第17話
17話
師匠と俺は会議室の中へとはいった。
うわーやっぱり目立ってるなぁ。
師匠は勿論だけど俺も能力的には負けていないけどランクが場違いだからなぁ。
「おい、お前はパノラさんの後ろにいるガキだれか知ってるか?」
「あぁ、アイツは万能系らしくてパノラさんの弟子になってるらしいぞ」
「へぇ、でもマスターもなんでそんなやつをこの会議に呼んだんだろうな?」
「さぁなぁ?もしかしたらオレたちより強いとか?」
「さすがにないだろ?もしそうならへこむわぁ」
「だよな。」
ってひそひそ言ってるつもりでも丸聞こえだっての。
流石に高ランクしかいないから絡んでくるやつはいな
「おいおまえ!」
いたわ。
おまえじゃわからないから無視しとこ。
「おい!おまえだよ!おまえ!」
そういうと声を荒げている冒険者の男は俺の肩を掴んできたので男の手首を掴み肩から離しながら問いかけた。
「っ!」
「さっきからなに?」
「な、何じゃねぇよ!お前さっきギルドマスターが言っていたがCランクなんだろ?なんでいるんだよ!それにパノラさんと親しそうにしやがって!」
「それは、私が答えてやろう。その前にカイル手を離してやれ。」
「はい。」
「カイルがなぜここにいるのかはここにいる殆どの冒険者より強いからだ。それと私と親しいのは私の弟子だからだ。」
「パノラさんの弟子でオレたちよりつよいだって?いくらパノラさんの言うことでも冗談キツいですよ!」
「ちょっとグレイいい加減にしなよ?」
そういいながら言いがかりをつけてきた男━━グレイの近くにいた女性が止めに入ってくれた。
「なんだよ、他の冒険者だって思っていることだろ?お前だってそうだろ?なぁ、アンジェ」
「そうだけど今聞くことじゃないでしょ?この後たぶんマスターからなにか説明もあるだろうしそれに・・・」
なにか最後言いたそうにこちらをチラリとみてきたが何も言わないまま入り口の方に目を向けた。
すると扉が開きギルドマスターが入ってきた。
そして部屋を見渡し会議室の前のほうへと歩いていった。
「よし、皆集まって貰ったのはわかっていると思うが今回のスタンビートを乗り越えるために主力として戦って貰いたいからだ。
そして、どうやら一悶着合ったようだがパノラと一緒にいるのはパノラに冒険者としてのノウハウを教えてもらっているカイルだが既に戦闘力はSランク上位として活動できるくらいには強いから経験を積ませるためにパノラと共に参加させることにした。
文句のあるやつは戦場でカイルの働きを見てからいえ。
それでは今わかっているスタンビートについて話をする。」
ギルドマスター曰く
スタンビートはゴブリン、オークを中心に3万ほどこれはさっきも言っていたがさらに詳しく調べたところ後ろの方にワイバーンや大トカゲなどの亜竜といわれる竜の下位種族(正確には他種族らしいが一般的には竜に近い見た目と能力があるためそう呼ばれる)が複数控えているのと真竜がいるのではと予想されるそうだ。
真竜とは竜種の中でもかなり上位に位置するらしくその強さは並みのSランク冒険者では束になっても相手にならないそうだ。
そして、報酬だが基本参加したら一律金貨5枚
だそうだがあとは倒したモンスターをギルドが買取りそこから担当区画別に均等配分されるそうだ、但し活躍が著しくいい場合は均等配分前に上乗せ金額を引いておき残った分を配分し活躍したものに追加報酬として払うそうだ。
また、真竜については倒した者がそう取りでと決まった。
「それでは質問は何かあるか?」
「はい!マスター質問ですが区画分けはどうやって決めるのですか?」
「そこは基本希望を言って貰って配置する但し被ったときはじゃんけんだ!それと、区画は基本ランクが高いものから選ぶことができるのと区画はあくまでも目安だから区画のかかれた地図を参考にしてくれ!」
そういうのじゃんけん、じゃなくていろいろあると思うけどなぁ。
まぁいいけどさぁ。
「他にないか?無さそうなら区画を決めて貰うがいいか?━━━━よさそうだな?それではパノラから選んでくれ、あといい忘れたが選んだら現地へと向かえる者は向かってくれ!」
「私はどこでもいいけど真竜とは戦ってみたいから中央を貰う」
「一人でいいのか?」
「いやカイルは連れていくから二人でいいぞ!」
「わかった。」
そう、ギルドマスターと師匠が話をしていたが俺は師匠と中央かぁ。
今から考えても絶対大変だろ・・・
「カイルなにくらい顔してるんだ?」
「そりゃぁくらい顔にもなりますよ。中央ってことは下手したら真竜と当たるかもしれませんし他に強いモンスターもいるかもしれません。」
「まぁ、そうだな。だがレベルをあげるチャンスでもあるから気張れよ?」
「はい!」
まぁ、そうか経験値を多く貰えると思えばいいのか?
