第165話 依桜ちゃんと冬〇ミ7

 突発的に始まってしまった、桜の写真撮影。

 まあ、桜を知る者からしたら、当然の結果と言えるだろう。


 ちなみに、


『や、やばい、銀髪碧眼ケモっ娘メイドさん、やばすぎる!』

『こんな娘、今までいなかったし、やっぱ初参加だよな?』

『そういやさっき、美羽たんのイベントで出てたぞ!』

『じゃ、じゃあ、芸能人、とか?』

『いやいや、友達の手伝いできた、って言ってた』

『マジか。どう見てもそう言うタイプじゃなさそうなのに、手伝いに来るとか……マジ天使じゃん』

『それにしても、あの尻尾と耳、どういう原理で動いてるんだ?』


 と言った反応が見受けられる。


 幸いなのは、桜が以前インターネット上で話題になった、『白銀の女神』だと気付かれていないことだろう。

 気付かれたら、それこそ大惨事だ。


 バレていない要因と言えば、現在の服装と、頭部とお尻に付いているものだろう。

 耳と尻尾があるだけで気付かれない。


 というわけなのだが……まあ、それもすぐに見破られるだろうが。


 実際、


『……あれ? 今思ったんだけどよ、あの娘、白銀の女神じゃね……?』

『は? 何言って……いや、たしかに、似てる……?』


 こんな風に、疑い始めているものが出始めたからだ。


 意外とあっさりバレるものだ。


『……って、いやマジで女神じゃねーか! 見ろよこの画像!』

『うっそ!? え、マジかよ! こ、コスプレもするのか?』

『あ、あんなに可愛い娘が、あんなエロい恰好するとか……最高すぎる』


 こんな風に。


 桜が一時期(現在もだが)インターネット上で話題となった美少女であると知り、さらに人が集まってくる。


 桜自身は、なんで? と思っていることだろうが、騒ぎが聞こえていた椎名たちは、『あっちゃー』と思った。


 まあ、そもそも、バレないというのがあり得ない。

 桜ほどの容姿の人間が、他にいるとは考えにくいためだ。

 ましてや、銀髪碧眼など、日本じゃまずいないだろう。

 存在が稀有、というわけだ。

 いや、むしろ依桜レベルの美少女が、そう何人もいたら、価値が薄れそうだが。


 そして、やはりというかなんというか……当然、不逞の輩が出てくるわけで……。


『やっべ、マジエロい……』

『あのおっぱいとかまじたまらねぇ』


 みたいな、ローアングルで撮影したり、胸元ばかりを撮影してくるような、クマ吉ややおいが可愛く見えるようなド変態が出現してしまった。


 椎名ややおいが着ている服は、幸いにも露出が少なく、撮られる危険性は限りなく低い。

 なにせ、片やホットパンツ。片や、ロングスカートだからだ。


 しかし、桜だけは違う。


 彼女(彼?)が着用している服は、露出面積がそこそこ多い。


 まず、胸から上は完全に露出しているし、スカートも割と短い。

 おそらく、学園の制服よりも短いだろう。


 まあ、コスプレのモデルがモデルなので、ある意味当然と言えるのだが……。


 実際、元のキャラも、桜に似たようなキャラだったので、ぴったりすぎるのだ。

 天然で弱気。さらには、かなりのスタイルの持ち主である。そして、銀髪だ。碧眼ではなく、紅眼だが。


 ちなみに、食いしん坊キャラでもあったりする。


 桜は……どちらかと言えば、食いしん坊だろう。外見に似合わず、かなり食べる。


 もっとも、桜の場合は、弱気と言うより、ただ単に押しに弱かったり、恥ずかしがり屋だったりするだけだが。


 そして、話を戻すとして、ローアングルで写真を撮られている桜はと言うと……


(……なんか、視線を感じる……これ、もしかしてやおいが言ってた、カメコ、と呼ばれるマナーの悪い人?)


