れるようにすることも、必要だと思います。
少子高齢化で介護や医療と言った国の支出が増え続けています。
少しでも支出を減らそうと国は、利用の制限、在宅医療介護の拡大、負担増など行って来ました。
それは、介護をする側、介護者の介護負担増でもあります。
刑罰もある重い義務と責任を課して、国の支出を減らすために負担を増やすと言うのは、国が強制力を持って国民を無償で使役している事にもなります。
その上で介護による失業は、生活保護や障がい年金、災害給付金に準ずる保障が有っても良いレベルなのだと思います。
今は、介護を受ける要介護者への保障、介護保険など制度はありますが、介護をする側、介護者への保障、セーフティーネットはありません。
介護による悲惨なニュースは時々報じられますが、全体としては数が多くはありませんでした。
団塊の世代が介護を受けるようになる。
団塊ジュニア世代が介護をするようになる。
これまで書いてきた問題を抱える介護者が、爆発的に増え社会問題化して国に対応が迫られる。
それが、団塊の世代が介護を受けるようになった時の、最大の問題です。
ぜひ、今から問題の解決を始めてほしいと思います。》
問題が爆発寸前の、介護離職者たちにベーシックインカムを。
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