第288話 五月五日:帰還後
目を覚ますと……
「おかえりなさい、依桜君……って、え、何この状況」
にこやか笑顔から、一気に困惑顔にチェンジした学園長先生がいました。
自分の状況を確認すると、無事、みんながボクにしがみついていました。
よかったよかった。
「あー、えーっと……ちょ、ちょっと色々ありまして……」
「そ、そう。まあいいわ。とりあえず、仮眠室行きましょうか。あそこなら、ゆっくり話せそうだしね」
「わかりました。あ、ちょっと待ってください」
周囲が珍しいのか、みんなきょろきょろしている。
ちょっと可愛いけど、話を進めないといけないので、みんなに話しかける。
『えっと、ちょっとボクに着いてきてくれるかな? ちょっと、この人とお話があるから』
『『『『『はーい!』』』』』
「それじゃあ、行きましょうか」
「え、ええ」
仮眠室に移動して、学園長先生に事の顛末を話す。
「――というわけです」
「なるほどねぇ……アイ、いる?」
『はいはーい、いますよー』
「えーっと……これマジ?」
『超マジっす! 正直、見てる私からすれば、マジで面白かったですよー』
「そ、そう……」
アイちゃんの返答に、学園長先生は苦い顔をしながら頭を抱える。
なんだか申し訳ない……。
ちなみに、ニアちゃん……あ、そう言えば、みんなからちゃん付けはいらない、って言われてたっけ。
えっと、ニアたちは、学園長先生が用意したクッキーを食べて、幸せそうな姿を見せてます。和む……。
「まあ、事情はわかりました。まあ、依桜君の予想は正解かもね。たしか、メルちゃんの時は、残るように言ったのに、転移の直前に抱き着かれてそのまま……って感じだったのよね?」
「そうです」
「あの娘たちの様子を見てると、たしかにやりそうよね……それに、孤児と来たか。しかも、向こうだとこの娘たちくらいの子供が生活するのって難しそうみたいだし……まあ、仕方ないわね。それに、連れて来た上に、依桜君が面倒を見るって言っちゃったみたいだし」
「申し訳ないです……」
「あぁ、別にいいのよ。……ただ、前回に続き、まさか今回も幼女を連れてくるとは思わなかったわ……。依桜君って、幼女キラーだったりしない?」
「そんな物騒なものになった覚えはないです」
別に、小さい女の子たちを殺すような存在じゃないんだけど。
いくら暗殺者でも、子供だけは絶対に殺しません。
『いやいや、イオ様ってめっちゃ子供に懐かれるじゃないですか。二日目だって、助けた子供たちに好かれていたみたいですし?』
「ま、まあ、あれは勇者だからっていうだけで、その肩書が無かったら大して好かれてないと思うよ……?」
だって、ボクだもん。
「……まあ、依桜君だし、こんな反応よねぇ」
『ですねぇ~。イオ様ですしねぇ~』
……なんだろう。この馬鹿にされている気分は。
アイちゃんにして、この創造主あり、って感じの二人だよね……本当に。
「まあ、それはおいとくとして。依桜君、あの娘たち、みんな依桜君の家で預かるのよね?」
「はい。預かるというより、家族になりたいなと。みんな、天涯孤独の身ですから」
「なるほど、となると……五人分の情報のあれこれが必要になって、学園にも通わせないといけない、と」
「そうなります……」
いつも、申し訳ないと思ってます……。
「ま、依桜君にはいっつも助けられてるし、この程度、お安い御用よ! 一日で色々と終わらせるから、任せて。あとは……あの娘たちの年齢かしらね。いくつ?」
「えっと、あのこげ茶色の髪の女の子と、金髪の女の子は十歳で、他はみんな九歳です」
「なるほど。となると、四年生と三年生になるのかしら?」
「そうですね。一応、誕生日はまだらしいですけどね。あ、もちろん誕生日を迎えた際の年齢を答えましたから、四年生と三年生で大丈夫ですよ」
「ん、了解。こっちで色々とどうにかするわ」
「ありがとうございます」
こういう時、本当に学園長先生は頼りになるんだけど……普段が酷いんだよね……。
できれば、この頼もしさが普段からあればいいんだけど。
「あ、言語の方は頑張ってね」
「わかってます。これに関しては、こっちでどうにかしますから」
「ならよし。さて、みんなの情報だけど……まあ、メルちゃんと同じで、依桜君の海外の親戚、ということにしておきましょうか。一応、あの娘たちも、養子、でいいのかしら?」
「そうですね。ボクが姉になるって言っちゃいましたし……」
