第18話
18話
よし、ここからは槍で確実にいこう!
そう思ったオレは目の前にいるオークの群れへと突っ込み槍に気力を込めて突きを放った!
すると、いつもと違いレベルがかなり上がった影響なのか突いたオークの後ろにいた数体のオーク達も貫いた。
これは、槍に込めた気力が突きと一緒に放たれた?
「ほう、気力を飛ばすことが出来る域にたどり着いたか。」
「師匠、これは一体?」
「これは、気力の奥義の1つだ。強い気力を込めた攻撃は攻撃の範囲を広くするんだ。込める気力の量や強さによって拡張される範囲や攻撃そのものの強さを伝える強さが変わるんだ。
今のは実際の槍に当たるよりも弱い攻撃だったがそれでも6割くらいの強さにはなっていたようだな。
まぁ、オークあいてだからカイルなら1割以下の力で倒せるから無駄な力を込めている明かしでもあるかもな。」
「それは・・・」
「まぁ、今はいいが相手を倒せるだけよ力を込める練習必要かもな。それができればいろいろと応用が効くからな。」
「わかりました!」
「よし、それならこの戦いを通して少し練習してみます!」
「あぁ、頑張れ!」
「ちょうど良く空を飛べるモンスターが来たな。」
俺は竜眼で確認してみることにした。
種族名 レインボークロウ
鳥系のCランクモンスター
レインボーの名のは同じ種類にも関わらず色によって扱う属性が変わる不思議な生態のモンスターで空からの魔法攻撃が得意である。
しかし、身体に属性を纏わせた攻撃も強力である。どちらを使うかはそのモンスターの性格による。
なんて、めんどくさいモンスターだよ。
とりあえず近くにいるやつから行くか!
俺は出来るだけ気力を丁寧に槍に流し槍が延長されるようなイメージをしながら槍を振るった。
すると、当たらないと思っていたのか避けずにいたレインボークロウの首を絶ちきった。
「よし!━━━━━━っく!」
うまくいったのもつかの間最初の攻撃を皮切りにレインボークロウがそれぞれの属性魔法を放ちさらに四方から羽や爪、嘴に属性を纏わせた攻撃を仕掛けてくるなど隙がない。
群れでの討伐はかなり大変だぞ。
俺は近接攻撃を仕掛けてくるレインボークロウに横凪ぎの攻撃を仕掛けた。
すると、イメージした範囲より狭い範囲のレインボークロウは倒せたがイメージや精度が悪いせいで思うように出来なかった。
んー、そういえばこれに竜化の力を加えたらどうなるんだ?
ふとそう思った俺は軽い竜化を行い気力に竜の力を乗せたものを槍に注ぎ範囲を広げてみると・・・
「うお!」
竜の爪で引っ掻くかのようにイメージした攻撃が3本に増えた!
んー、竜の爪が3本だと思わないからこれもイメージの違いとか精度が悪い証拠だよな?
それから暫くレインボークロウ相手に戦っているといきなりレインボークロウ達が離れていった。
「なんだ?━━━━!!」
すると空が少し暗くなったかと思うと翼竜?!
見た目は黒?いやちがう暗い赤い鱗をした腕がなく腕の辺りから翼が生えている。
種族名 ブラッドワイバーン
亜竜系のAランクモンスター
ワイバーンの亜種で血を操る力がある。
上位の吸血鬼に眷属とされたワイバーンが稀に進化する。
ワイバーンの亜種、それに吸血鬼の眷属・・・
これの背景には吸血鬼━━━つまりヴァンパイアがからんでいる?
そう、思考を巡らせていると━━━━
ブラッドワイバーンは急降下して噛みつきにかかってきた!
俺は避けながらブラッドワイバーンの翼に槍で切りつけた。
切りつけた後違和感を感じて様子を見ていると切りつけた辺りの傷口から出る血が生き物のように蠢き出していた。
「コレがヴァンパイアの力か?」
そう思わず口にした時蠢いていた血が縄のようになりながら俺に目掛けて迫ってきた!
俺はその血を横凪ぎの一撃で払おうとしたが血は蔦が巻き付くように槍に絡んできた。
俺はとっさに槍を離し、距離を取った。
くそ、槍が取られたか・・・だが槍を奪ったことで油断したのか隙の出来たブラッドワイバーンが視界に入ったので風の竜言語魔法で攻撃を仕掛けうまく地面に叩き落とすことに成功した。
さぁ、仕上げだ!
俺は竜言語魔法で地面を剣山のように隆起させブラッドワイバーンを貫かせた。
『gugyaaa・・・・』
そして、ブラッドワイバーンは息絶えたようなので近くに落ちていた槍を拾い次の獲物へと向かった。
□□□□
「はぁはぁはぁ・・・」
「カイル疲れているみたいだがもう少しで終わるからもう一踏ん張りだ。」
「は、はい!それでもう少しでっていうのは?」
「あそこにいるだろ?一際強いヤツが」
そう、師匠が指を指した先を注意してみると確かにいた、他のモンスターとは違う次元のモンスターが。
だけどその、近くにも強い反応がある?
「師匠どうも次元の違う強さのとそれよりは弱いですがなかなかの強さのヤツがいるみたいですよ。」
「ん?そうみたいだな。私が強い方をやるからそこそこの方はたのんだぞ!」
「え、あちょっと、」
言うや否や師匠はそのモンスターのもとへと駆け出していってしまった。
「全く・・・、俺も向かうか。」
そして、オレが向かった先にいたのは、まぁボスの近くにいた側近?みたいなやつなんだけど・・・
種族名 ブラッドオーガキング
鬼系のSランクモンスター
オーガキングが吸血鬼の配下となり稀に進化することで生まれる個体で通常のオーガキングの能力に加え魔法を使うことができ戦闘能力が飛躍的に上がったオーガキングの亜種である。
物理で殴れから魔法もつかうぞこのやろーって感じか?
