最終話
それから数年後、私は高卒認定に見事合格したが、相変わらずフリーターとして暮らしている。しかし、仕事をしている傍ら、イラストレーターとして、絵をかいていた。実は昔、誰も友達がいなかった私は、ずっと絵をかいていた。両親が離婚してから書かなくなっていたが、先日、部屋を整理していた時に、その時描いた絵が出てきた。それをきっかけに、再び絵を描くことにした。まだ始めて間もなく、それだけでは食べていけないので、フリーターも続けながらの活動となっている。しかし、絵を描くことで感謝され、絵をかけていることの実感と、これからも続けていきたいという強い思いが、私を支えている。そして、そんな日は永遠に続くと思っていた。
私が24歳になる頃、トラックに突っ込まれた。原因はトラックの運転手の居眠り運転である。また、運転手を雇っていた会社は、この事件を機に違法労働が発覚、社長が起訴されることとなった。一方、私は意識不明の重体になった。私の仕事仲間が何人かお見舞いに来てくれたが、私はしゃべれないため、ただただ虚しかった。しかし1週間後、私は死んでしまった。葬式には諸語と仲間のほかに、元父とその家族も来てくれた。葬式を主宰してくれたのは、私の仕事仲間で親友であった子だった。その子は、私の家庭事情も、夢も、すべてポジティブに変えてくれた。唯一無二の理解者だった。そして、私の遺体はもうすぐ焼かれる。そうなる前に、心の中で、私は親友にこう叫んだ。
「ごめんなさい」
ごめんなさい ぼーがす @Bogus
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