「姉、ねぇ? 依桜君自ら、女の子の方で言うとはね。……いい変化、とも言えるのかしら?」
「ど、どうなんでしょうね?」
ボクとしては、いいか悪いかで言えば……まあ、いい方なのかも。
少し前向きに考えるだけで、気楽になるからね。ちょっとは。
「それで、事前の勉強だけど……まあ、最初の内は、初等部にある空き教室を使って勉強することになるかな。一応、かなりハイペースになるかもしれないけど……その分は、依桜君やメルちゃんに任せる、という形でOK?」
「はい。それで大丈夫です」
「ん、了解。それで、家はどうするの? さすがに、空き部屋がないと思うんだけど、依桜君の家は」
「あ、はい。増築しようかなと」
「なるほど。そう言えば、私が振り込んだお金があったわね。それを使うの?」
「はい。さすがに、持ってるのが怖くて……だから、少しでも使いたいんですよ」
「まあ、高校生には大金すぎるものねぇ?」
「……じゃあなんで、あの金額を振り込んだんですか」
ジト目を学園長先生に向ける。普通、あんな大金、一度で送らないと思うんだけど。
「んー、まあ、依桜君には、それくらいはしないといけないからね。それじゃあ、増築の手配に関しては、私がしておきましょう」
「え、いいんですか?」
「ええ。こっちから依頼するのは、別に大した問題じゃないわ。請求書はそちらに行くようにするわ」
「ありがとうございます」
何から何までやってもらって、少し申し訳なく感じる。
学園長先生と言えど、さすがに負担になりそうだし……。
「あ、それで、間取りはどうする?」
「えっと、その辺りに関しては、父さんやお母さんと相談してみます」
「了解よ。それじゃあ、そろそろ家に送りましょう」
「お願いします」
「お願いされました」
ボクは、みんなに声をかけると、そのまま研究所を出た。
家に到着。
『ここが、ボクの家。今日からはみんなの家になるから、遠慮しないでね』
なるべく笑顔でそう言うと、みんなは少し緊張しつつもこくりと頷いた。
「ただいまー」
「ねーさま、おかえりなのじゃ!」
「わわっ! っと、メル、いきなり飛びついたら危ないよ?」
「んふぅ~~、ねーさまのぬくもりじゃぁ~」
玄関を開けるなり抱き着いてきたメルが、ボクの胸に顔をうずめてくる。
可愛い……。
「メル、甘えるのはちょっとだけ後にして? えっと、父さんと母さんはいるかな?」
「かーさまたちは、少し出かけているぞ! ……む? ねーさま、そこの者たちは……」
「あー、えっと……向こうの世界の子供たちだよ。今日から、ボクの妹……メルの姉妹になる娘たちだよ」
「なんとっ! わ、儂にも姉妹ができるのか?」
「うん。だから、ちょっと母さんたちに話さないといけなかったんだけど……まずは、言語を覚えてもらおっか」
「そうじゃな!」
『それじゃあみんな、靴を脱いで、家に上がって。ボクに着いてきてね』
そう言うと、みんなおずおずと靴を脱いで家の中に入った。
『それじゃあ、みんなにはまず、こっちの世界の言葉を覚えてもらいます』
『イオお姉ちゃん、いくらなんでも、言葉を覚えるのは難しいです……』
『大丈夫。えーっと……とりあえず、この本でいいかな。いい? ここにある文字を、今から一文字、発音するから、それを理解して、自分たちで発音してみて?』
そう指示すると、みんな難しそうな顔をしながらも、頷いてくれた。
今までの経験と、ボクの予想からすれば、おそらく一文字だけでも理解し、発音できるのようになれば、『言語理解』のスキルが手に入るはず……。
それと、入手するための条件は多分、異世界人であること、だと思う。
こっちの世界では、メルたちの世界の人を指す。
だから多分、この娘たちも大丈夫なはず。
『じゃあ……『あ』これを発音してみて?』
そう言うと、みんなぎこちないながらも、『あ』と発音してくれた。
すると、一瞬だけびくっと肩を震わせる。
あ、これはもしかして……。
「えーっと、ボクの言葉、わかるかな?」
「わ、わかります!」
「す、ごい……」
「わぁ、イオねぇと同じ言葉をしゃべってる! すごいの!」
「びっくりしましたけれど……言葉がわかります……」
「……ん。すごい」
「うん。みんな無事に、『言語理解』を習得できたみたいだね」
やっぱり、ボクの仮説は正しかったみたいだね。
つまり、異世界に行って、その世界の言語を一文字でも理解できれば、『言語理解』は習得可能みたいだね。
でもこれ……こんなに簡単でいいのかな?