 普通に気付いていた。


 いくら、性的方面に疎い桜と言えど、さすがに気付かないわけはない。

 いや、むしろ女になってからは、男の時より増して、さらに敏感になっていたりするが、今回はそれが役に立ったと言えよう。


(そう言えば、やおいがカメコはインターネット上にも画像を投稿する、みたいなことを言っていたような……? だ、だとしたらさすがに恥ずかしい。というか、不特定多数の人に見られるとか、普通に嫌!)


 やはり、嫌だと感じた。

 当然であろう。


 一応これでも元男だが、現在は女だ。外見上は、だが。いや、中身も割と女だったりするが、それはいいだろう。それは、昔からだ。


 ともあれ、一応女である以上、さすがにスカートを覗かれたら、嫌な気分にもなる。


 しかし、かなり大勢いる状況で、針を使うのは難しい。


 いや、桜なら割と造作もないことなのだろうが、擬態を見破ったり、桜がかなりの強者であることを見破った美羽がいる以上、下手な動きを見せるのは難しいかもしれない。


 だが、それでは自分の恥ずかしい写真がネット上に投稿される事態となってしまう。

 それだけは避けたい。


 つまり、桜にある選択肢は二つ。


 一つは、もういっそのこと、後で自分の正体を伝えてしまうこと。

 二つ目、恥ずかしい写真が投稿されるのは諦めること。


 この二つのみだ。


 どう見ても、選択肢は一つしかないように見える。

 なので、後で教えることにして、今はもう諦めることにした。


「あ、あの、スカートを覗いている人がいるんですけど……や、やめてくれると、ありがたいです」


 まずは、言葉で、と言った風に、桜が困り顔で周囲に向けて発言。

 するとどうだ。


『なに!? 白銀の女神のパンツを覗こうとするやつがいるだと!?』

『おい、みんな、そいつらをやっちまえ!』

『ついでに、おっぱいばっか撮ってるやつもいたら、すぐさまやれ! その写真データは消去するんだ!』

『『『おー!』』』


 桜の言葉を聞いた参加者たちが、一斉にド変態たちを倒しに行ったではないか。


『ちょっ、な、なんだお前ら、や、やめっ――ぎゃあああああああああ!』

『なにすんだ! 俺のカメラに触るんじゃねえ! ああ、消すな馬鹿! おい、ふざけんなよ! お前ら訴えて――』


 と言った感じに、大惨事である。


 桜の困り顔は、参加者たちの胸に突き刺さった。


 その結果、桜を守る、もしくは助けようとした参加者たちが、不逞の輩をこらしめようと、一斉に襲いかかり、気が付けばボロボロにされていた。


 訴える、と言っていた男も当然いたのだが、そもそも盗撮まがいのことをしている時点で負けは確定していると思うのだが。


 そして、おそらくなのだが、例の非公式ファンクラブなるものに入っている人物がこの場に大勢いたのでは? と、この惨状を見ていた椎名とやおいは思った。


「あ、あの、えっと、さ、さすがにやりすぎだと思いますし……で、データ消去くらいで、許してあげてください」


 と、あまりにも酷いありさまだったので、桜が止めに入った。

 桜的には、ここまでされたら騒ぎになりかねない、と言う意味での発言だったのだが、


『お、おい、今の聞いたか?』

『ああ。自分が盗撮されていたことを許した上で、盗撮野郎たちに優しさを向けたぞ』

『な、なんて慈愛に満ちた人なんだ……』

『まさに、女神だ!』


 違った解釈で捉えられてしまったためか、結果的に女神扱いされるような状況になってしまった。


『めっがみ! めっがみ! めっがみ!』


 そして、謎の女神コールが発生してしまった。


「ふぇえ!? あ、あのそう言うのは恥ずかしいですよぉ!」


 と、桜が叫ぶものの、一向に女神コールがやむ気配はない。

 というか、どんどん人が増えている。


「……こ、こうなったら」


 さすがに戸惑い、困り果てた桜は、


「え、えと、さ、さよならっ!」


 『気配遮断』と『消音』、さらに『擬態』を使って逃走を図った。


『め、女神さまが消えたぞ!』

『なんだって!? ま、まさか、本当に女神だと言うのか……?』

『くっ、写真に収めたかったッ!』

『探せ! もしかしたら、まだ近くにいるかもしれないぞ!』


 突然桜が消えた(ように見えただけ)参加者たちは、桜を探すべく、コ〇ケを探し回りに奔走しだした。


 ちなみに、消えた瞬間桜がとった行動は、『アイテムボックス』の中に隠れる、と言うことだった。


 あの、能力トリプルコンボを使えば、『アイテムボックス』を使えば問題はないだろう。

 そして、やおいたち三人を放っておけないと考えた桜は、三人の足元に『アイテムボックス』を開き、


「わわっ!」

「え、何――?」

「きゃあああ!」


 と言った、三者三葉の反応を見せて、コスプレエリアから消えた。



「はぁ~~~、た、大変だったよぉ……」

「……えーっと、桜、これはどういうこと? というか、ここどこ?」

「すっごく広い空間だねぇ~。しかも、浮いてるよ、わたしたち」

「な、なんですか? ここ。な、なんで浮いてるんですか?」


 あー、やっぱり突然『アイテムボックス』に入れたのはまずかったかも……。

 でも、こうでもしないと、大きな騒ぎになるところだったから、仕方ないと言えば仕方ないんだけど……。

 美羽さんには、もう少し気を遣うべきだったかも。


「えっと、ここは、『アイテムボックス』って言って、その……異空間を作り出して、そこにものを収納する、っていう魔法なんだけど……」

「あ、あー、今朝桜が言っていたあれ?」

「そうだよ」

「へぇ~、桜ちゃん……あ、ここってわたしたち以外誰もいないし、本名で大丈夫かな?」

「うん。そうだね。ここには、ボクたち四人しかいないから大丈夫だよ、女委」


 正直なとこ、偽名だとやっぱり違和感あるからね。


「ところで依桜君。ここって、『アイテムボックス』の中って言ってたけど、生物って入れられるの? こう、物語の中だと、入れられない、みたいなことがテンプレだったはずなんだけど」

「まあ、その辺りの話も含めて、家で話そっか」

「「家?」」

「うん。ちょっとついてきて。あ、移動するときは、泳ぐようにして体を動かせば、進から」

「了解」

「はいはーい」

「……」


 未果と女委からは反応が来たんだけど、美羽さんからは全く反応がない。

 というか、ポカーンとしていた。

 だ、だよね……。


「え、えっと、美羽さん。色々と思考が追い付いていないと思いますけど、付いてきてもらえますか?」

「あ、え、えっと、う、うん、わかった」

「ありがとうございます。では、行きましょうか」



 そして、空間の一番下の方にある、家に到着。

 みんなで中に入る。


「えっと、コーヒーでいいかな?」

「ええ、大丈夫よ」

「わたしもー」

「え、えっと、だ、大丈夫」


 とりあえず、コーヒー豆と人数分のマグカップを出現させる。


「え、な、なにもないところから出てきた……?」


 いきなり空間からコーヒー豆とマグカップが出てきたことに、驚きを隠せない美羽さん。

 まあ、こっちの世界には魔法とかないもんね。

 とりあえず、まずは落ち着いてもらうために、コーヒーを入れて、三人の前に置く。


「それで、えーっと、どこから話せばいいか……。とりあえず、美羽さん的には、どこから訊きたいですか?」


 正直、ボクとしてもどこから話していいのかわからず、美羽さんに尋ねる。


「そ、そうだね……とりあえず、ここがどこなのか、と言うところから?」

「わかりました。えっと、ここは『アイテムボックス』と言って、いろんなものを収納する異空間の中で。本来は、人間とか生物は入れないんですけど、ボクの場合はなぜか入れるらしくて……」

「あ、アイテムボックス? もしかして、異世界系の作品によくある……?」

「そうです。ちなみに、欲しいと思ったものが出せますので、試してみます?」

「え? じゃ、じゃあ……クッキー」


 美羽さんがそう言うと、テーブルの上にクッキーが現れた。

 よく見ると、出来立て。

 うん。魔力が減った。

 でも、微々たるものだし、全然問題ないかな?


