第7話
7話
んー、よく寝た。
って!寝過ぎたなぁ。今何時だろ?
時計くらい買おうかな?
公共の場や家に置くような大きめの時計はだいぶ安く手に入るけど携帯するような小さな時計はまだ高いからなぁ。
よし!こんど収納カバンが売れたらそのお金で買えたら買おう!
そんなことを考えながら部屋の外にある共同で使える洗面所へ行き顔を洗い、身支度を済ませたら下の食堂へと行き朝食を頼んだ。
「カイルくん今日はゆっくりだったね?」
「えぇ、初めての冒険だったので疲れていたみたいで今日から2日は休みなのでいろいろ買い足したり公衆浴場に行こうかと思いまして。」
「あぁ、そんなんだ。うちの宿にもお風呂あるのよ?わざわざ公衆浴場にいかなくても」
「え?!そうなんですか?」
「こめんね?最初に伝えるの忘れてたみたいで」
「いえ、いいですけど。ちなみにお値段は?」
「宿泊客なら銅貨3枚よ」
「あ、安いですね!」
「まぁ、うちのお母さんが魔法使えてお湯を暖めてそれを状態固定化の魔法で維持してるからお母さんが元気な限りこの値段よ!」
へえ、魔法っていろいろできるんだなぁ。
勿論得て不得手はあるだろうけど。
「そしたらお風呂は今度からお願いしようと思いますが今日は買い物がてら公衆浴場の方へ行ってきます。」
「うん。ちゃんとうちのも利用してね?」
「はい!」
「さて、私はそろそろカイルくんの朝食もってくるわね?」
「お願いします!」
暫く待つと今日の朝食であるパン(食べ放題)とスープとあの美味しいソーセージが運ばれてきた。
そうだ!ソーセージいくつか買っておいて旅先とかで食べれるようにしたいなぁ。
聞いてみよ!
「お待たせ」
「ありがとうございます!あの、ちょっと聞いてみるのですがこのとっても美味しいソーセージを20本火を通さないままで売ってもらうこと出来ませんか?」
「んー、父さんに聞いてみるけどどうして?」
「出先で夜営とかしてるとこのソーセージを思い出しちゃって無性に食べたくなるんです。それで売ってもらって出先でも食べようかなって」
「嬉しいこといってくれるわね!でも保存食ではないから冷蔵の魔道具で保管しないと日持ちしないわよ?」
「それなら大丈夫です。これでも万能系なので時間停止のアイテムボックスも持っているので!」
「え!そうなの?カイルくん羨ましいなぁ。私もアイテムボックスは持ってるけど時間停止じゃないし入れれる量も一部屋くらいしかないし」
「でも買い出しとかに便利そうですね!」
「それはそうなのよ!荷物持たなくていいからスリの心配もないし買ったものを持たなくてもいいし、あとは私も魔法は使えるからレベルが上がれば少しくらい戦えるようにもなるのよ?」
「へえ、そうなんですね!というかさっきからずっと話してますけど大丈夫なんですか?今さらですが」
「いいのいいの、カイルくんが朝食最後だし」
「あ、すいません。それなら追加で果実水2ついいですか?」
「あら?ありがとう今持ってくるわね♪」
そのあとすぐにミーナさんは果実水を持って戻ってきた。
さらにテーブルに自分の朝食も持ってきたようだ。
「ついでだから一緒に食べてもいい?」
「勿論です!」
美人と一緒に朝食なんてだれが断るんだ?
「ありがとうね!」
ほんと美人だなぁ。
「ところでミーナさん、美味しい料理をだす屋台とか知りません?」
「そうねぇ、このみがあるから自分で探すのも楽しいと思うけど強いていうなら美味しいスープを出してる屋台ならあるわよ?いつも店を出してる場所の地図後で書いて上げるわね?」
「ありがとうございます!いろいろ探してみますね!」
「どういたしまして♪」
そのあとも楽しく(俺は)ミーナさんと話ながらその日の朝食を終えた。
「朝食も食べたしそろそろ出かけますね!ミーナさんソーセージの件お願いします!」
「うふふ、わかってるわよ。行ってらっしゃいカイルくん♪」
「行ってきます!」
それにしてもミーナさん今日は機嫌が良いのかな?
終始ニコニコしてたし。
まさか俺と話すのが嬉しかったとか?
それは、ないか。
さて、お昼は屋台めぐりするとして最初にどこいこうかな?
やっぱり風呂だよな!
埃っぽいしべたつくしこれからは毎日宿の風呂に入るぞ!