「イオお姉ちゃん。そこの女の子は?」
と、早速流暢な日本語でメルについて尋ねてくるニア。
「この娘は、みんなと同じ世界の娘でね。まあ……魔王だよ」
「ま、魔王様なのですか?」
「……びっくり」
ニア、リル、ミリアの三人はちょっとだけ驚いたような表情をしていたけど、クーナとスイの二人だけは、三人以上に驚いていた。
まあ、二人とも、魔族だしね。
「うむ! ティリメル=ロア=ユルケルじゃ! みなからすれば、儂は……こっちの世界での先輩にあたるぞ! わからないことがあれば、儂に聞くといい!」
胸を張って、自信満々に言うメルは、なんだか微笑ましかった。
年齢的には、メルが圧倒的に年下だけど、知能的にはみんなより上だと思っていいしね。
「して、この場合、誰が姉になるのじゃ?」
「「「「「――っ!」」」」」
メルが、ちょっとした疑問を口にした瞬間、ニアたちの表情が一斉に強張った。
そして、牽制しあうように、お互いを見つめる。
ただ、微妙に一触即発になりそうだし……ここで喧嘩をされたらちょっと困る。
ここは、ボクが決めよう。うん。
「この場合、一番上はもちろんボクだけど、次はメルかな? あ、でも一応誕生日で決めた方がいいのかも?」
「うむ、たしかにそうかもしれぬな!」
メルに賛同するように、ニアたちもこくこくと頷く。
うん、よかった。穏便が一番。
とりあえず、誕生日をみんなから聞き出す。
その結果、少なくとも四年生になる(すでになってる)三人の誕生日は、メルが六月十二日。ニアが七月七日。クーナが九月七日。
その次、三年生に編入することになる三人の誕生日は、リルが一月二十九日。ミリアが十月一日。スイが二月十五日。
「となると……上から順番に、メル→ニア→クーナ→ミリア→リル→スイの順番になるんだけど、いいかな?」
「「「「「「はーい(なのじゃ)!」」」」」」
「うん、じゃあ、決まり! あとは、父さんと母さんに言うだけだから、もうちょっとだけ待ってね」
多分、そろそろ帰ってくるんじゃないかな?
そう思っていたら、
「「ただいまー」」
ちょうど帰って来た。
「うん、それじゃあ、先にボクが下に行くから、みんなはボクが呼んだら来てね」
「父さん母さん、ただいま」
「お、帰ったか依桜! おかえり」
「おかえりなさい。どうだった?」
「うん。それなりに楽しかったよ」
二人には、ボクが異世界に行っていたことは伝えてある。
まあ、実際事情も全部知ってるしね。
今の二人は何やら機嫌がいいみたい。
言うなら今!
