第3話 脱陰キャ作戦

 チャットアプリは、完全に私のイメージで構築したものなので、本物とはかなり違うかもしれませんが、そこはつっこまないでいただけると幸いです……。

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 さて、10分後。


「はっ! こ、この人と会話してみようかな……? 何となく、この人とならいける気がする……」


 数々のユーザーから自分で話してみたい人を見つけて会話に発展させるのだが、俺はある人に釘付けになっていた。


 なんでも、趣味が一致したのだ。


「よ、よし! この人と会話してみよう……。えっと……こ、こんにちは」


『こんにちは』と、とりあえず打ち込んでみる。たまたま相手も開いていたのか、すぐに返事が返ってきた。


『どうも~! 初めまして、ですね!』


「しまった、初めましてだったか。ま、間違えた……」


 いきなりこんにちは、なんて言っちゃいけないんだな。よし、気を取り直して……。


『初めまして。プロフィールを見させてもらったのですが、ラノベがお好きなんですか? 僕も好きなんですよ』


 そう、共通の趣味とは、ラノベだった。


 あれは、ちょうど由愛と疎遠になり始めた時だった。中学帰りの本屋で、たまたま幼馴染がヒロインのラノベを見つけて買ってしまったのがすべての始まりだった。そこからラノベの世界にはまっていって、今では部屋の中にいろんなジャンルのラノベが置いてある。


『へぇ! そうなんですか! ちなみにどんなものを?』


『えっとですね……』


 なんとその人とは好きなラノベまで一緒のものがあった。相当趣味があっているらしい。俺はなんだか嬉しくなって、パソコンに打ち込む手がどんどん早くなっていった。人と話すことの楽しさが分かったような気がした。


『俺、このアプリに君以外にもラノベ好きな人と話してるからさ、その人たち紹介してあげるよ! きっと話が合うと思うよ~』


 なんとありがたい! 一人じゃなくて、いろんな人と会話しないととは思っていたが、まさかこんなにも早くここまで到達できるなんて!


『ありがとうございます! 是非お願いします!』


『あいよ~。ちょっと待ってね~』


 それからその人は、ラノベつながりだという4人の人を紹介してくれた。一人一人に挨拶をしてみる。もちろん今回は、ちゃんと『初めまして』だ。


 五分もしないうちに全員から返信が来た。恐ろしいほどに皆さん返すのが早い。常時ログインしているのだろうか?


 4人ともすごく気の合いそうな人たちで、俺も会話がとても弾んだ。しかも話す内容はラノベにはとどまらず、軽い世間話なんかをする人もいる。


 チャットアプリを使い始めて一週間。俺は一つの挑戦をしてみることにした。それは……、


「このアプリを使ってる、女の人とも話してみよう……!」


 由愛と昔のように喋れるようになるためには、女の人との会話にも慣れておかないと!


 俺は早速、女の人のプロフィールを探し始めた。





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書くタイミングがなかったのでここで。

ラノベ好きな人たちは、全員男の設定です。

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