第303話 ミオのスキー教室 下

 つつがなく進むスキー教室。


 あたしも、普段はやることがあるんで、こういうのは本当に休まる。


 イオと一緒、ってのがまたいい。

 そんなイオだが、実はその周囲がちょいと怪しい雰囲気なんだ。


「……ふむ。これはあれか。告白しようとしてるのか? イオに」


 今まさに告白に動こうとしているガキどもがいた。


 男女関係なくな。


 あいつ、やっぱり同性にもモテてるのか。まあ、元々男で、今の身体能力やらなんやらがあると考えると、女があいつを好きになっても不思議じゃない。さぞ、男よりもカッコよく目に映ることだろう。


 時たま、カッコいいことするしな、あいつ。


 まあそれはともかくとして、現在は二日目で、適当に滑っている。


 イオは楽しく、ミカたちと談笑しているな。次はどうする、とか、誰が先に行く、みたいな感じってところだな。


 んで? その周囲には、今か今かと待ちわびているガキども、か。


 普段と違う状況だから、もしかすれば成功するかも……! とか思ってるんだろうな、あの表情なら。


 まあ、無理だろ。だって、あいつだし。


 そもそも、イオが誰かと付き合うとか、全く想像できん。


 想像できるとしたら……ミカたちのグループの奴らくらいだな。


 それに、一番仲がいいのは、見たところミカのようだしな。ミカなら、可能性はあるだろう。少なくとも、告れば付き合いそうではある。


 無自覚で他人を堕としてるからな、あいつ。


 例えば、隣の席の奴が消しゴムを落とした時に、


『あ、落としたよ? はい、どうぞ(にっこり)』


 と言えば、


『ぐはっ!』


 みたいな感じで、隣の席の男は堕ちる。


 まあ、実際にあったしな、これ。


 あいつの笑顔は、マジで魅力的だし、超が付くほど可愛い。それは認める。というか、認めない以外にない。


 そのほかだと、体育の時間。とある女子生徒が転んで、膝を擦りむいた時。


『大丈夫? ちょっと待ってね……はい、これで大丈夫だよ(にっこり)』


 どこからともなく取り出した、消毒液で消毒し、同じくどこからともなく取り出した絆創膏で傷口を塞いだ後に、笑顔でそう言えば、


『おうふっ!』


 顔真っ赤にして、そんな感じで女子生徒は堕ちる。

 女子力半端ない。

 それに、手際もいいしな。


 あいつほど魅力的な奴を、あたしは知らん。可愛くて、優しくて、恥ずかしがり屋で、家庭的な女などな。


 まあ、他にも色々と属性を持っているが……あいつの場合、何を持っていても不思議じゃないしな。むしろ、当然と言うか、な? そんな気さえするんだ。


 他にも、作って来た菓子を手渡したり、困っていたら何でもないかのように助けたり、体育の授業で普通に身体能力を発揮して、こっちの世界基準で言うカッコいいことをしたりな。


 ……やばいな。あいつ、モテる要素しかなくない?


