第2話

 高校生になった私は、今でも母との2人暮らしで生活しているが、母は、夜はキャバクラの仕事をし、昼は他の男と遊んでいるため、家にいることはほとんどない。たまに帰ってきたと思えば、酒に酔っぱらって寝ていることが多かったため、洗濯から料理などの家事は自分でやっている。また、教科書代などの生活費もろくに払わない母親なので、掛け持ちアルバイトで自分の生活費を賄っている。アルバイトでは最初、接客もまともにできなくて怒られることが大半だったが、徐々に接客や仕事に慣れていき、食事も廃棄になった弁当などをもらって、バイト仲間とたわいもない会話をして、深夜には眠い目をこすって自転車をこいで新聞を配っている、そんな日を過ごしていた。しかし、そんなある日、体育の時間で足を折った。疲労骨折だった。先生は家に電話してくれたが誰もいなかったうえ、母の携帯に電話しても出なかったため、先生が私を病院に連れて行ってくれた。診察代や治療代は高校の保険から出たため、私への負担はなかったが、まず最初に考えたのは、これからの生活費だった。貯金もあまりなかったし、母親にもらおうにもまず家にいない。そのことを先生と、私が働いているすべてのアルバイトの店長に相談したら、有給が使えるアルバイトはそれを使い、すべてにアルバイトはしばらく休みにし、先生は、私の元家族に連絡を入れてみることを提案した。私はすぐに元父親に電話した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る