第24話

24話




マキナのオススメの鍛冶屋に入ると外からでは聞こえなかった鍛冶仕事の金属を叩く音が聞こえてきた。


防音設備はしっかりしているようで外へは音が届かないようだった。


そして、外からでは判らなかったが中はカウンターと商談スペースのようなものしかなく本当に武器を売っているのか疑問がわくようなないそうだったが奥から鳴り響く音を聞く限り鍛冶屋だとわかる。


もしかした、オーダー品の他には量産品を造り何処かの商会等に卸しているのかもしれない。


そんな事を考えているうちにマキナが奥に向かって声をかけていた。

暫くすると奥の音はやまないが一人の女性が出てきた。

その女性はドワーフ族特有の小柄で樽のような体型だった。



「あら、いらっしゃいマキナちゃんとお連れさん?マキナちゃんが他の人を連れてくるなんて珍しいというか遂になのね?」


「はい。一応はです。」


「なぁ、紹介してくれないか?」


「あ、ごめんね。こちらはこのお店のおかみさんでコーナさん。で、こっちの二人はカイルくんとシュリさん」


「コーナさん、ヨロシク!」


「シュリだ。よろしくたのむ。」


「よろしくね。コーナよ。それと━━━あれが旦那のダガスよ。」



自己紹介していると奥からドワーフの男性━━ダガスさんがでてきた。

こちら、全体的にこがらだか太い、太いといっても服の上からでもわかる筋肉で太いため威圧感が凄い!



「ふむ。マキナはまぁ、あれだが。二人はかなり出来るな。

そっちの坊主ちょっとこれを持ってみろ」


「よく俺が槍を使うとわかりますね。」



思わず敬語になってしまったが仕方ないだろ。

それより無言なんだが・・・



「はやくしろ!」


「は、はい!」



俺は槍を受け取り構えて見せた。



「ふむ。よし、次はそっちの嬢ちゃん構えてみろ」


「む?私か?みてろ!」



それにしてもさっきからこの人言わなくても得物がわかるのか?


シュリが構えて見せると、またふむ。といって。一息ついたあと考え込んだ。



「わるいわね。この人気に入るとすぐこうなのよ。でも、これでオーダーメイドは受けてくれるわよ。」


「あ、そういう?でも素材もなにもないですよ?」


「素材なんてダンジョンで拾ってきたらいいのよ」


「ですよね!」



と、コーナさんとマキナの会話を聞いていた。



「よし!坊主に嬢ちゃん二人がこれだ!と思った素材を持ってきてくれたら武器を作ってやる!よおく感じとるんだぞ!」


「は、はい!」


「わかった!」



こうして?流れで?オーダーメイドの武器を作ることになったのだった。


その後俺たちはマキナのオススメの定食屋などを含むこの街の名所などを回った━━━と、いってもそれなりの広さのある街なため全てとは言えないがそれは今後の楽しみとしておいてマキナに案内のお礼として夕食をご馳走することにしたのでマキナの希望を聞いて彼女が入ってみたかったという人気の店へとやって来た。



「さて、やっとここの味を楽しめるわ!」


「なんか、クールな感じから変わったな?」


「そうかしら?でもこの店のメニューを見たらテンション上がると思うわよ!」


「どれどれ━━━」


「なぁ、カイル何があるんだ?」


「いや、シュリは自分でみような?」


「えー」


「えーじゃない。まったく」


「ふふふ、仲がいいのね?」


「そりゃぁ、一緒に修羅場を潜ってきたからな。」


「そっか。でも、カイルくんもシュリさんも若いのに凄いわよね。登録から数年でSなんて。」


「ん?数年?あぁ、俺たちはまだ1年ほどしかたってないぞ?」


「え?えーーーーー?!」



マキナの声で回りの視線が・・・



「すみません。」



一応謝ると視線は一応引いてくれたが・・・



「詳しいことは食べながら話すからとりあえず注文しようぜ?な?」


「う、うん」



そう、シュリからの早く食べたいオーラと店の人の圧力的な視線がもうね・・・



「すみません、注文お願いします。」


「はい、かしこまりました。ご注文をどうぞ。」


「そしたら、ここからここまでとここからここまでと飲み物はエールと炭酸水割りのワインで、マキナは?ん?マキナ?」


「え?あ、えっと私はこのオークキングの霜降りステーキと赤ワインを」


「かしこまりました。パンはサービスとなっておりますので後程係りのものがお持ちします。足りない場合はお声をかけていただければお持ちしますので存分にお召し上がりください。」



おー、この店員ここからここまでオーダーをフリーズせずに乗り越えた!すごいな!しかもパンはサービスで食べ放題みたいだし?


メインの味によっては通ってもいいかもしれない。


そんな事を考えていると



「ねぇ、あんな注文して大丈夫なの?ここに誘ったの私だけどそれなりにするわよ?」


「まぁ、お金には困ってないからさ。」


「あぁ、Sランクならそんなものなの?」


「んー、というよりだいたい1年ほど前にスタンピードがあったんだがそこで倒したモンスターの売却額が減らない減らない・・・」


「聞いたことがあるわ。たしかSランクオーバーつまり、災害級のモンスターが率いたSランクモンスター含む史上稀にみる規模だったけど万華とその弟子の活躍で早期解決したとか聞いたわ。」


「それそれ、それの時に倒した素の売却額がもうヤバかった」


「カイルくんもしかして万華の弟子?」


「そうそう、万華のパノラさんは師匠だねぇ。」


「うわー、有名人じゃない!と、いうことはカイルくんって“竜魔槍”?!」


「あぁ、みたいだな。」



二つ名はなんだかんだ付けられたが慣れないなぁ。



「と、言うことはその相棒は“闘姫”!」


「あぁ、そうだな・・・」


「ということはカイルくんまだ17歳?」


「今年で17だな。」


「うわー3つもしたなんだぁ。」


「なにかいいました?」


「ううん、なんでもないわよ!」


「おまたせしました。ご注文の品を置いていきますがよろしいでしょうか。」


「は、はい!お願いします。」



ちょうどよく注文した料理が出て来て話が切れてよかったぁ。

最後の方少し不穏な空気があったからな!




「それじゃぁ、たべるか。」


「「「いただきます!」」」



「それにしてもイロイロ注文したはずだけど半分以上ステーキしかないな!」


「そりゃぁ、カイルくんのここからここまでってステーキの項目だったから仕方ないよ。」


「え?そうなの?」


「うん!」


「く、でもまぁきっと種類が違うはずだから少しずつ食べよう!って!シュリ!はやいはやい!」


「カイルがしゃべっているからだぞ!━━━お、この肉蕩けるようにやわらかいぞ!こっちは逆にかたい!でもうまい!」


「なくなる前に食わないとな!」



そこから暫く無言で食べ進め━━━



「ふう、おいしかった。」


「カイル、また来たいぞ!」


「そのうちな」


「カイルさんご馳走さまでした。」


「マキナさんほとんど食べてないようなものだしまた、ご馳走するよ。」


「それなら、お願いしようかな?」


「あぁ!さて、そろそろ帰ろうか。マキナさん宿まで送るよ?」


「うん、その前に私のステータス確認してもいいのよ?」


「ステータスは最重要機密だからいいよ。」


「ううん、これは見て貰った方が今後のためになるから見てほしい」


「そこまでいうなら。というか、どうして鑑定出来ることを?」


「それは、あの万華の弟子なら万能系だと思ってかな?それと二つ名の元が竜関係みたいだしね?」


「まぁ、そうですが」



俺は竜眼でマキナさんのステータスを確認した。



名前:マキナ

年齢:20歳

職業:Bランク冒険者

Lv63


HP12300(200)


力:932(15)

頑強:865(14)

敏捷:7570(125)

知力:7205(119)

魔力:740(12)

気力:6620(115)


契約獣

シャドーバイパークイーン



これは・・・



「マキナさんステータスだけで見れば改正後の目安ですら余裕でSランクですが・・・」



ランクの目安がSランクとSSランクでだいぶ能力目安がかわったからなぁ。

桁一つ変わるとかかえすぎだっての。

まぁ、隔絶した能力がそれだけ必要だってことは明確ではあるけども。



「そうかもしれないけど、私そもそもこの街から出たことないから昇格に必要なポンイトもあまり貯まらないし。」


「それでか・・・。でもこれなら俺とも敏捷がそこまで変わらないから安心したかも。」


「それならよかったわ。」



そのあと、マキナさんを宿へと送る道中お互いのスキルをある程度教えあった結果


マキナさんは完全にシーフ系統だと再確認させられた。


部屋へと戻り久しぶりに自分のステータスをみることにした。



名前:カイル

年齢:16歳

職業:Sランク冒険者

Lv67(20UP)



HP:140,770(3900)


力:14,722(341)

頑強:13,286(317)

敏捷:13,458(325)

知力:13,010(324)

魔力:12,886(323)

気力:12,479(328)




契約獣

グラディオスドラゴンカイザー


固有スキル

【竜化】【竜言語魔法】【竜眼】【アイテムボックス】【才能】


スキル

【槍術】【身体強化】【魔闘気術】【隠密】【罠解除】【マッピング】


称号

世界最高の万能者



【槍術】

熟練度52% (12%UP)


【身体強化】

熟練度60%(20%UP)


【竜化】

熟練29%(7%UP)


【竜言語魔法】

熟練度30%(5%UP)


【魔闘気術】

熟練度19%


【隠密】

熟練度15%


【罠解除】

熟練度10%


指名依頼承諾一覧

・討伐

・採集

・鑑定

・護衛

・探索



んー、俺もなんとなく魔法と新たに取得出来たスキルなどを使えばダンジョンでも問題はないかもしれないが本職にやってもらえるならそれに越したことはないよな。


それと、さっきマキナさんに敏捷はほとんど変わらないと言ったが改めてみると倍近くらいだなぁ。

たぁ、マキナさんがかなりいい、能力であったのは間違いないから運がよかったかな?



それにしても今の能力的にパノラさんの6割くらいにはなったかな?

レベル差もあるけど、改めてパノラさんが化け物な件・・・


さて、明日からダンジョンアタックだしねるかな。




それから一晩が経ち翌朝朝食をとったあとマキナさんを送ったときに約束した集合場所へとやって来た。


少し早く着いたようでマキナさんはまだ来ていなかった。

しばらくするとマキナさんがやって来て合流出来たのでギルドでパーティー登録と40階より下でとれる素材の依頼を幾つか受注してから40階へと向かった。


今日は連携の確認などをメインで行うためそこまで深くは潜らないため素材の収集をメインで行う予定だ。


さてさて、気合い入れていきますか!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る