「えっと、父さん、母さん。お願いがあるんだけど……いいかな?」
「ん? どうしたどうした改まって!」
「そうよ。どうしたの?」
「え、えっと……まずは見てもらった方が早い、かな。うん。ちょっと待ってね。……みんなー、来ていいよー!」
「みんな? 依桜、一体誰を――」
「なになに? もしかして、可愛い娘――」
と、二人が何かを言いかけた瞬間、みんなが上から降りてきて、リビングに入ってきた。
「「( ゚д゚)」」
ニアたちを見て、母さんと父さんはポカーンとしてしまった。
だ、だよね……。
「い、依桜? そこのすっっっっっっっごく! 可愛らしい女の子たちは一体……」
「そ、その、ね? 二人にお願いって言うのはこの娘たちのことで……実は――」
ボクは、向こうでのニアたちに関することを全部伝えた。
二人は真剣に聞いてくれた。
「――だから、お願い! この娘たちをこの家に住まわせてほしいの! この娘たちの生活費は全部ボクが負担するから!」
全て話し終えると、ボクは頭を下げてお願いした。
後ろからは、断られたらどうしようという恐怖心が、みんなから発せられていた。
正直、ボクもちょっと怖い。
そう思っていたら……
「OK!」
さっきの真剣な表情から打って変わって、母さんが満面の笑みで了承した。
「え、い、いいの……?」
「もっちろん! 可愛い女の子なら大歓迎! まあ、男の娘でもいいんだけどね!」
「そ、そうなんだ……。そ、それで、父さんは……?」
「ふっ……俺に聞くか? もちろん、いいに決まってるだろう。なにせ、依桜が連れて来た娘たちだしな! というか、みんな可愛いし、父さん、最近家が華やかになって嬉しいぞ!」
「あ、うん。そうなんだ」
……あれ、なんか、普通に了承されちゃったんだけど……。
ちらりと背後を見れば、みんなキャッキャッと嬉しそうにはしゃいでいた。
で、でも、一応確認。
「この娘たち……向こうの世界の子だし、金髪の女の子と水色髪の女の子は、サキュバスって言って、魔族の娘なんだけど……それでもいいの?」
「え、マジで!? サキュバスなの!? なら尚更OKよ!」
「え」
「いやぁ、まさか空想上の存在に会えるなんて! お母さん感激! まあ、そもそもの話、人間じゃなくても、見た目が可愛ければ私はOK! 悪魔だろうがスライムだろうが、なんでもOK、ばっちこいよ!」
「あ、そ、そですか……」
母さんって、本当にすごいね……。
人間じゃなくてもいいって言える辺り、本当に……。
「それに、孤児何だろう? その上人攫いに攫われたとか、そんな話を聞いたら、尚更だぜ」
「そうね。それで『無理です』なんて言うのは私たちには無理!」
「母さん、父さん……」
やっぱり、優しいなぁ……。
ボクはかなりほっとした。
何とか無事に、住まわせてくれることになったから。
「あーでも、どうしましょう。さすがに、部屋はないし……」
「それで、なんだけど……ボクのお金で、家を改築しようかなーって」
「なるほどー。でも、それなら引越しした方が早くないかしら?」
「でも、いい所なんてなさそうだよ……?」
少なくとも、いい感じの場所はなかったような……。
「いえ、実は最近、ポストに家のチラシが入っていてね。そこに、いい感じの三階建ての家があったの。たしか……四千二百万くらいの。あ、もちろん、建物だけの値段よ。庭もある上に広いし、どう?」
「えっと、場所は……?」
「意外と駅に近かったわよ? 学園も、この家より近いし」
「なるほど……」
三階建て……ニアたちも暮らすことが決まったから、人数は十人。……うん。今の家だと、ちょっと狭いね。というか、みんなの寝る場所がないのがちょっと……。
「それに、増築するにしても、その間、別の場所に住まないといけないし、そうなると今よりも狭い場所に暮らさなきゃいけない可能性があると考えると、ちょっと可哀そうでしょ?」
「た、たしかに……」
「それなら、いっそのことこの家は引き払って、別の場所に引越した方が、安心でしょ?」
「うん。そうだね。えっと、その家って、どんな感じ?」
「えーっとちょっと待ってね……あ、これこれ。どうぞ」
「ありがとう」
母さんに渡されたチラシを見ると、そこには結構大きめの三階建ての家が。
見た感じ、かなり広そう……えっと、延床面積は……七十一坪。
ひ、広いね。
でも、庭も含めたらもっと広そう。
中心に玄関で、向かって右側に車庫。
左側はリビングにつながる窓、かな? 縁側みたいになってるから、ここで日向ぼっこもできそう。
三階にはバルコニーらしき場所もあるし……あ、中もちゃんとある。
えっと……一階は、広めのお風呂に、和室、洋室もある。あ、小さめのキッチンもあるんだね。
二階は、広々としたリビングがあって、バルコニーに三人部屋らしき場所が一ヵ所。あとはここにもキッチン。こっちが本命かな? ダイニングキッチンだし。あとは、ちょっとした書斎があるね。
三階には、ルーフバルコニーに、ちょっと広めの場所があって、三人部屋が一ヵ所と一人部屋が二ヵ所ある。あとは、ちょっとした広めの空間。ここは、子供が遊べる場所、みたいな感じなのかな? ここにも、小さめのキッチンが。
この家、三ヵ所もキッチンあるんだけど。
ま、まあ、それはそれとして……あとは、各階にトイレがある、って感じかな。
なるほど……ちょっといいかも。
「一人部屋じゃないのが難点だけど、まあ、何人かで共有してもいいしね。どうする? お金は依桜が出すそうだし、私は依桜に任せるわ。ね、お父さん?」
「そうだな! 今は、俺達よりも、依桜の方がお金持ちだしなぁ……正直、娘からおかねをだしてもらうとか、情けない限りだが……」
「い、いいよ。これに関しては、ボクが自分でしたことだしね」
むしろ、ボクがお金を出して当然。
「えっと、みんな、こういう家はどうかな?」
まあ、元々、みんなのために引っ越すようなものだしね、みんなに決めてもらおう。
「私は、賛成です!」
「わた、しも……いい、と思い、ます」
「ぼくも大賛成!」
「そうですね。私も、ここがいいと思います」
「……いい」
「儂も、いいと思うぞ!」
「そっか」
みんな的には、ここでいい、と。
「ここって、まだ建てたばかりらしい上に、誰も住んでないから、新築同然。地盤調査もしっかり行ってるらしいわ」
「なるほど……」
それなら、安心かな?
母さん曰く、信用されている会社らしいし。
それじゃあ……
「ここにしようかな」
「ええ、わかった。それじゃあ、資料を取り寄せて……まあ、下見に関しては私とお父さんで行って来るわ。依桜たちも一緒に来る?」
「あ、それもそっか……でもメルと遊園地に行く、って言ったんだよね……でも、今日はなんだかばたばたしそうだし……メル、明日でいいかな?」
「うむ、こればかりは仕方ないのじゃ! ねーさまじゃしの!」
……その言葉の真意を知りたいです。
『……ロリ魔王様にも言われるんですねぇ』
……アイちゃんはちょっと静かにしてほしい。
「了解よ。それだったら……明日、ニアちゃんたちも一緒に連れて行ってあげれば? 遊園地」
「それもいいね……。メル、ニアたちも一緒にどうかな?」
「楽しそうなのじゃ! 儂、同じくらいの友達が少ないから、嬉しいのじゃ!」
「うん、よかった。じゃあ、明日はみんなで遊園地に行こう」
ニアたちは遊園地が何なのか分かっていなくて、首をかしげているけど、まあ、明日のお楽しみということで。
「それじゃあ、私とお父さんは、明日身に行って来るわ。写真も撮ってくるわね」
「うん、お願い、母さん」
「ええ。それじゃあ……今日は、みんなの歓迎会ね! お母さん、腕によりをかけて、ごちそうを作るわよ!」
と、母さんが張り切ったことで、この日の夜は本当に豪華なものになりました。
夜、師匠が帰ってきて、新しく増えたニアたちに対しびっくりしていたけど、ボクが説明したら、
『……まあ、イオだしな』
と言われました。
……どういう意味なんだろうね。
この日は、ボクも含め、みんなで和室で寝ました。
妹が増えて、ちょっと嬉しく思ってます。
ちなみに、学園長先生に結局引っ越すことにしたと伝えて、その家の情報を伝えると、
『ああ、あそこね。そこは安心できるから、大丈夫よ! 何せ、私が出資してるからね』
って言ってきました。
……学園長先生、本当に何者?
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