第2話

2話






翌朝俺はいつも起きている時間より少し遅く起きたようで時計をみると朝の7時となってる。


いつもなら6時には起きているのだけど引っ越しやなんやらで疲れていたらしい。


さて、洗面所で顔を洗い身支度をしたらトイレを済ませ食堂へと向かった。


「おはようございます。」


「あら、カイルくんおはよう」


あぁ、ミーナさんの笑顔がまぶしい・・・


「朝食をお願いします。」


「ちょっと待っててね。」


「はい!」


しばらくするとミーナさんが朝食を持ってきた。


「はい、どうぞ今日の朝食は焼きたてのパンとカボチャのポタージュスープにオーク肉のソーセージよ。パンは朝は好きなだけ食べていいからね?」


「うわ美味しそう!さっそくいただきますね!」


「ゆっくり食べてねー」


ヤバいソーセージが長さ20センチくらいで太さが直径3センチはあるものが3本も!


これだけでかなりの量だがとりあえず一本はそのまま食べるか!


パリ!


「うっま!あ、すいません」


思わず叫んでしまい恥ずかしいけどうますぎる!

レモンの香りと塩胡椒がきいたジューシーなソーセージとか何本でも行けそうだ!

そのまま1本を平らげていると


「おう、坊主新入りか?」


「あ、はい!昨日からとまっています。」


「そうかそうか!このソーセージ旨いだろ?パンに挟んでそこにおいてあるケチャップかけて食べてみろもっとうまいからよ!俺はもうたべたからいくがまたあったらよろしくな!」


「は、はい!」


なんか最初いきなり話しかけられてびっくりしたけどいい人そうだったし食べ方も教えてくれたみたいだしさっそく言われた食べ方を実践してみると・・・


「うっま!あ、すいません・・・」


「うふふふ、カイルくんうちのソーセージとっても気に入ってくれたみたいで嬉しいわ。お父さんの特性ソーセージなのよ!」


「昨日の夜食べたステーキも美味しかったですがこのソーセージは別格ですね!」


「良かった!さ、冷めないうちにたべてね!」


そのあとパンをおかわりしてもう一つソーセージを挟んで食べた。


「はぁ、うまかった。朝から食べ過ぎて腹が苦しいけど美味しかったなぁ。さて、ギルドにでも顔をだしに行こうかな?」


俺は部屋へと戻りアイテムボックスから装備を出して防具と槍を取り出した。

この槍昨日は気にしなかったけど気を込めると強度がかなり上がり汚れもつかないみたいだけど気の消費が激しくて今の俺だと10分も持たないけどレベルが上がればかなり改善されると思う。


いまの持続時間は数値1あたり1分のようだけど込める量を増やすとその限りでは無さそうだけどかなりいい槍には間違いないと思う。


準備も終わりギルドへと向かい中へと入った。


「んと、あ、昨日の受付がすいてるかな?まぁどこも並んでるけど・・・」


俺は昨日と同じ受付嬢さんの列にならびしばらく待っていると自分の順番になった。


「あら、カイル様ようこそ。本日は担当の件ですよね?」


「はい!そうです!それにしても覚えていてくれたんですね!」


「優秀な新人さんなので覚えますよ!」


「優秀だなんて」


「正直昨日は新規登録が多い日でしたがカイル様はダントツの才能でしたから有望株として職員一同期待していますよ。」


「照れます」


「うふふ、さてそれでは本題ですが昨日の今日ですが実は担当の教官役を引き受けて頂けたかたが決まりました。まだそのあたりにいると思うのでついてきてください。後ろの方々はしばらくおまちください。」


後ろの人たちへの呼び掛けをしたあと目当ての人物を探す受付嬢さんを少し離れたところからみているとどうやら見つけたようでこちらに誰かを連れて戻ってきた。


「御待たせしました。」


「いえ、わざわざありがとうございます。」


「へぇ、この坊主が例の子かい?」


「はい、そうです。ご紹介いたしますね。こちらは昨日の話した万能系契約者のカイル様です。」


「カイルです。よろしくお願いします!」


「カイルくんか、私はSランク冒険者のパノラだよ。」


「カイル様こちらは万華の二つ名をもつ万能系契約者の方です。現在この王都にいる万能系の方で間違いなく一番の方で王国でも数えるくらいしかいないSランク冒険者が受けてくださいました。良かったですね。」


二つ名持ち!