 あれが暗殺者、ってのも、面白い所だよな。


 そんな風に見えないがな、普通の奴からすりゃ。


 だが、わかる奴は、あいつが放つ暗殺者特有の雰囲気に気づくだろうな。


 ……というか、あいつマジで怒ると怖いんだよなぁ。あたしの方が強いとわかっているのに、あいつが怒った時はまるで反論できないんだよ。


 なんか、怖い。


 笑顔で怒るんだぞ? あいつ。


 にっこり微笑んでるはずなのに、まったく笑顔を感じられないんだぞ? にこやかなのは、口元だけであって、目は全く笑ってないし。


 ……思い出しただけで、ちょっとぶるっちまう。


 思い出すのはよそう。


『ミオ先生』

「ん、なんだ?」


 遠巻きにイオたちを見ていたら、何やら女子生徒に話しかけられた。


『え、えっと、す、滑り方を教えてほしいなぁーって思って……』

「いいぞ。と言っても、あたしのは我流だが、いいのか?」

『はいっ! ミオ先生の滑り方、カッコよくて……それで』

「ほう、いいこと言うな。どれ、あたしが教えてやろう」


 なんて言ったら、


『先生、私も教えてください!』

『俺も!』

『わたしも!』


 と、なんか多くの生徒に教えてほしいと言われた。


 お、おー、あたし大人気。


 ……なのかはしらんが。


 だが、こういう風にガキどもに慕われるって言うのは、いいものだな。


「よーし、ガキども、あたしが直々に教えてやろう!」


 まあ、そうなった。



 あの後は、軽くガキどもにあたしの滑走法を教えた。


 なかなかに苦戦はしていたが、筋がいい奴もいた。ふむ。鍛えるのもよさそうな人材がいるな。いい感じだ。


 まあ、さすがにこっちでは教えたりはしないけどな。


 しても、護身術程度になるだろうな。


 まあ、護身術って言っても、躊躇なく急所を狙うように師事するだけだけだが。


 基本、頸動脈、鼻、鳩尾、脛、この辺を攻撃しておけば、大抵逃げられるしな。まあ、相手が男だったら、男の絶対的な弱点を潰せばOKだ。


 そんな感じで、二日目の午前が過ぎていく。


 まあ、ブライズはいないし、問題ないけどな。

 少なくとも、半径五十キロ圏内に反応はない。

 ならば、何の問題もない。


 まあ、近づいてきたら、即座に浄化するけどな。



 午前中、あたしが滑走法を教えている間に、メイが暴走し、コースから大きく外れて突っ込んで行っちまったのを、イオが大慌てで追いかけていった。


 まあ、イオが追いかけていったのなら、問題ないだろう。

 ひょっこり戻ってくるはずだ。



 しばらく待つと、昼前には帰って来た。


 どうやら、無事だったようだ。


 まあ、イオが付いていて、無事じゃなかったら、あたしがぶっ飛ばしてるところだ。


 と言っても、こっちの世界ではそんなに危機的状況になることはないだろうしな。


 他の奴らと合流したイオたちは、再びスノボに戻っていった。



 昼飯の時間になり、あたしはイオたちの所へ行く。


「飯、ちゃんと食べてるか?」

「はい、食べてますよ」

「そうか。それならいい。ところで、お前たちは午後、何かする予定でもあるのか?」


 どうせ、暇だしな。

 とりあえず、聞くだけ聞いてみるとしよう。


「いえ、特にはないですけど……」

「なら、雪合戦でもするか?」


 ないのなら、雪合戦でも、とイオたちに提案する。


「お、いいですね」

「私は賛成」

「わたしもー」

「俺も」

「じゃあ、ボクも」

「よし、決まりだな。たしか、自由行動用に開放されたエリアがあるから、そこでやるか」

「ですね」


 全員異論はないようで、あたしらは自由行動用のエリアへ、食後に行くことになった。



「お、あの辺りが空いているな。あそこでやるぞ」


 というわけで、エリアに移動した。

 ちょうど開けた場所があるので、そこへ向かう。


「んで、ルールはどうするか」

「そうだなぁ……二回当たったら脱落、というのは?」


 ルールをどうするかと言うと、メイがそう提案して来た。

 ふむ。悪くないな


「それでいいか。チーム分けは……まあ、とりあえず、私一人でいい。五人まとめてかかってきな」

「……え、だ、大丈夫なんですか?」


 ミカがそう尋ねてくるが、あたしを誰だと思っているんだ。


「問題ない。よし、やるぞ」


 そう言うと、五人は若干微妙な顔をした後、散った。


「はい、まずは一人」

「ぶげら!?」


 開始と同時に、一発タイトに向かってぶん投げると、綺麗に吹っ飛んでいった。


「「「!?」」」


 突然のことに、ミカ、アキラ、メイの三人が驚き固まる。


「ぼけっとしてると、死ぬぞ」

「ぐはっ」


 続いて、固まっていたアキラに対し、雪玉を投げ、吹っ飛ばした。


「な、何今の!?」

「ちょっ、何が起こったのか何もわからないんだけど!」


 開始早々、二人吹っ飛んだことで、ミカとメイの二人が慌てる。

 ふふふ、面白いな。


「い、依桜、今の何?」

「……とんでもない速度で雪玉を投げてるだけ」

「あの速度で投げたら、雪玉って砕けるわよね?」

「……相当圧縮してるね、あれ。それこそ、隙間がないくらいに」

