第4話

 それから、怪我を負いながらの生活が始まった。最初は、松葉杖の使い方に慣れなかったが、徐々に使えるようになっていった。元父は、話の通り、2日に1回家に来て、洗濯や掃除をやってくれ、生活費を渡してくれた。とは言え、もらえる額は1回あたり大体3~4千円くらいだった。それでも、アルバイトがしばらくできない私には有難かった。母は、相変わらず帰ってこなかったので、元父を家に入れやすかった。

 しかし、怪我をしてから1か月が経った頃、珍しく母が帰ってきた。それも、元父が家にいるときに。開口早々、母は元父になぜここにいるのかと怒鳴ったが、元父は、私を手招きで呼んだ後、事情を説明した。さらに、「お前は何をやっていたんだ」と、父も怒鳴った。その後、夜9時を過ぎてもなお、怒鳴り合いはしばらく続いた。しばらくして、母は、元父を家に入れることを仕方なく許可した。自分で子供の面倒を見る気はないようだ。その後、元父は帰り、母は「ムカつく」と言って家を出て行ったしまった。この感じだと、またしばらく帰ってこないだろう。

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