今日は公衆浴場だけど・・・
というわけで、公衆浴場へと向かった。
公衆浴場の中へと入り受付でロッカーの鍵と湯着を貰いそれと少なくなっていた体用の石鹸と頭を洗う用の石鹸を買い足し脱衣所へと向かった。
「この区画の公衆浴場へは来たことなかったから新鮮だなぁ。」
「おや、あんちゃんここは初めてなのかい?」
「ええ、王都には数年すんでますが今まで学園の風呂かたまに友達と他の公衆浴場へ行くくらいで冒険者が多いこの区画の風呂は初めてなんです。」
「そうかそうか、そしたら脱衣場にいったら驚くかもしれないな。」
「え?なにかあるんですか?」
「見てのお楽しみだ!とりあえずいってみな」
「わかりました!」
俺はなにが違うのかわくわくしながら脱衣場にやって来た。
これは確かに驚くな、というか他を知っているから驚くんだけど。
目の前には一人一人に振り当てられるロッカーがとてつもなくでかい!理由は周りを見渡すとよくわかった。
なぜなら冒険者は俺や師匠みたいにアイテムボックスを持っている人ばかりではないので武器やらなんやらをもってくるから置き場が多く必要であるようだ。
こういう時アイテムボックス持ちだと正直ロッカーも要らないんだよなー。
まぁ、つかうけど
えっと俺のロッカーはっと。お、ここだ。隣に人がいるのかお互い邪魔にならないようにしないとな。
近づいていくと、ん?と思ったら向こうも思ったようでなんと学園でそれなりに仲のよかった友達だった。
「あ、久しぶり?だな」
「いや、まだ1週間くらいだろ卒業してからほんとアクトらしいよ」
「だな。ここにいるってことはカイルは心変わりしないで冒険者になったんだな!」
「勿論!その言い方だとやめたやつもいるのか?」
「ああ、どうもスキルが冒険者をやれるような物じゃなかったみたいで一応ギルドで適正判断してもらったら運搬には適正がそこそこあったらしく商人や運び屋へ就職するって言ってたな。」
「それ、だれだよ。」
「あいつだよ。ルークだよ。」
「へえ、そうなのか。」
「お前はどうなんだ?」
「詳しい話は風呂でしようぜ?」
「あ、」
二人とも抜いたまま湯着のまま話していたので少し目立っていた。
二人して風呂へ行き体をさっと洗い風呂へと入った。
「あー気持ちいい」
「だな」
「で、アクトはどうなんだ?」
「オレはいま基礎講座終わって物理専門講座を受け始めたところだ」
「へえ、普通の講座受けてないからどんなのか気になるな」
「ん?お前そういえば見ないけど受けてないよな?」
「うん、俺は万能系だったから万能系専用講座というか万能系の先輩冒険者と「お、カイルじゃないかお前も風呂か!」」
「師匠なにしてるんですかこんなところで!」
「何って風呂だが?」
「いや、そうじゃなくてSランクなら大きい風呂のついた宿じゃないんですか!」
「そうなんだがたまに公衆浴場くるのが好きなんだから仕方ないだろ?」
「はぁ」
師匠美人なんだから周りの反応みてほしいんだよなぁ。
屈んでるやつ量産してるじゃん。
「なぁ、カイルいまこの美人さんのことSランクって言ったか?」
「うん、さっきの話の続きになるけどパノラ師匠について万能系のこと実地訓練で教えて貰っているんだ。」
「羨ましい、こんな美人でSランクの人に教えて貰えるなんて!」
「ん、そういえばそっちのはカイルの知り合いか?」
「はい、一応学園時代からの友人でアクトです。今年から冒険者やってるそうです。」
「そうかそうか!同期は仲良くしておけよ!まぁ、すでにお前は試験受けていけば上位ランクになれるがな!」
「ん?どういうことだ?」
「いや、いろいろあってオークキング単独討伐したりステータスの能力的にはS下位ランクくらいにはなってるんだ。それでいまDランクになったんだよ。」
「まじかよ!」
「まじまじ、だけど師匠にはまだまだ勝てる気がしないんだよな」
「私に勝とうなんて5年は早い」
「5年かぁ。でもその頃師匠はもっと強くなってると思うのですが」
「まぁ、そうだがな!」
「先はながそうだなぁ。」
「まぁ、がんばれ。それでは私はもう上がるからゆっくりな」
「はい」
師匠はそういうと脱衣場(女性用)へと消えていった。
「それにしてもお前はいいなぁ。俺もあんな美人の師匠が欲しいぜ!」
「厳しいけど優しい人だよ!」
「そういえばお前契約のときどれだけ渡したんだ?」
「首から下を渡したというかもってかれたんだけどね。」
「まじかよ。それでよく無事だったな」
「ほんとだよね」
