第12話

12話





翌朝



「う、うーすまんカイル昨日は食べ過ぎてしまった」


「たまにはいいですよ!」


「そ、そうか?」


「それより師匠早く行かないと遅くなりますよ!」



そうなのだ。昨日の依頼をこなすためにももう街をでないと帰りが遅くなってしまう。



「そうだな。それじゃぁカイル先ずは腹ごしらえだ!」


「あ、師匠朝食は摘まめるものを頼んで用意しておいてもらったので移動しながら食べましょ!」


「いや、とりあえず門をでたら食べるぞ!」


「は、はい」


宿から門へ向かいそこから出て暫くすると師匠が朝食を食べると言うのでアイテムボックスからだして師匠と二人適当に座り食べはじめたのだけど・・・



「師匠歩きながらだとダメなんですか?」


「いや、食べてから移動する。」


「わかりました。」



わからないけどわかったと言わないと行けなさそうだったのでそう言って俺も座って食べ始めた。



「それで、師匠なんで座ってたべてるのですか?」


「歩いて食べる意味がないからだ。」


「意味がないですか。」



どういうことだろう?

行程が遅れているから急ぐためにも歩きながらっていうのはありだと思うけど。



「というか、カイルは今こう思っているんじゃないか?出発が遅れたから予定が遅れていると」


「はい、たしかにそう思っていますが・・・」


「そもそもだな目的の場所まで歩くと3時間と言うことだが私達は荷物はアイテムボックスの中で手ぶらであり能力もそこらの人間と違って高い数値を誇るということは走ればすぐに着くんだよ。

私の計算ではカイルが2割とか1割程の力で走れば30分ほども走らないと思うぞ。

よく考えてもみろレベルが上がる前でも1時間も走れば10キロは走れるだろ?」


「えぇ、確かにそうかもしれません。」


「だから今なら全力で走れば数分だとおもうのだがなぁ。」



そう、師匠はニヤニヤしながらいうのだった。



「はぁはぁだ、だからってホントに全力疾走で洞窟までいきますか?!勢い余って通り越して探すはめになったじゃないですか!」


「それは初めから周囲を見ていないからだろ?」


「そ、それは・・・」



そう、食べたあと少し食休みをして全力疾走することに3分目的地周辺には着いたのだけど走りすぎたようで少し探すことになったがそれでも移動時間は5分ほどであった。



「さて、中へ入る前に装備は出しておかないとな!」


「はい!」


「よし、いくか!」



そして、俺と師匠は洞窟の中へとはいった。



「カイルこういう洞窟には大抵バット系やオーク、ゴブリンなどがよくすくっていることがある。あとはまぁ狼系もいたりするな。」


「そうなんですね。」


「ただまぁ、こういう風に違うものもいるがな!ッハ!」



師匠の蹴りが炸裂した吹き飛んで絶命したなにか。



「師匠やりすぎです。原型留めていないので素材がとれません!」


「しまった。ついやり過ぎた。」


「師匠、俺がやるのでおとなしくしてましょうね。」


「あぁ・・・」



なんだか最近師匠は実はポンコツなんじゃ?と思うことが多々あるんだけど大丈夫だよね?


その後暫く歩くとなにも出てくることもなく目的の場所へとやって来たのだけど・・・



「師匠・・・」


「あぁ、いるな。カイル気をつけてな」


「はい!」



竜眼を発動させつつ慎重に目的の薬草が生える洞窟の広場へとやって来た。

そこはボンヤリと光る鉱石かなにかがあり目的の薬草を照らしていた。



暗闇草

暗く閉ざされた洞窟の最奥に生える薬草で、成長に必要なのは一定量の魔力とごくごく弱い自然の光である。

この薬草を暗闇で調合することで魔力ポーションを作る材料となる。

一度加工したらその後は暗室で保管することで数年は保存が可能となる。



へぇ、おっと感心してる場合じゃないよな。

なにがいるのか注意しないと




「んー、確かにいるのに何処にいるんだ?」


「ふむ、こいつか」


「師匠はわかったんですか?」


「あぁ、昔戦ったことがある。少し楽しみにしておくといいぞ。」



一体なんだろうか?

もう少し竜眼を強く意識して視てみるかな?


俺は竜眼でもう一度広場を視ると・・・



「居た!師匠あれですよね?」


「あぁ、そうだ。」



鑑定してみると




種族名 ダークシャドー

影系のBランクの魔物

影に潜み影から影へと移動できる。

実体は影と共にあり倒すには影も生まれない光が必要である。



「光か・・・」


「さて、カイルこの強い光に弱い薬草がある中でどうやってやつを倒す?」



そう、師匠は楽しそうに問いかけてくる。

どうするか、なにかでやつだけを囲うか、やつ以外を囲うしかないけど、やつだけを囲う方が楽ではあるけどさらに光をどうするかだよな。


なにかいい魔法があればいいのだけど・・・

お、これとこれを合わせてみるか?

できるかな?

いややるしかないよな!