見た目は身長250センチ程赤い肌で筋肉質の身体に頭には1本の角が生えておりその角は反り返り東方の刀という武器に似ている。
『オイ、オマエイマナニヲシタ?』
「喋った?」
『オレガキイテイル!ナニヲシタ!』
「少しよーく見ただけだ」
『ミタダケカ・・・』
「喋れるなら少し話さないか?」
『ナンダ?』
「なんで群れで攻めて来ているんだ?」
『ワカラヌ、ワレヲツカマエタヤ、ややや』
「どうしたんだ?」
『Gugyaoooooo』
「!?」
突然叫んだオーガは先程まであった知性的な表情から一転して本能をむき出しにしたようになった。
そして━━━オーガの周りに落ちている石や砂が浮き上がり瞬く間に鎧へと姿を変えた。
「石の鎧・・・」
『guaaa!!』
「!」
オーガは見た目とは裏腹にかなりの速度で突進してきた!
俺は少し大きめに避けたが通りすぎる際にオーガから石の槍が放たれてきた。
「っく!」
オーガのパワーに魔法での牽制と、かなり厄介だな。
しかも理性が飛んでいてその分遠慮がないから危ないな。
だが、理性がないということはその分動きが単純だってことでもあるからな!
「竜化!」
俺は竜化して槍を構えオーガへと横凪ぎの攻撃を仕掛けた。
「おらぁ!」
ドゴ!っと言うや鈍い音と共にオーガの石の鎧の胴体部分が壊れ落ちた。
ダメージによって頭が下がっていたので顔を槍の石突きで殴った。
そして、オーガの素顔が顕となったのだがその顔はどこか悔しそうな顔をしていた。
「お前は、自分の意思とは関係なく暴れさせられているんだな?くやしいよな?」
『ugaaaaa!』
そう叫びながら殴りかかってくるオーガの攻撃を交わしながら俺はオーガへと話しかけ続けた。
どうしてそんなことをしているのかわからないそんなオーガへの語りかけは、ほんの少しかもしれないし10分や1時間にも感じられたその語りかけはついにオーガの顔に知性の色を戻させた。
『オレハ・・・・』
「気がついたか?」
『アア、オマエノコエガキコエタ』
このとき俺は・・・
「なあ、俺と一緒に冒険しないか?」
と、自然とそんな言葉が口から漏れていた。
俺はこいつのことが気に入ったのか?
まぁいい、こういうときに使える魔法でもあればいいが・・・
『オマエトボウケン?』
「あぁそうだ。俺はオマエのことが気に入ったみたいだからな。どうする?」
『オマエニハ、カリガアルカラカエサナケレバナラヌ』
「それって?一緒に来るってことか?」
『アァ』
そうオーガが答えた時俺の魔力とオーガの魔力が繋がったような気がしたと同時に1つの魔法が頭をよぎった。
その魔法を自然と口にしていた。
詠唱を終えるとき最後の言葉として名前をつけることが必要だとわかった。
「お前の名前は今日から紅丸だ。」
すると紅丸の身体が輝きだし━━━光が治まると肌に鱗?が生え身体が縮み190センチ程の紅丸がいた。しかも━━━
『ふむ、これより我は主の矛とならん。』
「・・・・」
『どうしたのだ?』
「・・・・」
『主どの?』
「っは!お、お前紅丸だよな?」
『そうだが?主がつけたのであろう?』
「いや、そうだけど!なんで女性になってるんだよ!キングってなってたら男だろ!」
『何を言っておる!もともと我はおなごじゃ!』
「え?」
『え?ではない!全く!』
そう、紅丸の外見は肩から腕にかけてと背中と太もも辺りに鱗の生えた人間の女性型へと変わっている。
頭の角は変わらずあるんだけどなぁ。
しかも顔をみたら10人が10人美人といってもおかしくないくらい整った顔をしており、スタイルも筋肉質ではあるが出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ素晴らしい身体をしている。
「は!それより胸とか隠してくれ。」
『隠してくれといっても着るものは・・・』
「とりあえず、鎧を出したらいいかな?」
『おう、そうじゃの!』
ふぅ、目のやり場に困ったがいいもの見たな。
今のうちに鑑定しておくか
種族名 ドラゴネスオーガエンプレス
鬼系のSSランクモンスター
ブラッドオーガキングから最強のドラゴンの力を取り込み進化した個体。
世界に1体しかいないユニークモンスターで魔法も使える。
成長次第では一部竜言語魔法も使えるようになる可能性も・・・・
えー、なかなかヤバそうな気がする。
てか、SSランクってなに?
いろいろ気になるがまだまだ成長の余地があるのか・・・
ん?この気配は?
「カイル!大丈夫か!」
「し、師匠!」
師匠が俺と紅丸の間にかなりの剣幕で割り込んできた!
「師匠そんなにあわててどうしたんですか?そもそもヴァンパイアは?」
「それは倒したがそのあとカイルの方からヤバい気配を感じて来たんだが、これは私でも本気を出さないと不味いかもしれないからカイルさがってなさい!」
「いや、あの師匠こいつは紅丸って言ってさっき獣魔契約したオーガです。」
「契約したのか?このオーガと?」
あ、なんか師匠な顔が語ってるけど嘘だ~って顔に・・・・
「はい、しました。」
それから師匠に経緯を話した。
「まぁ、いいギルドで申請はするんだぞ?」
「はい!」
こうして今回の事件は一応の幕引きとなった。
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