そう、あの儀式では精神力が強くないと廃人になる可能性があるため殆どの人は腕の一本などで済ませるように習う。
たまに俺みたいに問答無用で持っていかれる者もいるが殆どないことなんだ。
「あぁ俺は頑張って腕2本捧げたけど能力的にはそこまで上がらなかったからなぁ。」
「腕2本ってがんばったね」
「だろ?だけどそれで得た力は物理特化だったんだぜ?微妙に斥候能力があるからまだましだけどよ」
「へぇ、そうなんだね。」
そのあともアルクと話し込み風呂を出たあと飯を食べることになった。
買い出しはあしたかなぁー
「で、どこで食べるの?」
「あまり金もないし屋台でいいか?」
「むしろ屋台がいい!」
「お、食い付きがいいなならまずは屋台通り行こうぜ!」
「あぁ!」
俺達は屋台通りと呼ばれる屋台が集中している地区へとやってきた。
ここはところ狭しと飲食系の屋台やそのたいろいろな物を売る屋台が並んでいる。
勿論食べ物と他のものは離れていて武器やら雑貨やらと種類別に区画が決められているので欲しい品を比べて買うことが出来るのが魅力的だ。
「さて、まずは喉が乾くし果実水でも飲まないか?」
「それいいね。あそこの店がいいんじゃないかな?」
「確かに並んでる所をみると旨いんだろうな!」
暫くアルクと一緒に並んでいる間この屋台の店主は客が飲み終わったあとのコップを回収したあと魔法で綺麗にしているようだった。
基本屋台の食器類は食べ終わったらその屋台に返却するルールでそのあと店主は魔道具か魔法で綺麗にして使っている。
持ち帰る場合は食器の代金も払うのがルールだ。
そんなことを考えていると自分達の順番となった。
「果実水を2つください!」
「銅貨5枚だよ」
少し高いなと思っていると店主が果実水を準備して魔法で氷を入れているのをみてこれなら納得だと思い銅貨を支払った。
「はい、銅貨5枚です。」
「まいど、飲んだらコップは持ってきてくれよ」
「わかりました!アルク俺の奢りだありがたく飲めよ?」
「はいはいありがと」
アルクに果実水を渡したあと飲んでみると
「うっま!柑橘系?とかさっぱり系の果物で作られててこの時期にはあってるな!」
「だろ?」
「これなら樽買ってきてそれに入れて貰うのもありだな!ちょっと聞いてくる!」
「そんなに買ってどうするんだ?」
「アイテムボックスに入れておいて遠出した時に飲むんだよ。」
「そうか、万能系だからアイテムボックスも持ってるのか羨ましいぜ。でも時間停止がないと悪くなるだろ?」
「そらは抜かりないよ!」
「うわー、まじ羨ましい」
「じゃぁ、飲んだし聞いてくるよ!」
「ああ、俺ももうすぐ飲み終わるからすぐいくゎ」
「すいません。コップ返しますね。」
「おう、ありがとな!」
「それと相談なんですが10リットルくらい入る樽買ってきたらそこに一杯いれて貰って買うことできますか?」
「おう出来るぞ!というか樽売りもしてるからなん樽欲しいかいってくれたら売るぞ?だけど並んでくれよな!」
「あ、はい!」
そして、俺はアルクに断ってならび直しさっきがピークだったのか少し空いていたのですぐに順番がきた。
「お、さっきの坊主か」
「樽で買いたいのですが何リットルの樽がありますか?」
「うちには5リットルの樽と10リットルの樽それとフルーツを漬け込んだままで売る100リットルの樽があってそれぞれ樽込みの値段で5リットルが金貨1枚と銀貨5枚、10リットルが金貨2枚と銀貨8枚、100リットルが金貨26枚だ」
「そしたら10リットルのください!金貨2枚と銀貨8枚です!」
「毎度!次回その樽返してくれたら銀貨3枚返却かまた買うなら樽の分引いて売ってやるからな」
「ありがとうございます!」
俺は樽を貰いアイテムボックスへ入れた。
次飲むときは自分で氷作らないとなぁ。
「イヤー、金持ちめ!」
「いやいや金はそこまで持ってないよ。だけどお金が入ってくる予定があるから使えてるだけだから」
「そうか、まぁ今日は奢られてやるから沢山食べようぜ!」
「しょうがないなぁ。」
と、オレたちはいろいろ買い食いしながらいろいろ大人買いして回った。
「ふう、くったくった。そろそろ帰るか」
「だな。俺に用事があるときはギルドに伝言残しておいてくれ」
「了解」
「それじゃ、またな!」
「あぁ、また。」
俺たちはその場で別れて再会を約束して帰路に着いた。
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