医院も原則土足化しろ!
入院施設もある総合病院や市民病院などで、スリッパに履き替えて診察を受ける病院は見た事がない。
でも、近所の医院、診療所などでは、当たり前に土足厳禁だ。
母は退院した。
立って歩けるようにまではならなかったが、リハビリ入院できる期限いっぱいまでは頑張ったので、仕方がない。
入院中、着替えやタオルを持って上がるエレベーターの中で、インフルエンザの予防接種のお知らせを見た。
母については、ナースステーションで申し込みをして、入院中に予防接種をしてもらって終わった。
父については、一番近々に診察予約が有る、県立総合病院の泌尿器科に問い合わせた。
ついでにできれば、それに越したことはない。
「数年前から、予防接種はしておりません」
今年に限っては、しろ!
病院の事務員に言ってもしょうがない。
しょうがないので、所管の県庁の担当課に投書をしておいた。
となると、近場の医院でお願いしなければならないのだが、予約どころか建物を見て愕然とした。
どこも入り口、玄関が階段なのだ。
段差で車椅子を押し上げようと思ったら、一段ごとに小さな前輪と大きな後輪の両方が乗れるだけの、平面のスペースが必要だ。
後輪が上がりきる前に、次の段差に前輪を上げる事は出来ない。
一緒に抱え上げる助っ人は居ないし、居たとしても父は重過ぎるのだ。
そんな訳で、父には未だにインフルエンザの予防接種を受けさせられずにいる。
介護は、施設、病院から在宅へと言う方針を聞いてずいぶん経つ。
医療は、総合病院、大病院から地域の医療機関へと言う方針を聞いてずいぶん経つ。
でもその両方が重なった時、車椅子の要介護者を診察に連れて行ける医院が、びっくりするくらい少ないのだ。
未だにそうなのだ。
遠くの医院まで連れて行くというのは、介護をする家族の負担がとても大きい。
頻繁に介護タクシーを使っていては、破綻してしまう。
介護タクシーも値段がまちまちで、驚くほど高いところもある。
基本のタクシー料金の他に、別料金がかかるのだ。
ウチがよく使う介護タクシーで、基本料金の他に介助料金が500円加算される。
車椅子や、ストレッチャーを借りれば、その分のオプション料金も加算される。
ウチは福祉用具から借りている自前の車椅子が有るので、レンタル料金は掛からないが、普通にタクシーを利用するのに比べて、片道500円余分に掛かる。
それでも安い方だそうだ。
中には数千円の追加料金が掛かる介護タクシーもあるそうだ。
もし今後、介護タクシーを利用する事が有ったなら、まず料金を確認することは必須なのだ。
ネットを使って地域の介護タクシーの料金は、比較しておこう。
そんな現状においても、福祉車両のリース料は、介護保険の対象ではない。
一家庭における要介護者の人数、要介護度、通院の頻度、地域の医療機関の状態など、一定の条件を超えた場合、世帯に対して福祉車両のリースの補助が有ってもいいはずだ。
各自動車メーカーもそれぞれカーリース事業をしている。
社会貢献として、ビジネスとして、介護保険利用の福祉車両のリースを提言してもいいと思う。
福祉車両を利用するのは、車椅子の間だけなのだ。
立って歩ける人には必要ないし、寝たきりになったら、もう必要ないのだから。
また、家族に免許保有者が居なければ、タクシー料金の補助だって必要。
でないと、国の方針の影響で医療が受けられない要介護者が出てくる。
それは、あっちゃダメなことだと思う。
少子高齢化が叫ばれる中、介護を受ける高齢者はますます増えていく。
今通院できている高齢者も、介護が必要になったら、バリアフリー化されていない医療機関へは通院できなくなる。
高齢者が医院に通院できるのは、元気なうちだけなのだ。
いずれ、バリアフリー化が出来ていない医院は、患者が減るのだ。
それらを含めて、補助金を出してでも、医院の土足化バリアフリー化は、国の方針として進めていくべきだと思う。
前にテレビで見た話だが、多くの医師は病気になってもスリッパ診療の医院には行かないと言っていた。
今の時代、感染、衛生観念を疑うのだそうだ。
ちなみに、父の薬の処方箋を出してもらうために、医院には行く。
その時には、総合病院での診察で血液検査をした時の結果表、デイサービスで測ってもらっている、血圧、心拍、体温、自宅で測っている朝の体温、それらの1か月分をまとめた物などを持って行き、私が医師の問診に答えて、処方箋を出してもらう。
その医院の医師からも、在宅介護医療をしている医院を勧められてはいる。
だが、車椅子を押していける範囲には、そんな医院はない。
そんな、在宅医療介護の保護責任者の介護離職者たちにベーシックインカムを。
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