「ミオさん、やばいわね……」

「いや、うん。そもそも、誰も勝てないよ、師匠には」

「ふんっ!」


 話すだけで何もしない馬鹿弟子に、思いっきり雪玉を投げる。


「うわわ! し、師匠、いきなり投げてこないでくださいよぉ!」


 ほほう。不意打ちでも躱したか。さすがだな、愛弟子。


「何を言っている。これは勝負だぞ? どこに、投げる合図をする馬鹿がいるんだ」

「いや、そうですけど! せめて、手加減くらいはしてくださいよ!」

「知らん! だが、ミカとメイは可哀そうなんで、手加減をしてやろう」


 一応は、一般人だしな。

 イオに手加減はいらんがな、当然。


「「ほっ……」」

「まあ、だからといって倒すことに変わりはない」

「「へ?」」

「「わぷっ!?」」


 手加減した雪玉で、二人の顔面目掛けて雪玉を投げた。

 ふっ、他愛もない。


「ほれ、イオいくぞ」


 雪玉を圧縮し、思いっきりぶん投げる。


 その玉は、イオの顔面をすれすれで通過し、背後にあった木に衝突すると、そのままへし折った。


 脆い木だな。


「え、えー……」


 そんな木の状況を見て、イオがドン引きしたような声を漏らす。


「師匠、何したんですか!」

「何って……超圧縮して、ただ力任せに投げただけだぞ?」


 そんな怒ったように言われてもなぁ……普通に今言った通りのことしかしてないし。


「普通の人は、雪玉で木を折ることはできません!」

「いや、こんなのあたしからしたら簡単なものだぞ?」

「それは師匠の常識です!」

「うるさいな……とりあえず、お前も攻撃して来いよ」


 会話だけしていても意味はない。


 こういうのは、お互い本気でやるからこそ、修行になるのだ。口を動かすのではなく、体を動かせ。


「わかりましたよ……えいっ!」


 可愛らしい掛け声とともに放たれた雪玉は、可愛くない速度で飛来してきたが……


「ほう、いい球だ。だが……甘いわ!」


 パァンッ!


 あたしが拳を突きだすと、手に直撃する前に弾け飛んだ。


「し、師匠、何したんですか……?」

「拳を突き出した時の風圧で壊した」

「……人間業じゃないです、師匠」

「そうか? 限界を超えれば、誰だってできるぞ?」


 というか、イオでもできるだろ。

 少なくとも、『身体強化』をかければ、余裕で。


「まあいい。ほれ、行くぞー。オラオラ!」


 高速で雪玉を投げまくる。


「し、師匠多いですよ!?」


 知らん! フハハハハハ! 楽しいなこれ!


 ドドドドドドドドドッ! という音を鳴らしながら、大量の雪玉を投げまくる。


 やはり、『武器生成』は便利だな!


 雪玉すら生成できるんだから。


 人力マシンガンは楽しい!


『な、なんだ!? って、うわぁあ!?』

『な、なにあ――きゃああああああ!』


 そして、その場にいた他の生徒たちにも、被害を出し始めた。

 はっはっは! 避けろ避けろ!



「ハハハハハ! どうしたどうしたガキども! このままだと死んじまうぞ!」

『うわああああああああ!』

『きゃああああああああ!』


 ひたすらに雪玉を生成し、投げまくる。


 辺り一帯を、雪玉が衝突することで発生した雪煙が、白く染める。


 地を這うように、ガキどもが逃げる逃げる。


 イオは上手く体を動かして回避しているな。よしよし、ちゃんと教えた通りの身のこなしは出来ているな。


「ふははははは! ガキども、攻撃して来い!」

『く、くそ、こうなったら反撃だ! 皆行くぞ!』

『『『おー!』』』


 さすがに状況を打破しようと、一人の男子生徒が立ち上がり、あたし一人に対し、生徒数十人規模の雪合戦が開始した。



「ふっ、やはり、まだまだ甘いな、ガキども」

『か、勝てねぇ……』

『強すぎるだろ、ミオ先生……』

『かっこいいけど、これは辛い……』

『依桜ちゃんの師匠って聞いたけど、よく耐えられてたね……』


 そう言いながら、ガキどもが地面に倒れ伏した。


 中には光るものがある奴がいたが、まだまだだな。

 鍛えれば、それなりの者になりそうだ。


「はぁっ……はぁっ……!」

「どうした、もう終わりか?」

「ま、まだまだ、ですっ……!」

「よーし、いい心意気だ! なら……沈めぇ!」


 さらに速いスピードで雪玉を投げる。

 それに合わせて、イオが雪玉を避け続ける。


 そんな状態が、数十分くらい続き……


「か、勝てない……」


 そう呟いて、イオが倒れた。


 まだまだだが、まあ及第点ってところだろう。


 ……このまま寝かすのは可哀そうだな。


 他の奴はとっくに気が付いて、遠巻きに見てるみたいだし、まあ、いいだろう。

 ご褒美ってことで。



「ん、ぅ……はれぇ……?」

「お、起きたか、弟子」


 しばらくすると、イオが目を覚ました。


「おはようさん」

「って、ししししし師匠!?」

「おいおい、せっかくあたしが膝枕してやったというのに……なんだ、嫌だったか?」


 あたしがしていることに気づくなり、イオは大慌て。

 正直、嫌とか言われたマジ凹むぞ?