でもなぁ・・・・
まぁ、油断しなければ大丈夫かな?
それにしても俺に対しての疑念とかあっても高ランクだけあってギルドマスターの戦場で判断しろの一言でとりあえず納得してくれてよかったなぁ。
「カイルボーッとしてないで向かうぞ?」
「あ、すいません!今いきます!」
こうして師匠と俺は最前線の所定の位置へと向かった。
そこからモンスターか見えたら中央へ移動して戦闘開始となる予定だ。
まぁいまから行っても明日までモンスターは来ないと思うけど。
□□□□
師匠と俺はギルドから移動して前線の手前にある最終防衛線の即席の砦にやって来ている。
「ふぅ、ついたな。今日はここで夜営をして明日の朝一で前線んに向かうぞ」
「はい!それにしてもよく数日でここまでの砦作りましたよね。まぁ俺たちには関係のない砦ですけど」
「関係なくはないぞ?」
「どうしてですか?」
「もし撤退することが有ればここに来ることになるからな。」
「それってもう絶望的な状況ですよね?」
「まぁ、そうだな。今回私より強い者は王都に居なかったようだからなぁ・・・」
どこ残念そうなそれでいて嬉しそうという複雑な表情をしてそう話していた。
残念そうな顔はなんでかわからないけど、嬉しそうなのは獲物が増えるからのような気がする。
しばらく師匠と話ながら夕食を食べてそれから寝ることなった。
そして、朝になった。
朝食を食べた師匠と俺は他の冒険者とともに所定の位置へと移動した。
「さすがにまだモンスターはいないな。」
「ですね。」
「モンスターがきたら昨日の夜話したとおりにな」
「はい!」
そう、昨夜師匠とご飯を食べたあと寝る前に打ち合わせをしていたんだ。
まず、モンスターが現れたら先制攻撃として範囲魔法を担当エリア目一杯の横幅でできるだけモンスターの後ろまで届くように撃つことを話していた。
素材やモンスターの核など換金出来るものが失くならないように加減はしないといけないけど・・・
そして暫くすると土煙が見えてきた。
「来ましたね。」
「あぁ、さすがに数万もいると雑魚でも迫力があるなぁ。」
「確かに凄い地響きと鳴き声ですね。」
そうなのだ、土煙と一緒に地響きのような足音とモンスターの鳴き声が辺りに鳴り響きかなりの迫力だ。
正直怖いけどやるしかない。
「もうすこししたら魔法を放て、合図するまで準備だけしておくんだ。」
「わかりました。」
俺は風の刃の魔法を範囲一杯で後ろまで進ませようと思いそれぞれオークやゴブリンなど目で見える多くいるモンスターを基準にしてそれぞれの首辺りに当たるようにいくつもイメージしながら準備していく。
「いまだ!」
「いけ!」
俺は竜言語魔法でつくった風の刃をいくつも進ませた!
そして暫くすると
「おー、カイル良くやった。雑魚は一掃出来たようだぞ。見事に首が全て切り捨てられれてな。
ん?あぁ、多く倒してレベルアップ酔いになったか。
カイル返事はいいから暫く気持ち悪いだろうから少し休め。いいな。」
俺は師匠の言うように気持ち悪くなっておりたっているのが辛く今にも吐きたいくらい気分が悪い。
師匠はレベル酔いとか言ってたけどカナリアス上がったのか?
いまはゆっくり見る時ではないからあれだけど吐き気が治まったら体を動かして確認してみるか。
それにしてもかなり辛いぞこれ。
治る前に師匠が全部倒してしまいそうだよなぁ。
それから俺は暫く休んでいるとある時スッと吐き気が治まると同時に身体の底から力が無限にわき出るような全能感に襲われた。
なんだこれは?
なにか以前とは違う?
暫くすると全能感は消え代わりに身体に力が馴染むような、渇いた土に水が吸収され潤いが戻ったような。
そんな気持ちになり少しボーッとしていたがここはいま戦場だと思いだし、俺は前にいるモンスターの群れへと向かった。
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