第11話
11話
さて、街に着いて泊まる宿はライノさんがまとめて取ってくれたので心配はしていない。
今はこれからの予定を話すそうなので宿のライノさん父娘が泊まる部屋に集まっている。
その部屋は他の部屋と違いリビングがありそこからいくつかの部屋に扉で繋がっているようで今いるリビングだけ見ても嫌みにならない程度に素人目で見ても高そうな調度品で飾られていた。
「それではこれからの事なんだが、私と娘それにエルは商談があるのでいろいろ回ってくるがパノラさんとカイルくんは基本自由にしてもらってかまわない。
依頼を受けてもいいし観光してもいいそこは任せる。
ただ毎日宿には帰って来てほしい。
宿の人間に伝言を頼むかもしれないからね。」
「わかりました。カイル、あとで部屋に来てくれ。」
「はい!」
「それでは解散と言うことで。」
俺達は解散したあと各々部屋に一度戻り、俺は師匠に言われた通り部屋へと向かい扉をノックした。
「師匠!カイルです。」
「おー入ってくれ。」
中へと入ると・・・
「ちょ!師匠なんでそんな格好なんですか!」
入ると師匠はタンクトップに太腿の付け根辺りで切られたパンツ姿だった。
師匠の太腿は鍛えられて引き締まっているが筋肉質ではなくとてもキレイだった。
「ふーん、カイル私の足に何かついているか?」
そう、ニヤニヤしながら師匠が聞いてきたので
「いえ、キレイだなと」
「そ、そうか?」
あ、照れた。からかう気が逆にからかわれたのがはずかしかったのかな?
「イタ」
「ニヤニヤしてると殴るぞ」
「いてて、もう殴られてますよ!」
「それは置いておいて、どうだった?」
師匠が真剣にそう聞いてくるので
「正直護衛は暇でした。」
と、答えた。
確かに暇だったのだ。自分が田舎から学園に行くときは護衛の冒険者の人たちや大人たちは毎晩慌ただしかったのになぜなにも無かったのだ。
「まぁ、そうだな。まずカイルが担当していた時間はたぶん例の魔法を使っていたんだろ?」
「はい。」
「そしたら、雑魚はいたがこれなかったと言うことと、強いのは近辺にいなかったんだろうな。それで私の時は少し気配を濃く出していたからそれで来なかったんだ。そしてライノさんとエルくんの時はただ単に寝静まる時間として早かったから運良く来なかったんだ。」
「そう言うことですか。」
「ああ、まぁ結界張れば早い話なんだけどな。」
「そう言えばこないだはなぜ張らなかったんですか?」
「私のは一人用だからなのとライノさんはは・・・私たちを信用して経費を押さえたのだと思う。」
「ふむ、いろいろあるんですね。」
「そうだな。さて、このあとだが先ずは風呂に入ってからギルドへ行こう。そのあと宿へ戻って夕飯だな。」
「わかりました!」
俺と師匠はそれぞれ宿の共同のお風呂へと入り旅の汚れ。
実際はまほうで常にキレイだが疲れを落とし。改めて集まりこの町のギルドへと向かった。
俺は師匠のあとに着いてギルドの中へとはいった。
すると、そこらから万華だ、とか上位のだとかヒソヒソと聞こえた。
改めて師匠が有名であると思った。
そんな師匠に教えを受けている自分が誇らしくなった。
「こんにちは、本日はどのようなご用件でしょうか?」
「いや、護衛依頼で来たので暫く滞在するのだがその間何か簡単な依頼などあれば受けようかと思ってな。」
「ふむ、失礼ですが一応ギルド証をお見せください。」
そう、受付のお姉さんがいうと師匠はおもむろに胸の間から出すフリをしてアイテムボックスからだしてお姉さんに渡した。
目の前で見せられたお姉さんはすこし頬を染め、周りで見ていた冒険者(男どもは)鼻の下を伸ばして見ていた。
「師匠、そんなイタズラせずに普通にアイテムボックスから出してくださいよ。」
「なんだカイル?少し楽しんだだけではないか。」
「全く・・・」
「ん、んん。すみません確認致しましたS上位ランクのパノラ様と、えっとそれとそちらは」
「基礎指導を受けている弟子のカイルです。一応Dランクです。」
と、俺はいうのと同時に自分のギルド証を出して見せた。
「あら、凄い優秀ですね。登録して1月経ってないのに」
「あぁ、カイルは優秀だ。戦力でいえば上位の壁にもうすぐたどり着くくらいにはただし、経験が圧倒的に少ないからまだまだだがな。」
「そ、そこまでなんですか。それでは、片道徒歩で3時間ほどの洞窟の奥に生える特殊な薬草の採取などいかがでしょうか?