そんな人に教えて貰えるなんて!


「あの、改めてよろしくお願いします!」


「あぁ、よろしく頼むよ」


「はい!」


パノラさんかぁ、身長は170センチ程で俺が175センチなので少し低いくらいなのだけどスタイルが抜群でいろいろ目のやり場に困るスタイルだ。


そして、髪はオレンジ色で長めのようで後ろで三つ編みにした髪をお団子にして止めているようだ。

顔立ちは野性的な美人である。


装備は革の鎧を装備している。武器はなんだろう?


「ふむ、じゃぁカイルは私についてきな。ちょっとそこの部屋借りるよ」


「はい。それでは私は戻りますのでよろしくお願いいたします。」


「よし、行くよ」


「はい!」


俺はパノラさんについて借りた部屋へと入った。


「さて、改めてパノラだ。まぁしばらくカイルお前の面倒をみることになった。通常基礎と各系統の講習を全て受けようと思うと数年はかかる。」


「一つの系統ごとに結構時間がかかるのですね。」


「そうさね、基礎と違って系統別は人数を絞り複数の班にわけ詳しく行い最低限役割をこなせるようにするからだが、万能系は全てをこなせるためにソロになることが多いのだ。


だが普通は得意不得意はある程度はあるから全てが均一とは行かずどれか一つが飛び抜けていたりするがカイル君は全てが最高値と聞いている。その才能を魅せてくれよ?」


「はい!ところでパノラさんのことはなんと呼べばいいですか?」


「好きに呼んだらいい」


「それではパノラ師匠と呼ばせて頂きます。」


「し、師匠か。わ、わかった。」


あ、師匠って呼ばれて照れてる?ちょっと可愛いかも


「んっ、うん。さてまず私も万能系だが一番得意なのは物理系と斥候系で魔法系と運搬系がそれの次で採取系は一番苦手だ。まぁ苦手といってもこれは性格的なもので適正的には魔法や運搬と変わらないのだがな。」


「へぇ、そうなんですね。万能系だと全て平均的になるものとばかり思っていました。」


「いや、むしろ平均になるものは珍しいんだ。カイルのように全てが最高値になるのは理論的にはあり得るがそうなるにはかなり高位の召喚獣にアストラル体の大半を・・・」


「はい、そうですね。俺の召喚獣は最高位のドラゴンでした。それに首から下全てを食べられました。」


「そうなのか、私を信じて明かしてくれたのはいいが普通は明かすなよ?」


「あ、はい!」


「契約した種族を明かすことは手の内をばらすことに繋がるからな。まぁ万能系だと関係ないがな!

それと先程のつづきだが、平均になるものは確かにいるのだがほとんどは低い適正値で平均となってしまい器用貧乏になるものがほとんどだがその場合冒険者ではやっていくのは大変だが商人などならそれなりになれるようだ。」


「そしたら、万能系で冒険者って少ないのですか?」


「そうさな。まぁ、その代わり万能系で冒険者になるものはだいたい最終的にはソロでBランク以上きはなるからギルドからの期待は大きい。

因みにだが冒険者の多くはCランクで生涯を終える。なぜだかわかるか?」


「CとBとで大きな壁があるのですか?」


「そう、大きな才能と言う壁がある。Cランクまでは努力したらなれるがBに上がるには卓越した戦闘力や特殊な技能が必要だからな。」


「卓越した戦闘力ってどのくらいですか?」


「まぁ、ドラゴンは無理でもワイバーンくらいならソロで倒せるくらいだな。

まぁ、あとはギルドの専属となり高い技術をもつものとかだな。

ただしそれは個人のランクであってパーティーでBとなる者たちはそれなりにいる。」


「パーティーでBとは複数人いればワイバーンくらいなら討伐できると言うことですか?」


「そういうことだ。あとはまぁ、その中の一人が卓越した者がいると連携によってはさらに上位になるものたちもいる。」


「でも、そうなったら個人の力が大きくなるなら昇格もあるのではないですか?」


「まぁ、ポイント的には試験を受ける資格はあってもまず受からないからBランク一人か二人に残りはCランク三人とか四人でAランクパーティーとかになる。

まぁ、私たちのようなのは他と能力がかけ離れすぎているからパーティーを組むと周りが危険になるから組むのは不味かったりするからソロになることが多いのだけどな。」


「ああ、そうなんですね。そっかパーティー組むのはたいへんなのか・・・」


「どうした?パーティー組むのが夢だったか?」


「えっと、はい・・・」


「まぁ、組めなくはないぞ同じくらい才能のあるものたちで組めばいい。まぁなかなか難しいがな。しばらくは私とパーティーを組むのだからそれで満足していろ」


「はい!」


「さて、ここからはカイルの育成方針だが基本は私と一緒に依頼を受けてそこで実践メインでやっていくぞ。

どうせカイルのレベルアップにおける能力の上昇値はかなり高いのだろうからな」


「そうですね、10倍は最低ありますねたぶん」


「そうか、それなら私まうかうかしたいられないな!私でも高いもので7倍あるかないかだからな!」


なんか師匠がとても楽しそうにそういった。


「それでいつから依頼を受けるのですか?」


「それなんだかな。今日はもうすぐお昼になるからまずは飯を食べてそこでゆっくりしながら話そうか。」


「はい!」


「昼はギルドに併設されてる酒場でいいか?」


「はい!」


「よし、それではついてきな」


そう言われ俺は師匠について、初めてギルドの酒場へと入り空いてる席についた。


「すいません、こいつにはこれとこれ、私にはこれとそれとワインであ、そいつには果実水を頼む」


「あの師匠?」


「あぁ、わるいな勝手に決めたが私のおすすめを食べさせたくてな。」


「いえ、そうではなく」


「なんだ?」


「俺あまりお金なくて・・・」


「あぁ、そんなことか気にするな。飯くらいは一緒にいる間は食べさせてやる。」


「でも。わるいでよ。」


「んー、そしたら、カイルが成長して稼ぐようになったら私と食べるときは奢ってくれるか?」


「はい!」


「ふふふ、いいこだ。」


そんな、笑顔を向けられたら・・・


「ところでし、」


「御待たせしました。こちらがオークの香草焼きとサンドイッチと果実水でこちらがミノタウロスの角切りステーキとスープとパンのセットとワインです。」


「さぁ、たべるぞ!」


「はい」


師匠オススメのオークの香草焼きもサンドイッチもとっても美味しくまた食べたい味だった。


そして、食べていると。


「さて、先程のなにか聞きたかったのだろ?言ってみろ」


「はい、あの、依頼はどうするのですか?」


「それはな、少し聞くが今から少し遠出をする準備は出来るか?」


「はい、一応アイテムボックスの中には調理器具一式と保存食た生野菜などの食料品に水は1樽と寝具に外套など入っています。」


「ふむ、夜営をするのに問題は無さそうだな。あとはテントは?」


「夜営だと魔物とかの襲撃があるかもしれないのでテントは使わない方がいいと思うのですが」


「ああ、そうかわかった。一応言うとなそれは一般的にはだ。高位の冒険者やお金を持っている者たちは結界を張る魔道具を持っているからよほど高位の魔物が出るエリア以外なら結界を張ってテントを張り交代で寝る感じだ。」


「へえ、そうなんですね。」


「まぁ、今回は普通を勉強するために使わないがな!」


「そしたら、どんな依頼を受けるのですか?」


「いや、もう受けてあって私の指名依頼についてこい。」


「それ、かなりの難易度じゃ・・・」


「まぁ、なんとなくカイルなら大丈夫な気がするから着くまでにレベルも上げて能力の底上げをしたら大丈夫だと思うぞ。


そもそも私のレベルの7割くらいあれば能力でいえば同等になるんだから自分の才能を信じろ!」


「わかりました!」


「それじゃぁ、詳しい内容を話したら出発するぞ」


「はい!そういえばパーティー登録とかするのですか?」


「ん?あぁ、新人育成期間は師弟システムで自然とパーティー扱いになっているからわざわざ言いにいかなくても処理されている。」


「わかりました!」


こうして、俺はしばらく質問しながら師匠から依頼の内容を聞くのだった。


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