 ちなみに今は、近くのベンチに、あたしの足を枕にし、イオを寝かせていたところだ。


「そ、そう言うわけじゃないです! むしろ、嬉しかったというか……って、そうじゃなくて! なんで、師匠が膝枕していたんですか!?」

「まあ、あたしが原因で倒れたわけだしな。これくらい、師匠ならするだろう?」


 てか今、嬉しいとか言ってなかったか?


 それなら、安心だな。嫌われるどころか、逆に喜ばれているとは。

 膝枕した甲斐があるというものだな。


「それは、師匠が悪いような……」

「うるさい。いいから、もうちょい寝てな」


 起き上がろうとしたイオの頭を押さえつけて、再び寝かせる、


「って、わわ!」

「どうだ、あたしの膝枕は」

「……すごく、気持ちいいです……」


 ぽーっとしたような顔をして、そう言うイオ。

 やっべ、マジで可愛い。


「そうかそうか。あたしの人生初の膝枕だぞ。喜べ」

「……はい」

「ん? なんだ、随分素直だな……って、うお? お前、顔真っ赤だぞ?」


 今気づいたが、ものっそいイオの顔が赤いんだが。

 真っ赤だぞ? 完熟トマトみたいに。


「……そ、そうですか?」

「ああ。どれ、ちょっとこっち向け」


 さすがに風邪を引いていたらあれなんで、熱を測るべく、自分の額をイオの額にくっつる。


「……ん、熱はない、な」


 これと言って高熱ではないな。

 平熱だ。


「し、ししししし師匠!? にゃ、にゃにをしてらっしゃるんですか!?」

「何って……お前の顔が赤かったから、風邪でも引いたのかと思って、熱を測っただけだぞ?」


 なんで慌てる必要がある。


「そ、そそ、そうで、すか……」

「ん、どうした弟子。ものすごい赤いぞ、顔が」


 突然、さっきより赤くなった。


 なんか思い出してるな? さては。


 ふーむ、イオが赤くするようなことだと……昨日の風呂で、クラスメートたちに胸を揉まれたことかね?


 まあ、こいつなら、顔を赤くして恥ずかしがるわな。


「い、いえ、あの、その……し、師匠は、ボクのこと、どう思ってます、か……?」

「そりゃお前、大好きに決まってるだろ」


 即答。


 てか、イオを嫌うはずがない。


 大好きに決まっている。


 容姿も、性格も、てか、こいつの全てが大好きだ。


「……ふにゃ!?」


 そんなあたしのセリフに驚いたのか、みるみるうちに赤かった顔をさらに真っ赤にさせ、


「どうした、イオ。何か驚くことでもあった……って、気絶しちまってるな」

「ぷしゅ~~~……」


 そんな声を出しながら、気絶していた。

 なんだ、本当に可愛いな、こいつは。


「ふっ、安心しな。何があっても、お前だけは命に代えても守るさ」


 聞こえていないのをいいことに、あたしはイオの頭を撫でながら、そう呟いた。



 その後はイオをミカたちに預け、部屋で寝かせるよう言った。


 しばらくした後に、イオが目を覚まして戻って来た。

 さすがに、恥ずかしいだろうと思って、あたしは離れたところで見守っていたがな。


 そして、自由時間も終わり、旅館に戻る。


 二日目は、飯の前に風呂に入る。


 まあ、そこでは男子どもが覗きをしようとして、イオに即バレし、説教されていた。


 あたしはガキども輪に加わらず、一人のんびりと露天風呂を堪能していたがな。



 飯時で面白かったのは、浴衣を着たイオを男どもがガン見してたことだな。


 まあ、前がちゃんと閉め切らなくて、胸が丸見えだったし。


 わかる。あたしもちょっと見たし。


 ……だが、男どもはあとでこっそり、お仕置きだな。


 この後、女子どもにバレていたのか、ガン見していた男どもは制裁を喰らっていた。ナイスだ、女子ども。


 そんなことがありつつ、二日目は終わりとなった。



 まあ、そんなこんなで、スキー教室最終日となる


 てか、最終日は朝飯食ったら、部屋を片して、軽い掃除をした後、バスに乗り帰宅。


 これだけ。


 道中土産屋に寄り、そこで土産を買って帰る。


 ちなみに、あたしはそこで地酒を買った。いい買い物をした……。


 バス内は、行きと同じく、やっぱりイオが盛り上げていた。

 さすがだな。


 イオの可愛い歌声を聞きながら、あたしは眠りに就いた。



 いやはや、このスキー教室はいい思い出になったな。


 それに、普段の仕事の疲れを癒す、いいものだった。


 たしか、林間・臨海学校なるものがある上に、二年では修学旅行があるみたいだし。そっちも楽しみだ。


 どうせ、あたしはイオのクラスの副担になる予定だしな。

 楽しみにしておこう。

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