洞窟のなかは少し横穴がありますが直線で進めますがなかに住む魔物がそれなりに驚異となるものが多数遭遇することもあるのである程度戦力が高い冒険者にしか依頼出来ないものですが。」
「ふむ、詳細を聞いても?」
「はい。目的となる薬草の名前は暗闇草と言いまして洞窟などの奥で暗くしかもある程度の魔力が貯まっているところにしか生えない薬草で目的の場所はその薬草が群生しているところです。」
「暗闇草と言えば魔力ポーションの原料の一種だったな。」
「ええ、他でも代用可能ですがこれを使うと効果の高いものが作れますので依頼主は出来れば10株ほど欲しいと言われています。また、薬草は根ごと採って頂きたいのと光を当てないような工夫をお願いします。」
「そうか。因みに群生地にそこまで量がなかったら採り尽くさない程度でいいのか?」
「はい。希望は10株ですが最低1株ですので大丈夫です。」
「わかった。1株しか生えていない場合は?」
「採って来てください。今後は暫く採取不可とするだけなので」
「わかった。最後に報酬は?」
「1株で金貨3枚で10株ならば35枚だそうです。」
「そうか、わかった。この依頼受けよう。」
「はい、宜しくお願いましす!」
そうか、失敗しないために知りたいことは確実に質問するべきなのか
「それではカイル帰るぞ」
「はい!」
「カイル明日の探索で必要な物はなんだ?」
「松明やカンテラ、スコップそれに薬草の根を保護するために布と紐それに光を通さないような箱でしょうか?」
「そうだな。そのくらいの用意をしていけばいいだろう。道具屋に寄っていこうか。」
「はい!」
俺と師匠は道具屋へと行き必要そうな道具を買い集めアイテムボックスへと収納した。
宿へと帰る道すがら師匠に少し気になることを聞いてみた。
「師匠、今回の依頼Sランクが受けるには安いですよね?」
「あぁ、だが薬草は自分達もポーションという形で恩恵を受けているから安くても受けれるときは受けるべきなんだよ。
基本的な材料なら少し街から出れば生えているから新人冒険者にはいい小遣い稼ぎになる。
だが、生えるのに特殊な条件が必要な薬草の場合、つまり今回のような条件がある時は確実に達成出来るものが受けるべき依頼となるんだ。
それにそういう場所に出てくる魔物は高ランクのモノが出てくる確率が高いから素材で儲けが出るんだ。」
「出たら儲けものですか」
「そうだな。さて、宿へ着いたから夕飯を頂こうか。」
「はい!」
俺と師匠は宿へと帰りつきそのまま1階の食堂のテーブルはと着いた。
「カイル何をたべる?」
「何があるんですか?」
「さあ?私もわからないからオススメを頼もうか」
「はい!」
「すいません」
「はーい」
キレイなお姉さんが注文を聞きにきた。
「オススメがあればそれを2つ頼む」
「そしたら、オススメの超でかもりステーキ定食なんていかがですか?」
「おう、それはいいな。そしたらそれとワインを頼む。カイルは何か飲むか?」
「そしたら、水を」
「わかりました!少々お待ちくださいね!」
そう言ってお姉さんは厨房へと向かった。
「そういえばカイル酒は呑まないのか?」
「成人したのですが飲んだことないので頼む気にならないんです。」
この国では15歳で成人となり職業につき、酒も呑むことが許される。
「ふむ、そしたら明日の仕事から帰ったら少し酒場へ行こうか。
飲み方を教えてやる。」
「は、はい!」
そんなことを話していると、ガラガラガラと台車を押す音が聞こえた。
「お待たせしました。でかもりステーキ定食です!」
「「でかい!」」
目の前に置かれたのは肉は3キロ?くらいありそうでスライスされ1枚あたりは300グラムほどのものが山盛りにされており。
別の更に付け合わせのポテトサラダがこれまた山盛りに置かれ、パンが人の頭くらいあるようなものがポンと置かれスープは小鍋で置かれていた。
「多いけどおいしそうですね!」
「そうだな!最近そこまで食べてないがいけるかな?」
「食べれなければ俺が食べます!最近お腹がすいて大変なので」
「そうか、その時は頼む。」
「えっと、それからこちらがステーキソースになります。」
そこに出されたソースの説明を聞くと、玉ねぎを主体としたソース、デミグラスソース、塩と胡椒、それと特性ソースの4種類使いたい放題だそうた。
「さて、食べるぞ!」
「はい!」
俺は最初塩胡椒で食べそのあと順番に食べたが特性ソースは別格でうまかった!
俺は1時間ほどで食べ終わったが師匠の皿にはステーキがあと数枚残っていた。
「カイル凄いな。もう食べたのか?」
「はい!美味しかったので!」
「そうか、それなら申し訳ないが少し手伝って貰っていいか?」
「はい!」
俺は師匠からステーキをもらい食べた。
そういえばこの肉なんだったんだろ?
あ、お姉さん暇そうだから聞いていいかな?
「お姉さん、すみません!」
「はーい」
お姉さんが近づいてきたので聞いてみた。
「この肉美味しかったんですが何の肉ですか?」
「というかもう食べたんですね。」
「えぇ、美味しかったです。」
「そうですか。えっと、肉はこの街よ近くで養殖されたホーンファイターという牛型の魔物の肉です。」
「ほう、魔物の養殖か」
「数年前に魔物の養殖が成功したのでそれから安く肉を提供出来ています!」
「へぇ、そうなんですね!とってもジューサーで柔らかいのに飽きない美味しさでした!」
「それは良かったですね。」
お姉さんがニコッと笑ったが少し呆れたような雰囲気で答えてくれたけどなにかおかしかったかな?
「まぁ、カイル食べすぎだな。」
「師匠なにかいいました?」
「なにも?」
「空耳かな?」
「さて、カイル食べ終わったが私はもう動けないから部屋まで頼む・・・」
バタ
そして師匠はそう言い残すとその場で倒れたのだった。
「し、師匠ーーー」
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