「わ、本当に出た。……えっと、桜ちゃん……じゃなくて、依桜ちゃんか。依桜ちゃんって、何者?」

「うーん……正直、信じてもらえるかわかりませんけど……ボク、異世界に行ってたんです」

「い、異世界? 異世界って、剣と魔法のファンタジー、みたいな感じの?」

「そうです。ボクは、三年間ほど向こうで過ごしてまして――」


 と、軽く事情説明。

 ボクの今までの経験やらなにやらを話した。


「――ということなんです」

「……」


 ボクの話を聞き終えた美羽さんは、信じられない、と言ったような表情を浮かべていた。

 まあ、難しい、よね……。

 と思っていたら、


「す……すっごーーーい!」

「え?」

「依桜ちゃん、暗殺者だったの!?」

「ま、まあ……」

「それに、魔法も使えるの!?」

「つ、使えますよ。というより、この『アイテムボックス』だって、魔法ですよ?」

「そうなんだ! へぇ~、異世界って本当にあるんだぁ」


 と、かなりテンションが高い美羽さん。


「え、えっと、信じてくれるん、ですか?」

「まあね。依桜ちゃん、嘘つかなさそうだもん。それに、こんな世界を見せられたらね」

「あ、あはは……」


 たしかにそうだ。


「でもそっかぁ。依桜ちゃん、異世界に行ったことあるんだぁ。羨ましいなぁ」

「う、うーん、結構殺伐としてますよ? 戦争真っただ中でしたし……」

「あー、それは嫌だね」


 少し苦笑いを浮かべる美羽さん。

 まあ、好き好んで行きたくないよね、戦争している世界なんかに。


「ところで、さっきやおいさん……じゃなくて、女委さんか。女委さんが、依桜ちゃんのこと、ちゃん、じゃなくて、君、って呼んでるのは何で?」

「あ、えっと、その……言いにくいんですけど、ボク、元男、なんですよ」

「………………え、ほんとに?」

「ほんとです」

「マジです?」

「マジです」

「依桜が言っていることは本当ですよ、美羽さん。依桜、呪いをかけられて、一生女の子になっちゃったんですよ」

「そんな呪いがあるの!?」

「らしいですね。ちなみに……これが、男の時の依桜です」


 未果がスマホを操作して、ボクが男だった時の写真を見せる。


「……え、これ、本当に男、なの? 女の子に見えるんだけど」

「あぅっ」


 美羽さんの言葉の刃、胸に突き刺さりました。


「実際、依桜君は、男女両方からモテてたよ」

「へぇ~、まあ可愛いしね。そっかー。依桜ちゃん、男の娘だったんだー。てっきり、ボクっ娘かと思ってたけど……まさか、そう言う理由があったとはね」


 なぜか納得された。

 可愛いって……酷くない?


