第5話

 しばらくして、怪我がだいぶ快方に向かってきた頃、アルバイトいくつかにのアルバイトに復帰した。元父が家に来るペースも、3日に1回、5日に1回と、だんだん伸びていった、しかし、生活費は必ず工面してくれたため、何とか食べていけた。そんな中、母が逮捕された。原因は暴行だった。酒に溺れた母は、逆ナンをして、断られたことが理由で暴行危害を加えたらしい。相手は30代くらいの男性で、幸い軽傷で済んだが、歯を折られてしまったため、治療費代を請求されることになってしまった。母は、今回は不起訴処分となり家に帰されたが、相手にお金を準備するでもなく、謝罪するでもなく、酒を飲んでいた。私は、母の代わりに被害者に謝りに行った。被害者には家族がいて、子供が1人いた中での謝罪となった。相手家族は、「あなたに謝ってほしいわけではない」と言い、私が用意したお金も受け取らなかった。しかし、その数日後、母は再逮捕された。今度は飲酒運転と窃盗だ。キャバクラでの仕事が減り、遊ぶお金に困っていた母は、とうとう窃盗に走ったことが経緯だ。当然、今回は起訴され。有罪判決が言い渡された。怪我が完治した私は、高校を退学し、フリーターとしてお金を稼いでいた。今までのアルバイトすべてに復帰し、シフトに入れるだけ入れてもらい、新聞配達の寮に住み込みで働いた。まず、最初の被害者にもう1度会いに行き、事情を説明してお金を受け取ってもらった。最初は断られたが、お金を払えるのはもう、私しかいないと説明すると、相手はすんなり折れてくれた。次に、もともと住んでいた家の滞納を分割払いで解決することを大家さんと話した。しかし、かなり滞納していたらしく、すべて払い終わるのには時間がかかりそうだ。最後に、自分の生活費だ。寮に住み込みなので、家賃等は格安だが、ほかの借金があまりに多いため、自分のお金が極端に少なくなる。元父は、借金返済に協力してくれると言っていた。

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