第5日 最強
ケホケホ。砂ぼこりがまっている。(どうなったの?)ヒウは視界が悪く見えにくい。砂埃が薄くなってきた。ヒニチが立ち何かで身を守るシルエットが浮かぶ。(よかった。間に合ってるっぽい。鉄板で防いだのか・・・)が、突然ヒニチのシルエットは地面に倒れた。(え・・・?倒れた・・・?間に合ったんじゃ・・)砂埃が消えて視界が晴れた。そして、ヒウの目が丸くなった。(うそ・・・間に合ってる、、間に合ってるけど、、、、、アイスピックが鉄板を突き破っている)鉄板には無数の穴が開いていた。
ヒウはごくっと喉を鳴らした。そこに、カゲツがよろよろで血を吐きながらも体を起こした。
「次はお前だ」
カゲツは死の宣告を告げた。ヒウは死をさとり崩れ落ちた。カゲツはヒウに手を突き出す。ヒウは涙目になっている。そんなとき、なぜだかヒウのお尻がもぞもぞした。ヒウは慌てて、お尻に目をむけてみる。
そこには、ヒニチになついていたツチノコが先ほどお礼のために作った煙幕弾を咥えていた。一気に希望の光が差し込んだ。カゲツの殺気でもうアイスピックは出来上がっていた。やばい。ヒウはあわててそれをポイとなげた。
BANと音を鳴らし煙があたりを包む。そして、煙が消えたころにはそこにはカゲツしかいなかった。
「逃げられたか」
カゲツは歯をギリとならし、いった。
ハアハア。森を抜け、水辺のほうでヒニチを横に仰向けにしてヒウは倒れこんだ。地面は砂浜であり、ヒウの瞳孔のような形のしたなにかが転がっている。
「あのダメージでここまでは来れないでしょう。」
ツチノコがヒニチの腹のうえで眠り始めた。このツチノコもヒウにとっては恩人、いや、恩ツチノコだ。
「わりー、助かった。」
ヒニチが小さな声で言った。波が寄せるざーっざーっという音にかき消されそうだった。別に礼を言いたくないわけではない。それほどの傷を負っているのだ。そしてそのまま問を投げる。
「一つ聞いていいか?」
「はい、なんですか?」
ヒウは一生懸命酸素を取り込もうとしながら答える。
「なんであんな簡単に俺の鉄板は突き破られたんだ?」
「おそらく、込められた殺気の差だと思われます。」
間発入れずにヒウは答えた。そして、ヒニチが急に笑っていった。力なくヒニチは言う。
「はは、差かーー。じゃあ、俺の完敗だな。・・・・・・・・・・・・・・決めたよ、俺は地獄でてっぺんを取ってやる。」
ヒウは言葉が出せず、沈黙が流れた。そしてまたもヒニチが満面の笑みで口を開いた。
「へへっ、チョーおもしろいな。」
ヒニチは
地獄の日日(ヒニチ) バル @baru0908
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。地獄の日日(ヒニチ)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます