2-2章 CFO《Connect Fantasia online》2
第254話 再びCFO、メンバー増量
並行世界に関する騒動も終わり、ボクたちには再び平穏な日常が戻っていました。
……あ、いや、ちょっと変わったところもある。
ボクはよく異世界に関することに巻き込まれやすい、と言うことで……
「……あ、あの、毎日、このまま、なの?」
「当たり前よ。知らない間にいなくなるのなら、いついなくなってもいいように、一緒にいればいい話よね」
ボクは毎朝、未果と登校することになっちゃいました。
その際、腕を組んでたり……。
何と言うか、その……こ、恋人みたいな状態で、ちょっと恥ずかしい……。
「ねーさま、顔が真っ赤じゃ」
「そ、そそそそ、そんなことはない、よ……?」
「あら、ほんと。風邪かしら? ちょっとごめんなさいね」
「え?」
ぴと……。
不意に、未果がボクのおでこに、自分のおでこをくっつけてきた。
「~~~~~っ!」
「あら、なんだか熱が上がってない?」
「み、未果! ち、ちちちち近いよ!」
「……ふーん? そのあわってぷりは……私が近いから意識してるのかしら? でも、今は女の子同士なんだから、問題ないわよね」
「そ、そうかも、し、しれない、けど……で、でも、あの……は、恥ずかしぃょ……」
「……ほんっと、依桜は可愛いわね!」
ふふふっ、と笑いながら未果がようやく離れてくれた。
「うぅ、未果のばかぁ……」
「その程度の罵りじゃ、私には通用しないわよ~。さ、早く学園に行きましょ」
「う、うん……」
「うむ!」
これが、毎日続くのかなと思うと、ちょっとドキドキしすぎて心臓が爆発しちゃいそうだよ……。
「おはよう」
「お、おはよー」
「おはよう、依桜、未果。って、どうした? 依桜、顔が赤いぞ?」
「き、気にしないで」
そう言うと、横で未果がちょっとニヤニヤしていた。
はぁ……。
最近、本当にドキドキすることが増えたよ……。
で、でも、突然顔を近づけられたらボクみたいになるよね!
うん。普通のことのはず。
「おーっす」
「おっはー」
ボクがたちが登校してきた直後に、態徒たちが登校してきた。
珍しく早い気がする。
「今日は早いね?」
「気分だよ、気分」
「うん。最近は、特に入稿もないしねぇ。調子が良くて、来月分まで終わってるから、楽だぜー」
「普段から、それくらいしておけばいい気がするのだけど?」
「ノンノン。それは無理ってもんさー。一つの話を作るだけでも、結構な労力だからねぇ。しかも、わたしの場合はお金も取るから、少しでもクオリティを上げないといけないからね」
本当、女委って趣味に対する情熱ってすごいよね。
しかも、メイド喫茶も経営しているんだっけ? 女委って。
……うーん、やっぱりおかしいと思うよ。
「ああ、そうだ。今日さ、CFOやんね?」
「そう言えば、ここのところ、新学期で少し忙しかったから、全然遊べてなかったわね」
「おうよ。たしか、近々イベントがあるみたいだしよ」
「そういえば、なんか公式サイトで告知してたっけ? わたしとしても、久しぶりにやりたいし、全然OKだよ!」
「俺も大丈夫だ」
「私も」
「ボクも」
「んじゃあ、帰ったら集まるか」
「場所は、いつも通り、依桜の家でいいわよね?」
「「「「異議なし」」」」
と言うことで、今日は久しぶりに、みんなでCFOをすることになりました。
そうと決まると、ついつい楽しみになるのが人だよね。
なんだか、待ち遠しくなっちゃって、一日が長く感じちゃったよ。
でも、それで授業に身が入らなくなってテストで大変なことになったら本末転倒だからね、ちゃんと切り替えはしてますよ。
楽しみな気持ちを持ちつつ、今日は早々に帰宅。
すると、
「あ、あれ? なんか、大きな荷物が二つ……」
玄関になんだか見覚えのある荷物が置いてありました。
たしか、クリスマスくらいに見たような……。
「あ、おかえりなさい、依桜。はいこれ」
と、母さんがボクに一枚の手紙を渡してきた。
「そこにある荷物と一緒に届いたものよ。それ、学園長先生からみたいよ」
「学園長先生から?」
「ええ。まあ、多分依桜宛てだと思うから」
「う、うん」
とりあえず、荷物を一旦『アイテムボックス』に仕舞ってから、部屋に行く。
「あ、おかえりなのじゃ、ねーさま!」
「ただいま、メル」
部屋に行くと、元気いっぱいなメルがボクを出迎えてくれた。
「む? ねーさま、それは手紙かの?」
「うん。そうみたい」
「なんて書いてあるのじゃ?」
「ちょっと待ってね。えーっと」
『どうも、董乃叡子です。私からのプレゼント、受け取ってくれたかしら? と言っても、正確に言えば、依桜君にじゃなくて、ミオとメルちゃん宛てなんだけどね。あの大きな荷物の中には、きっと二人が喜ぶものが入っていると思います。中身については……見てのお楽しみ! それから、プレゼントに関しては、私を庇ってくれたお礼と、あった方がいいかなと思ったからなので、返品はしないでね! それじゃあ、楽しんでね!』
「『――追伸。一応、一式揃ってるから、不備があったらいつでも行ってね!』だって」
「プレゼントじゃと!?」
手紙の中に、プレゼントと言う言葉があったことで、メルがすごく食いついた。
しかもこれ、メルだけじゃなくて、師匠にもプレゼントって書いてあるんだよね。
一式って書いてあるから、何かのセットだとは思うけど……。
「ねーさまねーさま! プレゼント! プレゼントを見せてほしいのじゃ!」
「あ、そうだね。ちょっと待ってね……」
ボクは『アイテムボックス』を開けると、中から荷物二つを取り出す。
その内、片方を開けると、中には……
「あ、『New Era』……」
なんと、『New Era』が入っていた。
しかも、本体はもちろんのこと、モニターにマウス、キーボード、それからCFOに関するものも全部入っていた。
多分これ、もう一方も同じ、だよね?
「ねーさま、これはなんじゃ!?」
目を輝かせながら、メルが目の前のものについて、尋ねてくる。
「えーっと、なんて言えばいいのか……メルは、ゲームってわかるかな?」
「うむ! リビングにあるあのちっちゃな箱でやる遊びじゃな?」
「まあ、大体あってる、かな。それでね、これは最新技術で作られたゲームでね、簡単に言うと……夢の中で自由に遊べるの」
「なんと! こっちには、夢の魔法使う者がおるのか!?」
「いや、魔法じゃなくて科学だけど……」
でも、発達した科学は、魔法と見分けがつかない、なんて言うし……あながち間違いじゃない、よね?
「まあ、それはそれとして、これで異世界を冒険できるんだよ」
「そうなのか! じゃあ、これがあれば、いつでもあっちに行けるのかの?」
「うーん、ちょっと違うかな? これで行けるのは向こうをモデル――土台にした世界でね。向こうに似ていて、知っている人がいても、本人じゃないの」
「むぅ……よくわからないのじゃ……」
「あ、あはは、ちょっと難しかったかもね。でも、とりあえず、外見だけ似てる人だと思えばいいよ」
「わかったのじゃ!」
さすがに、向こう出身の人に対して説明をするのはちょっと難しいね。
一応、夢の中で遊ぶって言ったけど、実際はちょっと違うからなぁ。
まあ、ボク自身も、どういう原理で動かしているのか詳しくはよくわからないから、何とも言えないんだけど。
「それで、今日は未果たちと遊ぶんだけど、メルも一緒に遊ぶ?」
「うむ! 遊ぶのじゃ!」
「よかった。それじゃあ、先に宿題を終わらせないとね?」
「わかったのじゃ!」
こう言う時、普通の子供なら、嫌がるんだろうけど、メルはまったくそう言うのがない。
多分、新しいことを学ぶ、って言うことが新鮮で楽しいのかも。
いいことだから、全然いいけどね。
「それじゃあ、ささっと終わらせちゃおうか」
「うむ!」
まずはメルの宿題を終わらせた。
メルは物覚えがよく、頭もいいので、すぐに宿題は終わった。
それと同時に、師匠も家に帰って来た。
師匠宛てにも来ていたので、師匠も誘ってみることに。
部屋に入ろうとした師匠を呼び止め、事情を説明。
「――と言うことなんですけど、どうですか?」
「ふむ。ゲームか。なるほど、なかなかいいな。どれ、あたしも参加するとしようか」
「ありがとうございます! それじゃあ、早速設置しちゃいますね」
「ああ、頼む」
「それから、やり方は後で教えますので、それまで説明書を読んでてください」
「わかった」
後々知ったんだけど、どうやら『CFO』には紙の説明書がついていました。
これを見て、あらかじめ職を決めることもできたみたいです。
と言うわけで、ボクはメルと師匠の『New Era』を設置しました。
設置を終えたら、ボクは二人に起動の仕方を教える。
ちょうど教え終えたところで、夜ご飯になり、一度夜ご飯を食べてくる。
食べ終えてから、ボクたちは早速『CFO』の世界にログインしました。
三人そろってゲームに早速ログイン。
依桜以外の二人、ミオとメルは、まずキャラクタークリエイトから始めていた。
【ようこそ! CFOの世界へ! まずは、キャラクターのクリエイトからお願いします!】
「おお、ここがゲームの中、か? ふむ。面白いな。さて、キャラクタークリエイト、だったか? あー……ここをいじるのか。……面倒だし、このリアルモデルでいいだろ。容姿を変える必要はない」
ミオ自身、特に容姿を変える必要はないと思っているので、即決でリアルモデルに。
念押しで確認してくるも、何の迷いもなく了承。
この後も、すべてさっさと決めたミオ。
現実ではぶっ飛んだ能力の持ち主であるミオのステータスは果たして……。
一方変わって、メル。
【ようこそ! CFOの世界へ! まずは、キャラクターのクリエイトからお願いします!】
「お、おー、ここが、ゲームの中なのじゃな……。すごいのぉ、全部白い! それで、んーと、リアルモデルに、クリエイトモデル……? むぅ、よくわからないのじゃ……リアルモデルでいいじゃろ!」
メルはよくわからなかったため、リアルモデルで作ることに。
念押しの確認も、すぐに了承し、どんどん先の設定も進めていく。
現実では、魔王な美幼女のステータスは果たして……。
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