「ちなみに、依桜のあの耳と尻尾、本物ですよ」

「え!? そ、それ、本物なの? たしかに、ぴょこぴょこ動いたりしてたけど、え、本物?」

「は、はい。実は……」

「その他にも、依桜君、ロリになったり、ケモロリになったりしますよ」

「何その体質。すごいなぁ」

「……ボク的には、すごく困ってるんですけどね」


 身長が低くなるから、いちいちジャンプしないといけないんだもん。

 あれ、大変なんだよ。

 ジャンプをする時の、力加減が難しくて……。


「……依桜ちゃん。その尻尾、触ってもいい?」

「……い、いいですけど」

「やた! それじゃあ、早速……おー、もふもふ~」


 嬉しそうな表情を浮かべながら、美羽さんが、ボクの尻尾を触り始めた。

 なでなで、さわさわ、と優しく触ってくるのが気持ちよくて、つい


「ふゃぁあぁぁぁぁぁ……」


 なんて声が出てしまった。


「か、可愛い……。ねえ、依桜ちゃんって、本当に男の娘だったの?」

「「残念ながら」」

「ざ、残念ながらは、ひどいよぉ……ふぁあぁぁぁぁ」


 と、抗議するものの、美羽さんの手つきが気持ち良すぎて、力が抜ける。


「依桜ちゃん、かなり可愛い反応するんだね。可愛いな~♪」

「だ、だからんふぅぅぅ~~~」

「おー、ここかな? ここがいいのかなー?」

「あ、だ、ダメですっ、しょ、しょこはぁ~~~~」

「本当にもふもふしてて気持ちいいなー。ねえ、お持ち帰りしちゃダメ?」

「「ダメです」」

「だよね。……ん、堪能した」

「や、やっと解放された……」


 正直、美羽さんの撫で方気持ち良すぎて、癖になりそうだよぉ……。

 さ、さすがに、それは人としてどうかと思うので、気を付けたい……。


「まあでも、依桜ちゃんが何者なのかしれてよかったな、私」

「そ、そうですか? 一応、その……ボク、暗殺者、ですよ? 怖くないんですか?」

「怖い? まさか。依桜ちゃん可愛いからね。可愛い暗殺者なら、大歓迎だよ♪」

「……そ、そうですか」


 うぅ、なんだか、美羽さんには照れさせられる場面が多いような気がするよぉ。

 なんでだろう?


「さて、そろそろほとぼりも冷めたんじゃないかしら? 上の方」

「そうだねぇ。じゃあ、そろそろ出よっか」

「そ、そうだね。……あ、美羽さん。このことは、その……」

「うん、内緒、でしょ?」

「は、はい。あまり知られたくないので……」

「うん、わかった。絶対誰にも言わないよー」

「ありがとうございます。じゃあ、出ましょうか」


 最後に軽く釘を刺してボクたちは『アイテムボックス』から出た。



 出る際、見られないように、と言うことで、ボクの能力三つを全員にかけた。と言っても、手をつないで、効力をみんなに伸ばしただけだけど。

 その後、一目がほとんどない場所で能力を切った。


「さて、私もそろそろ戻らないとね」

「あ、もう行っちゃうんですか?」

「うん。一応、企業参加だからね、私。この後、色々と打ち上げがあるんだよ。……正直、面倒なんだけどね」

「そうなんですか?」

「そうだよ。だって、スポンサーのお偉いさんとか、触ってくるんだよー? 誰だって嫌でしょ?」

「あー、それはたしかに……」

「女の敵ね」

「本当にいるんだねぇ、そう言う人」


 そう言う人って、セクハラで訴えられてもおかしくないと思うんだけど……。

 最悪の場合は、ボクが出よう。


「だから、できれば桜ちゃんたちと一緒に行きたいんだけどね。まあ、仕方ない。……それじゃ、私は行くね。気をつけて帰ってね」

「はい、ありがとうございました、美羽さん」

「楽しかったです」

「まったねー!」

「バイバイ♪」


 と、最後のバイバイだけは、アニメ声って言うのかな? すごく可愛い声で言って、そのまま去って行った。


「じゃあ、わたしたちも戻ろっか! 翔君とクマ吉君を待たせてるし」

「そうね」

「うん。ボクもちょっと、疲れちゃったよ」



 その後、二人と合流したあと、ボクと椎名、やおいの三人は更衣室に行き私服に戻した。

 騒ぎになった後だから、ね。これ以上はダメ、ということで着替えました。


 着替えたすぐ後に、イベントは終了。


 ボクたちはやおいのサークルの片づけをし、それが終わると秋葉原のホテルに戻った。

 ホテルにたどり着き、部屋に入るなり、一日中動き回っていたため、すぐに眠ってしまった。


 いい思い出、にはなったと思うけど……すごく大変だった。

 まあでも、美羽さんと友達になれてよかったなぁ。

 でも、できればもう行きたくないかな、と思うボクでした。



 余談だが、依桜が『桜』、という名のレイヤーとして参加したことが、インターネット上で拡散され、さらに依桜という存在が広まってしまい、再び盛り上がったのだが……依桜が知る由もなかった。

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