第3話

3話






今俺は師匠と一緒に馬車に乗り移動している。

この馬車は夜営することが前提の乗り合い馬車で夜営具一式は貸してもらえるが持っているので借りないですむ。


このような貸し出しされる毛布などはいろいろな人が使っているのであまり衛生的とは言えない為よっぽどのことがない限りみんな寝具は持ち歩くようになっている。


だけど、俺も師匠も見た目武器すらもしまい(師匠から馬車に乗るとき武器は邪魔だし仕舞えといわれた)ほぼ手ぶらなため馬車の御者の人に心配されたが全てアイテムボックスに入っていると言うと羨ましがられた。


暇なので復習として師匠から聞いた依頼のことを思い出すことにした。


今回の依頼は王都から馬車で2日ほどいったところにある村から森に入り2時間ほど歩く所にダンジョンが出来たのでその内部調査をギルドマスターから指名依頼を出されたそうだ。


基本ダンジョンはそのダンジョンのある領地の領主の持ち物だがギルドはその領地で優先的に素材を処理することを条件にダンジョンの全権を委託されている。

勿論持ち主は領主なので委託料を払ってだが、それ以上に領地が潤うのではした金だと言われる額らしいのだが・・・


そして、今回のように新規のダンジョンは中のモンスターの傾向や深さなど未知数なことも多いのである程度潜りこれまでの傾向などの資料を元に難易度や侵入してもいい冒険者のランクを決め管理していく為に高位ランクの冒険者に依頼し情報をまとめるのだそうだ。


通常の系統別講座や基本講座なら座学と実技を織り混ぜてある程度になったら依頼を受けてみるなどを行い講習による依頼を受けないときはおのおの簡単な技能が必要ではないような依頼を受けて過ごす。

それでもだいたい3週間くらいの話でそこからは冒険者として他の系統の者たちとパーティーを組み、依頼をうけ週に1度決まった日に1年は講習を受ける義務が生じるのでそこで個々の腕をみがくそうだ。


まぁ、俺見たいに万能系は基本1年くらいマンツーマンで師匠に付きっきりになるのだけど・・・


やはり普通の冒険者とは違うなとしみじみ思ってしまうがその代わり万能系はパーティーを組むとき全てができるので重宝される。

しかも、基本的に万能系と言われる冒険者は最低でも各系統でCランクになれるだけの能力があるので総合的に単体でBランクは固いとされているからなおさらだ。


と、いろいろ考えていると


「カイル、そろそろ夜営の準備に入ると思うから降りる準備をしな」


「え?まだあかるいですよ」


「そりゃぁ、暗くなると準備が出来なくなるから早めに準備するんだよ。」


「へぇ、そうなんですね。」


「ほら止まった。というか学園へは馬車にのって村からでて来たのではないのか?」


そういえば俺は村から学校に行くのに父さんに連れられて移動したからあまり覚えてなかったなぁ。

そのうち会いに行かないとな。

在学中はお金が勿体なくて帰ってすらいなかったからしばらく手紙しか送ってないや。


そんなことを考えながら師匠の疑問に曖昧に答えた。


「あははは、俺父さんに連れられてなんとなく過ごしてたので改めて自分の意思で乗って認識が改められた感じです」


「ふむ、まぁ、いい降りるぞ」


「はい!」


因みに乗り合い馬車に乗っているのは俺たちの他に老人の夫婦と若い女性の二人組と護衛の冒険者が2人だ。

このように馬車には基本護衛の冒険者が乗り魔物から馬車を守る役目の依頼つまり護衛依頼がある。

だいたいは乗り合い馬車を出している商会と専属契約を結んだ冒険者達が行っており平均的にDランクが多く、あとは30代後半から50くらいまでのCランク冒険者が契約をしているようだ。

まぁ、決まったお金が入り街道というある程度安全な道での仕事で家庭をもつようになった人達や才能の限界を感じた人たちには人気の仕事である。

そこでうまくはまれば冒険者から商会の従業員として雇われることもあるそうだ。

勿論従業員としてヤトワレル時は護衛の冒険者達のまとめ役としてより安全で多くの報酬が支払われている。


また、乗り合い馬車の護衛でなぜそんなに実入りがいいかと言うと乗客から払われる乗車料金の他に国からも支援があるからに他ならない。

まぁ、いろいろ利権が絡むのであまり詳しくは知らないが・・・


因みに今回の料金は金貨2枚だ。

そう、以外と高いのだ。まぁ歩くと3倍ほど日数がかかるから妥当といえば妥当なのか?

なのでお金のない初心者は普通歩き立ったりする(逆に高位の冒険者は走る方が早いのでこれまた使われなくなるそうだ)が今回の依頼での移動費用はギルド持ちらしいので気にせず使っていたりする。


「さて、夕食の準備をするのに少し肉の調達でもしのいくか」


「え?今からですか?」


「ああ、少し気配を探ってみたら近くに猪が居るようなのでな。御者に一言いっていくぞ!」


「はい!」


「ちょっと近くに猪が居るようなので晩飯ようにとってくるよ」


「おーそれは嬉しい提案ですね!お願いします!」


「よお、姉ちゃんとそこな坊主だけだと武器もないのに危なくねぇか?もしあれなら俺もいってやっでいいぞ?勿論わかってるとおもうがなぁ?」


と、護衛の冒険者が嘲笑うかのようにのやつきながらそう言ってきたが・・・


「結構だ、こう見えてそれなりに強いからな」


と、いいながら師匠は収納系のスキルから双剣を取り出した。


そこでもう一人がなにか気がついたのか


「お、おい、たぶんあの人はSランクの万華だぞ」


「な、それは、す、すまねぇさっきのことは忘れてください。」


といい、さっさと離れていった。


「師匠はやはり有名なんですね。」


「伊達にSランクなんてしてないからね。さていくよ。それと武器は出しておきなよ」


「はい!」


そう指摘されあわてて槍をだした。


師匠について、森に入ると師匠からよし、索敵を行ってみろ!といわれた。


「まだどの能力でなにができるか把握出来ていないです。」


「ふむ、まぁ少し考えてみろ」


「はい!」


魔法はいま覚えてるものでは出来ないし、でもいまの状態で最高値だからまぁ、今後の才能も加味されてるけど何もできないということはないはず・・・


そういえば竜眼はあらゆるものを見抜くって説明されていたからもしかして何を見たいか意識したらこないだみたいな光って見えるみたいな曖昧な感じではなくなるのかな?


よし、竜眼!周りの気配を観る!


すると


「うわーすごい!」


「お、なにか掴んだようだな。」


「はい!竜の眼で世界を見たら景色が変わりました!」


「竜の眼か・・・、たしかに竜の眼は万物をみると言われているが」


万物をみるか・・・


たしかにいろいろ意識したらすべてが見れそうだけどまだ処理できないからいまは動物や魔物の気配を探ろう


見えた!あの猪だ!


「わかりました!あれは、ダッシュボアのようです!」


「ほう、種類までわかるのか。私では猪としかわからなかったからカイルは優秀だな!やはり竜の眼は万物を視るのか・・・」


なぜ姿をみて名前まで見えたかと言うと猪を発見してあれは名前とかなんだろ?と思ったら頭の中に鑑定結果が表示されたんだ。


種族名 ダッシュボア

猪系のEランクの魔物

得意な攻撃は走ってからの突撃

食用で癖はあるが上手い


竜眼は索敵に鑑定あとは“みる”ことに対していろいろできるのか。

これは能力の把握が急務かもしれない。


「師匠あと30秒もしたら姿が見えると思うのですがどうします?」


「そうだな、よし倒してみな」


「え!」


「大丈夫、死にはしないさ。やるだけやってみな。カイルだって戦ったことはあるだろ?」


「そりぁ、ウサギとかなら・・・」


「お、来たようだよ。」


「く、わかりました!」


よくみて、ここだ!


「うりゃ!」


俺は走ってくるダッシュボアの突撃をかわして横合いから槍に気力を纏わせて貫いたが


「わ、わわわとっとっと」


倒したのだけどダッシュボアの勢いで体制を崩してしまった。


しまらないなぁ・・・


「くく、すまんな笑ってしまった。がよくやった。できるじゃないか」


「はい!なんかレベルが上がったようで力がわいてきます!いままでこんな感覚はなかったのに・・・」


「それはおめでとう。力が湧く感じを感じるのは契約をしたことで強化される。割合がかなり増えたからだ。弱い契約だと契約後初めてのレベルアップでもそこまでカンジルことはない。まぁ、その湧く感覚もなんどか上がるとあまり気にならなくなるから初めだけのお楽しみだな。」


「そうなんですね。あ、血抜きしないと解体しないといけないので一度アイテムボックスにしまいますね。」


「あ、ああ。しまうのはなんでだ?」


「あれ?師匠のアイテムボックスは自動で解体出来ないのですか?」


「出来ないぞ普通は、そうかそういうことができるからこその最高値か!羨ましいくらい便利だな!それなら収納して解体を頼むな。」


「はい!」


俺と師匠はダッシュボアを回収して夜営地へと戻った。


「御者さん、これ解体してきたダッシュボアの肉です!」


肉は森に自生していた殺菌効果のある大きな葉で包んで渡した。


「おーありがとう。そこに置いておいてください。肉を焼いてスープに入れる特性スープを作るので楽しみにしててくださいね!」


ほう、焼いた肉をつかったスープかぁ。

たのしみだなぁ。


「カイルステータスを今のうちに確認しておきな」


「はい!でも他の手伝いはいいのでしょうか?」


「それはもう大丈夫だろ。あとは御者が飯を作りおのおの寝る準備をするだけだしな。」


「ですか。それでは少し確認します。」


「あぁ」


名前:カイル

年齢:15歳

職業:Fランク冒険者

Lv7


HP:1120(1050)


