第6話

教室内はざわついていた。皆、それぞれに知り合いを見つけたようで、色んな会話がかわされていた。和歌子が聞いてきた。

「ところで、前回はどのような本について、書かれたのですか?」

「はい。大学受験の頃に買った『チャート式英作文』という参考書についての感想文を書きました」

「それ、私もやってましたよ。すごくわかりやすかったですね」

するとくすくす笑い出した。

初めての授業で、大学受験参考書の感想文を書くなんて、自分でもばかげているとわかっていた。なので、つられてくすくす笑い初めた。気が付くと、二人ともくすくす笑い合っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る