「師匠なんとかなるかもしれません。」


「そうか、やってみろ!」


「はい!」



俺は初めての異種属性魔法の同時発動を行うために集中し、竜言語を唱えた。



「いきます!」



そして、発動した魔法はものの10秒ほどで終了した。

そのあと竜眼で確認したがダークシャドーは倒せたようで代わりにダークシャドーの核が落ちていた。



「倒せたみたいだな。」


「なぁ、カイル私には闇魔法が発動して消えたらいなくなっていたのだが中では光魔法を発動させていたのか?」


「はい!」


「ふむ、そうか。さて、そしたら薬草を集めようか」


「はい!」



俺と師匠は手分けして薬草を掘り起こし少量の土と一緒に布で根を保護して紐で縛りそれを箱に入れてからアイテムボックスに保存した。



「終わりましたね。」


「そうだな。ここを出たら休憩して帰ろうか」


「はい!」



俺と師匠はさっさと洞窟から脱出した。



「ふう、空気が美味しい!」


「確かに淀んだ空気から解放されて気持ちいいな。さて、そしたら昼食を食べたら軽く休憩したら出発しよう」


「はい!」



俺と師匠は出来合いのものを各々食べて休憩をとった。

俺は食休みしながらステータスを確認してみた。



名前:カイル

年齢:15歳

職業:Dランク冒険者

Lv22


HP:17,020(1650)


力:2722(192)

頑強:2320(166)

敏捷:2270(166)

知力:1993(155)

魔力:1891(157)

気力:1728(134)




契約獣

グラディオスドラゴンカイザー


固有スキル

【竜化】【竜言語魔法】【竜眼】【アイテムボックス】【才能】


スキル

【槍術】【身体強化】


称号

世界最高の万能者



【槍術】

熟練度30% (1%UP)


【身体強化】

熟練度26%(2%UP)


【竜化】

熟練度5%(1%UP)


【竜言語魔法】

熟練度7%(2%UP)



今回は魔法をよく使ったので知力や魔力の上がり幅が大きいように感じる。

気力はやはりあまり上がっていなかった。


魔法より近接で戦えばまだ上がるかもしれないけど気力を沢山使うにはやはり竜化を使う方がいいんだよなぁ。


あまり使わないと他の能力との差がさらに広がるから今のうちに同じようにつかわないとな!



「カイルそろそろ帰るぞ!」


「はい!そうだ師匠、ついに能力が10200を越えました!」


「ほう、ついに上位の壁にたどり着いたかやはり早かったな。だが私に追い付くにはまだまだだぞ?」


「はい!必ず追い付いて見せます!」


「あぁ、その粋だ!じゃぁ来たときよりスピードを上げて帰るか!」


「はい!」



それから数分後・・・



「はぁ、はぁ、なんとかついたけど。疲れたー。師匠ーちょっとじゃないですよー」


「ん?壁を越えたというからこのくらいはなぁ?」



「く、絶対見返してやるー!」


「まぁ、精進したまえよ!」



くそー、師匠めー

そのあとギルドへと足を向けた。


ギルドへついて昨日の受付嬢がいたので師匠はそのカウンターへと向かった。

昼を過ぎて夕方のピーク時にはまだまだ時間があるので空いているので並ばずに順番になった。



「やぁ、依頼の達成報告にきた。」


「え?あの、昨日向かわれたのですか?」


「いや、今朝行って今ほど帰ってきたんだ。」


「さすがお早いですね。」


「走れば数分だからな」


「そ、そうなんですか。」



あ、なんか疲れはてた俺の方に視線を向けてすぐにそらしたぞこの人



「それでものだがどこに出せばいい?」


「このカウンターで受けとりますよ。」


「カイル、箱を出してくれ」


「はい!どうぞ。」


「アイテムボックスですか・・・。中身については奥にある暗室で確認しますのでその間にもしモンスター素材があるのならあちらの解体施設へお持ちください。

そちらで今回の報酬をまとめてお支払いたします。」


「わかった。」



俺と師匠は解体施設へと向かい担当者へ声をかけた。



「すみません、素材を出したいのですがどこにだせばいいですか?」


「はい、そうですね。まずどのくらいありますか?」


「あ、えっと今回は素材が核しかとれないものがほとんどだったのと猪系が幾つかです。」


「それではあのあたりにボアをあと核はこちらに並べてください。」



俺はアイテムボックスから出していき最後に核を出した。



「ん?この核だけ色と大きさが違う。うーん、シャドー系か?」


「はい、ダークシャドーの核です。」


「なんだって!どこにいたんだ!」


「暗闇草の生える洞窟です。」


「な、なんだと?!ちょっちょっと待っててくれ!」



そう言い残して担当の人は施設から出ていった。


なんだったんだろう?



「まぁ、大方ギルドマスターに報告にいったんだろう。」


「そうなんですね。」


「面倒になりそうだな・・・」



そんな師匠の呟きが聞こえてきたがいまいちわからない。


暫くすると先程の担当の人ともう一人壮年の男性が一緒にきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る