力:165(152)

頑強:144(131)

敏捷:137(123)

知力:111(101)

魔力:89(83)

気力:89(83)


契約獣

グラディオスドラゴンカイザー


固有スキル

【竜化】【竜言語魔法】【竜眼】【アイテムボックス】【才能】


スキル

【槍術】【身体強化】


称号

世界最高の万能者




【槍術】

熟練度17% (2%UP)


【身体強化】

熟練度11%(1%UP)


【竜化】

熟練度0%


【竜言語魔法】

熟練度0%




「師匠少し質問していいですか?」


「なんだ?」


「能力の上昇値って増えることあるんですか?」


「ん、あるぞ私なら10レベルに1回くらいでな」


「そうなんですね。」


「なんだ、上がったのか?」


「はい。すべての上昇値が1~3くらいですがHPは50上がっています。」


「ふむ、なんレベルになったんだ?」


「7レベルです。」


「んー?次のレベルが上がってみないとわからないけどもしかしたら・・・」


「なんですか?」


「いや、気にするな。またレベルがあがったら教えてくれ」


「わかりました!」


「さて、皆さん夕御飯ができましたよ。」


御者さんが夕飯が出来たとみんなをよんだ。


「皆さん入れ物をもってきてぐたさい。よそいますので、具の方はそこのお客様がダッシュボアを取ってきてくださったので肉たっぷりですよ!」


「おいしそうだね!」


「そうね。」


「ダッシュボアなんて久々ねおじいさん」


「そうだの。」


などと他の乗客がおのおのいいながらスープを受け取りさらに足りなければパンなども食べていく。


俺と師匠はスープとパンを食べ少し物足りなかったので肉を焼いて味付けして食べた。


「ふう、食べた。食べた。」


「さぁ、見張りの順番決めるぞ」


「護衛の冒険者がやるんじゃ?」


「こういうときは護衛もやるが護衛は一番辛い時間帯に、やって朝方とかはじめの方などまとまった睡眠時間を取れる時間帯は乗客でやるんだ。ただ、今回は女性や、老人が多いから護衛の冒険者がどちらかが時間をずらして見張りの時間を長くすることでカバーするんだ。まぁ御者もいるから大丈夫だとおもうがな」


「へぇ、いろいろあるんですね。」


「そうだな。とりあえず私が見張りの時間帯を決めてくるから待っていな」


「はい。」


しばらく待っていると師匠が戻ってきた。


「決まったぞ、御者とおじいさんが最初の見張りで冒険者の二人が補助で常に3人で見張りをするそうだでそのあと冒険者二人が見張りで最後は私とカイルだな。」


「わかりました!」


「さて、寝るぞ」


「はい!」


なかなか寝付けないかと思ったけど疲れていたのがすぐに眠気がきて眠った。


「おい、交代だ。」


「ん?うーん。はい!」


「お、起きたな。頼んだぞ。あー眠っ」


「さて、見張りをするよ」


「はい!」


師匠からいろいろな冒険の話を聞かせてもらっているときそれは現れた。


「師匠!」


「あぁ、きたな。」


「起こしますか?」


「いや、寝かせてやれこのくらいなら問題はないだろ」


「俺はどうしたら?」


「そうだな。ゴブリンが5匹だから一人でやってみるか?」


「は、はい!」


「大丈夫だ。お前のいまのステータスなら倒せる」


「抜かれたら倒してやるからやってみろ」


「わかりました!」


俺は槍を構え身体強化を行い来るのをまった。

それにしても身体強化をしたら前なら気力が半分は使っていたからすぐに戦えなくなったけど今なら10分は戦えそうだ。


そして、ゴブリンがでてきた。

ゴブリンは緑色の肌に小柄な体格でこしに布を巻いたすがただ。


竜眼でみてみると、


種族名 ゴブリン

小鬼系のEランクの魔物

集団で行動しその数により驚異度は変わる

上位種がいる場合は連携をとる為驚異度ははね上がる。

また、他種族とも交配が可能で雌ならすべてが生殖対象である。

肉は食えたものではないが肥料にすると作物が何故かよく育つ。


ふむ、


「集団相手ではまとめて倒さないなら1対1となるように立ち回れ」


「はい!」


ゴブリンの様子をみると木の棒を持っている者しかおらず動きも遅いためしっかりと見極めれば大丈夫そうだ。


また、竜眼で全体をみてどう戦うか考えていると道筋のようなものが写ったのでその通りに進んでみると1対目のゴブリンに相対した時周りに他のゴブリンから襲われない位置だと理解できた。


これは、倒す順番に道が見えるのか!


俺はその道に従い順番に倒すことが出来た。


「ふぅ」


「おー、良くやったなカイル!」


「竜眼でどう進めばいいのかわかったので参考になりました!」


「そうかいいスキルだな。」


そのあとは特になにもなく朝を迎えた。

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